うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-05-14

つぶやきカルテ(5月12日)

つぶやきカルテ2011(5月12日)


 いよいよ2011年度の“うんどうのオフィスアワー”が始まりました。

 新しいほし組のお母さんたちと子どもたちが加わり、
どんなオフィスアワーになっていくのでしょうか。

 楽しみです。


 とはいえ、これまで2年間かけて積み重ねてきた経験が
“うんどう”の場を自然とつくりあげています。

 そして子どもたちも場の意味を理解し
お母さんたちと一緒にツクリテとなっていきます。
 このオフィスアワーを始めてから、
そして今のだいち組のお母さんたちとの2年間の積み重ねで、
自然と“うんどう”にむかって場の空気が流れていきます。

 これは去年までの流れです。

 そしてここに新しいほし組のお母さんと子どもたちが加わりました。

 楽しみです♥
1.どんなことをしていましたか(子)

 ひとつひとつの運動のデバイスにはお母さんたちの願いがあります。
 その願いを新しいほし組のお母さんたちにも理解してもらいたいので紹介します。


 まずこれは『支える』感覚です。

 フワッと浮いたからだの感覚が肩にのってそれをしっかり開いた掌(手のひら)で感じる。
 そんな気持ち良さを伝えたい。


 『走る』感覚です。

 ふわふわのマットを走ると弾むような感覚が感じられたり、そして自然と膝(腿)を上げた軽やかな走りが生まれてきたり……


 ただマットが引いてあるだけ。

 でもこんなところで他の子どもの運動を観察することができてきたり、観察したことをやってみるという志向が生まれてきたり、「あ、ちゃんと見えていたんだ!」なんてことを気づかせてくれたりします。


 ここも『走る』感覚です。

 間にフープを置いて駆けぬけるだけですが、軽やかな足取りと大きなストライドが生まれて欲しいなと願っています。


 こんなふうに跳び箱を置いて『走る』『跳ぶ(蹴る)』『支える』感覚をつなげていきます。

 そうするとやがて‘開脚跳び’ができるようになるかな、なんて願っています。


 そのためにはまずこんなふうにジャンプをしてみたりしながら、跳び箱や踏み切り板や走ることや、運動のいろんなことが好きになることも大事です。


 それからこうやって見ること(=ゆっくりと理解していくこと)も、
実はすご〜〜〜く大事なことだと思います。

 大人の理解のペースで「はい!やりなさい」ではなく、子どもの視線の先を一緒に眺めながら分かりあっていくこの感じ……いいですネ。


 そしてこんな山もつくってみました。

 これはりょうまくんがリクエストしたのですが、このオフィスアワーでどんなことをしたいのかというイメージをそれぞれの子どもたちが持ち始めたということですネ。
 だからみんなやたらと私に話しかけてきます。
 「○○したい」「先生見てて」「先生やって」「ねえねえ」「あのねあのね」
 3月まではなかった子どもたちの行動です。

 面白い♡

 
 ……ちなみにこの坂道のぼりは、『走る』感覚と『支える』感覚、そして跳んだり転がったりすることなど、楽しい要素がいっぱいあるんですネ。


 それからこうやって鉄棒もありました。

 無理やり技をさせるのではなく、まずは鉄棒を好きにすることから始められるといいですネ。

 そしてやがてぶら下がってびゅんびゅん振ったり、ぐるんぐるん回ったりできるようになるともっともっと楽しくなるんですネ。


 それにしても新しく加わったほし組のお母さんたちのまなざしがそばにあるから、
それをしっかりと子どもたちも感じています。

 いいですねえ♡

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 すべてのお母さんたちがわが子の“うんどう”にまなざしをむけてくれていた感じです。

 ほし組のゆきこさんのコメントには、「見てみようか」「目を向けさせる」「目を見ひらいて」「同感して」など、かなり本質に近づいた見え方が書かれていました。

 みほこさんやそのほかのお母さんたちも「目を輝かせ」「イキイキと楽しそう」など子どもの表情や気持ちが見えているなど、とてもいい感じです。

 だいち組くらいになるとさらに深いコメントも登場し、そろそろ私がいなくても大丈夫かもしれないなんて思ってしまいます。

 
 かずよさんのコメントにある、「背中に、グッと伝わるものが……」とか、「気持ちよさを教えられた……」なんていうのは、運動学でいうテクスト発見能力であり、子どもたちの運動感覚に寄り添うことができるようになっているということです。
 そして「自分なりに感覚を取り戻しているのかな?……」なんていうのは、対私的意味構造の観察能力であり、運動感覚の何かに気づいたことを見ぬくことができるようになったということです。
 そしてさらには、「道具と自分との確認……」なんていう直接的には目に見えないものが見えてきているというのは、情況的意味構造の観察能力であり、タイミングや距離感、子どもの視点などを読み取ることができるようになったということでしょう。

 こんなふうにお母さんたちのまなざしは、スポーツの専門家もかなわないぐらい深い観察力が生まれてきています。

 なんかスゴイですよね☆

 そしてなにより“借問能力”という‘どんな感じでその運動を行ったのかを聞きだせる’能力は、幼児の運動を対象にしたときに最も困難とされています。
 「ねえ?今の運動はどういうふうにやったの?」と聞いてその答えを聞き出せるということです。

 ところがはなこさんこうたろうくんに跳び箱の跳び方を聞くと……

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 「体の中に、あたりとはずれがあって、それがぐるぐる回ってるの。
あたりの所にピッと止まると、とべたり、いいことがあるんだよな〜」

 こういう言葉や気持ちを引き出せるお母さんの存在って、鳥肌が立つような凄さをもってますよね。

 こんなスゴイことはきっと専門家にはできないかもしれません。

 そして私はそれができる専門家になりたいなと思っています。

 
 とにかく子どもたちはこの時間を楽しみにしてくれていたようです。

 自主練(笑)までして備えてくれていた子どもも、いや親子もたくさんいたようです。

 まずはそれをなにより嬉しく思います。

 そして真っ先に“うんどう”に取り組んだり、没頭したりして、たくさんの言葉でいろんなことを伝えてくれるようになった子どもたちにすごく成長を感じました。

 「お〜!次の時代が来たぞ〜〜!!」って感じです。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 どんどん成長していくお母さんたちに置いていかれないよう、
子どもたちの“うんどう”にまなざしをい向けていきます。

 そしてどんなオフィスアワーになっていくのか楽しみたいと思います。

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