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手作りキャンドルに照らし出されて……まさに雪旅籠の灯り。その幻想的な雰囲気を満喫する学生たち。建築・環境デザイン学科の学生が中心とあって、内部空間の作りもとてもしっかりしています。キャンドル作りは婦人会のみなさんが中心に行っているそうです。

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日常の中の芸工大

第1回から参加してきた「雪旅籠の灯り」が
ふるさとイベント大賞の最高賞に

芸工大の有志たちが第1回から参加し、今年4年目を迎えた「志津温泉 雪旅籠の灯り」が第13回ふるさとイベント大賞で、最高賞の大賞に輝きました。ふるさとイベント大賞とは、日本各地で行われているイベントの中から、地域の活力を生み出しているものを表彰し、全国に紹介しようと財団法人地域活性化センターが主催しているもの。芸工大では、山形県内初となるこの大賞受賞を地元の人々と一緒に喜んでいます。

そもそもこのイベントには構想段階から芸工大が関わっていました。建築・環境デザイン学科の松本年史教授はアウトドア好きで、以前からよく志津地区を訪れていました。その際に地元青年部の人が何か冬の目玉となるイベントはできないものかと相談を持ちかけたのです。そして、松本先生と地元の人々が一緒になって、かつて出羽三山信仰の宿場町として栄えた志津の街並みを雪で再現しようと考えました。豪雪を逆手に取り、建築家の先生の協力を得て、イベントは年々パワーアップしていったのです。

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斎藤千裕/代表(建築・環境デザイン学科4年)今後は企画段階から参加し、色々提案していきたいととても意欲的。

他の雪祭りが雪を積み上げて作るのに対して、「雪旅籠の灯り」は積雪や除雪で壁状になった雪を掘削して建物を造形します。芸工大の有志たちは、その雪旅籠作りに第1回から協力しています。当初は、松本ゼミの学生だけでしたが、今では学部学科や大学の枠を越え、工芸コースの学生や山形大学、宮城大学の学生も含め総勢40名以上が参加。取材班が訪れたこの日は、今シーズン2回目のイベントの開催を前に、雪旅籠の補修作業のため十数名の学生が集まっていました。

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鈴木亜季/前代表(大学院・デザイン工学専攻)第1回から関わっており、愛着もひときわ。地元の人ともなかよし。

ゼミでもチュートリアルでもないこの会の代表・斎藤千裕さんは建築・環境デザイン学科の4年生。そして、イベント初回からずっと関わってきたという前代表の鈴木亜季さん(大学院生)の姿もありました。厳しい寒さの中での重労働にもかかわらず、鈴木さんだけではなく、このイベントに参加した学生のほとんどがリピーター。地元の人々とのふれあい、素朴な郷土料理でのおもてなし、ゆったりと流れる時間……それらすべてが学生たちにとっては貴重な体験なのでしょう。

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志田昭宏/月山志津温泉 雪旅籠の灯り実行委員長芸工大の学生たちからは吸収することが多いと、感謝と関心しきり。

この志津地区の魅力、「雪旅籠の灯り」の魅力を学生たちに聞いてみると、「地元の人たちは、豪雪を少しも苦にしてなくて、逆にこうして冬を楽しもうというポジティブな人たちなんです」と、地元の人々の人柄をあげてくれました。「ここに来ると生活がとても健康的になります」という学生も。このイベントの準備で地元に泊まり込む学生たちは旅館に分宿させてもらいます。体を思いっきり動かして、規則正しい食事と睡眠、そして温泉、体によくないわけがありません。「このイベントの目的が集客のためというより、地元の人たちを楽しませたいというところがいいですよね」と、やはり地元の人々の人柄に魅了されてのリピーターが多いようでした。

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雪旅籠への点灯前に青年部の人たちと、大きなおにぎりと青菜漬けとお味噌汁で腹ごしらえ。何気ない会話やふれあいがまた楽しい。

学生たちを受け入れている地元の人たちは、「学生さんたちは、我々のように中にいる人間にはわからない、外側からの意見をいろいろ出してくれるのでとても参考になります。今後は会議などにも出てもらって、企画段階からより深く関わってもらいたいとお願いしています」と温泉組合青年部部長で雪旅籠の灯り実行委員長の志田昭宏さん。企画段階からの参加には学生たちも意欲的。すでに、雪旅籠の内部空間に工芸コースの学生たちの作品を展示してはどうだろうかといった具体的なアイデアも出てきています。その企画内容次第では、さらに他の学部学科や他大学の学生をも巻き込んでいけそうです。

「地元住民も楽しめる」「環境にやさしい」など、地元の人たちが最も大切にしている点を守りながら、大学生らしいアイデアやバイタリティを活かし協力していければ、ますます魅力あるイベントへと成長し、新たな伝統として続いていくことでしょう。

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