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会期中に本館ラウンジで行われたディスカッション。漂流物で構成された新関俊太郎さんの作品を囲んで日韓の学生が東アジアの「新しい地図」について語り合いました。

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「Myth in us/私たちの神話」山形展

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ソウルと山形、2度の交流を通して得たものと
今後のアートに膨らむ期待。

2008年10月23日から11月12日にわたり本学7階ギャラリーやStudio144などを会場に「Myth in us」山形展を開催しました。これは6月に韓国のトータル美術館で開催された展覧会の日本巡回展。梨花女子大學校(韓国/ソウル)の学生19名と本学学生10名が、絵画、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンスの発表を行いました。ここでは、4カ月ぶりの再会でさらに交流を深めたセオ・ジェジュンさんと古川紗帆さんの作品をクローズアップ。それぞれの作品に込められた思いについてお聞きしました。

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両大学の象徴的な「入り口」を描いた梨花女子大學校のセオさんの作品。上がソウルのトータル美術館で、下が東北芸術工科大学の能舞台。

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セオ・ジェジュン Seo, Jae Jung 梨花女子大学校造形芸術学科生

セオさんの絵画は、入り口をテーマとした2作品。韓国のトータル美術館と芸工大のエントランスを描いたものです。写真を見ながら描いたという本館の三角屋根や能楽堂がとても象徴的に表現されています。セオさんにとって入り口は特別な意味を持つ場所で、さまざまな謎を秘めた建物の中へ移動できる道と捉えているそうです。この絵を鑑賞する際には入り口をのぞき込んで、建物の中に何があるかを想像してほしいと話していました。
セオさんにとって今回が海外で初めての展示会。自分の作品が海を越えたということ、自分が描いた建物の絵画が今その建物の中に展示されているということ、それらすべてが素晴らしい経験。「ソウル展と山形展、ほぼ同じメンバーで交流でき、お互いより深く理解し合えた」と、感慨深く語ってくれました。

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毛皮を漆で固め、隠喩的なフォルムで表現する古川さんの作品。上が韓国展にも出品された「The rifle of the deer」で、下2点が新作として追加展示された新作。

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古川紗帆 Furukawa Saho 本学修士課程芸術文化専攻

一方、古川さんの作品は、ソウル展でも出品した「The rifle of the deer」とその後に制作された新作4点。ともに毛皮と漆の組み合わせによるオブジェ作品で、多種多様な作品が展示されている会場内にあっても確かな存在感を示していました。漆と毛皮という特殊な組み合わせは、漆芸専攻の古川さんが素材にこだわった末にたどり着いたオリジナル。自ら山に入ることもあり、時には猟師の狩りに同行させてもらったりもするのだそうです。簡単に手に入るものではない稀少な素材だけに、限られた選択肢の中でイマジネーションを膨らませて作品に命を吹き込んでいるのでしょう。今回の新作には、毛皮に加えて鹿や山鳥の足などもモチーフとして活かされています。「今後はより抽象的な形に挑戦していきたい」と、まだまだ漆と動物たちとのコラボレーションを続けていく予定だそうです。

山形展では、「地元ということで空間に合わせた作品を展示でき、ソウル展の時とは違ったものにできた」と自信をのぞかせた古川さん。梨花女子大の学生も新作を発表すると聞いていたそうで、ソウルから木製クレートが届いた時には、未知のものが詰め込まれたその中身にとてもワクワクしたといいます。
山形からソウルへ、そしてソウルから山形へ。国境を越え、異文化へ発信するという体験は、学生たちにとって大変大きな意味を持ちます。今回の学生交流が今後の創作活動にどのような変化、影響を及ぼすのか、これからが非常に楽しみです。

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