うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-03-04

つぶやきカルテ(3月 3日)

つぶやきカルテ2010(3月 3日)

1.どんなことをしていましたか(子)


 スタートはいつものブリッジ返しでした。

 ここのところ特に目新しいデバイスはつくらず、同じ運動をくりかえしています。
 しかしそれがかえって子どもたちにとって、自分自身のうんどうの変化を感じさせてくれるのかもしれません。「あ!この間より簡単にできた♡」、「お!しっかり支えられたかも…♪」なんて感じで。

 

 柳川式の跳び箱です。

 「支えて・返して」、「軽やかに走って」、「支えて・おしりをフワッと持ち上げる・からだをサッと切り返す」そんな感覚をつくりだしたりしてきて、ここでは支えた腕や肩の上にフワッとからだがのっかる感覚をつくりだしていきます。

 そんなさまざまな運動の感覚が、開脚跳びや、逆上がり、それから側転など、さまざまな運動の動感素材として蓄積されていきます。

 そしてすき間を開けたマットの上を軽やかに走り抜け

 それから今度もっとよく観察してみようと思ったこの走りのデバイス。

 マットに残った足跡のつき方になにか発見がありそうな……どうでしょう?

 その先には駆けあがっていってジャンプがあります。

 

 坂道から放物線を描くようにとびだせるようになると

 フワッとからだが浮いてきます。


 すると横を走っているお母さんも床の上でフワッとしているのかもしれませんね(いづみさんとあづさちゃん、そっくりの姿勢です)。

 ボールタッチジャンプもありました。

 この運動からデバイスへ気持ちが向かっていく子どもたちもいるようです。

 子どもたちにとって優しい入口になっているんですね。

 鉄棒は、びゅんびゅん振るっていうことが分かってきたみたいですね。
 前回りや逆上がりもいいけど、本当の使い方はスウィングだと思っています。自分のからだを運動の発信源として動かすと、大きなスウィングが生まれてくる。そしてそれを大きく、小さくコントロールしていき……やがて次の技(運動)がなんて考えるとおもしろいですョ。

 でも逆上がりもみんなにとってはひとつの目標ですよね(これは仕方がない)。
 私は逆上がりや開脚跳びといった運動課題にあまり特化して取り組みたくはないのですが、子どもたちがここに興味をもって取り組み出したら応援せずにはいられませんよね(笑)
 大人が与えた課題ではなく、子どもたちが自ら取り組んでいる最近の逆上がりや、開脚跳び、それから側転などというのもこの時間の重要な志向性の現われではないでしょうか。

 つい最近まで体育館に遊びに来たの?って感じで楽しんでいただいち組のみんなの真剣な取り組み。
 なにがきっかけでこうなったんだろう?
 どう導いていったらこうなるのだろう?
 こんな気持ちにさせるにはどんなまなざしが必要なのでしょう?
 これって難しいことなのでしょうか?

 いろいろとまた発見できそうですね。

 
<促発に必要な能力>の2つ目「交信能力」の
“『共鳴能力』:運動感覚能力を前提として、相互にチャンネルが生化される。”
ということですね。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 なんとなくお母さんたちの早いリード(導き)があったからでしょうか、子どもたちは集中して“うんどう”の世界へ没頭していたように思います。

 あまりにも熱気にあふれていて、思わず競技前の体操の大会会場を思い出してしまいました。
 
 まるでワールドカップに出場する選手とコーチのように子どもたちが真剣に運動に取り組み、それをお母さんたちが熱く見守っています。

 にわかに活気づいた試合前って、そんな感じなんですョ。

 それにひきかえ前日までの練習は意外と地味で、コツコツとした基本トレーニングを黙々とこなしながら、ひとつひとつの感覚を丹念に納得のいくまで確認するような練習をしていたりします。

 それはそれは世界一を争う競技の大会であっても、ゆったりとした時間の中で“うんどう”という空間の中にまずは感覚をゆだねる心地の良い瞬間です。

 私は大会に出場する側ではなく運営する側でしたが、なんとなくその時のことをふと思い出してしまいました。


3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 「だいち組の変貌」がオフィスアワー全体に影響を与えているような感じです。
 やっぱりそのパワーってスゴイですね。
 そう考えると来年はどうなるんだろう?
 いまのたいよう組とほし組の子どもたちとお母さんたちのパワーが育っていくと……

 お、恐ろしい

 い、いや楽しみです(笑)

 でも本当にやっと子どもたちの中にはっきりとしたかたちの‘運動’が見えてきたって感じですね。だから運動感覚を感じて、だから夢中になれる。ということではないでしょうか。

 ふわっとした“うんどう”という感じ方から始まって、今だいち組のみんなは‘運動’を発見できたのではないでしょうか。これをもっともっと続けていけば、もっともっと‘運動’を好きになってくれると思うのですが……ぜひ忘れずに(涙)といったところでしょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 今までやってきたことを今まで通りにやる。

 特別なことをするのではなく、今まで通りにする。

 そのための素材(動感素材)をこれまでたくさん体験してきたはずですから。

 そしてまだまだこれからも楽しい運動と出会えるはずですから。

 なんてはなむけみたいな言葉になってしまいましたが、まだまだ続くということです。

 たくさんの子どもたちとお母さんたちが体育館に集まって、なんだかすごく活気のある時間になりました。

 ど、どうしちゃったんだろう(汗)みたいな、嬉しい時間でした。

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