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卒展開催記念パネルディスカッションの前に行われた卒展プライズ2008公開講評会の様子。今回は、プライズ受賞者が登場し、作品をプレゼンテーションするとともにスピーカーのみなさんから直接講評をいただきました。

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第14回卒業/修了研究・制作展

卒展プライズの作品賞に輝いた5人5作品、それらに込められた
思いと評価をおさらいしておきましょう。
※ここで紹介している5作品のほかに、論文系の作品も2点、選ばれています。

2月11日から15日まで開催された卒展の初日、卒展プライズ5作品が発表されました。卒展プライズとは、卒業/修了研究・制作展の中から優秀作品が選ばれ、大学により買い上げ、保管・展示される栄えある賞です。今年度の審査員は、後藤繁雄氏(京都造形芸術大学教授/クリエイティブディレクター)、松本哲男学長、宮島達男副学長、赤坂憲雄大学院長、山田修市学部長、酒井忠康大学院教授(世田谷美術館館長)の6名。巡回審査でノミネートされた64作品の中から2次審査で14点に絞られ、最終的に次の5点が選出されました。今回は、受賞者自身が登壇し、作品コンセプトの説明や受賞の喜びを表現。より感動的なプライズ発表となりました。

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工芸コース:矢萩誉人(山形県出身)

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『撥』
4年前期の課題で呉須を使った作品を作ったときに、青い刷毛目を模様にしたんです。その模様から逆に形のイメージが湧き、ヒビ・割れ・亀裂・歪みなどが生じやすい焼き物のデメリットをメリットに変えて作品にしたいと考え、破片を組み合わせたこのシリーズを作り始めました。講評会では似た作品を作る作家さんの話をされてドキッとしましたが、似てはいてもその中で自分だけの何かを表現していきたいと目標がハッキリしてきた気がします。大学院に進んでもこのシリーズを作り続けると思います。

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生産デザイン学科(現・プロダクトデザイン学科):野口剛(福岡県出身)

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『CYCLE Ambulance-途上国を支援する為の移動体計画̶』
かっこいいものが好きでデザインの道に進もうと思い、高校の時に報道カメラマンが撮った途上国や戦争孤児の写真を観て、この人たちのためにデザインしたいと思いました。今回の作品は、サバイバルをユートピアに変えるためにデザイナーとしてできることの模索。ひとりでも病気やケガの人を抱きかかえて荷台に載せて運べるようにと工夫した自転車救急車です。現地を走るには構造的に華奢という問題点を承知の上で評価していただいたのはうれしかったですね。卒業後は静岡の会社でバイクのデザインをします。

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大学院日本画領域:佐々木綾子(宮城県出身)

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『Super Market-evident-』
私は学部生の時からずっと早朝荷出しのバイトをしていたスーパーマーケットに興味を持ちました。奧から新しい商品を取る人、値引きシールのついた手前の商品を取る人、そこは賞味期限をめぐって人々の価値観や人間性が表れる不思議な場所。モロクロの線画で大量の商品群が迫ってくる感じを表現しています。朝8時から深夜2時までとか、写経のように黙々と描き続けた1カ月半でした。今後も描く環境に恵まれた山形で、スーパーマーケットをはじめとする日常の中に垣間見える非日常をテーマに描き続けたいと思っています。

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映像計画コース:氏家正貴(宮城県出身)

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『死神』
映像計画コースでは、自分の芸術性だけではなく社会との関わりを重視してきたので、卒業制作でも映像が社会とどのように関わっていくかを強く意識しました。自分が大好きな落語のおもしろさを映像で若い人にアピールしようと考えました。そこで、落語協会から依頼を受けたという設定のもと、落語の「死神」を映像化。イメージを固定しないように人の顔や表情は出さずに、ロケーションや小道具も落語らしさにこだわりました。卒業後はCM制作会社に就職しますが、落語協会から本当に依頼が来たらうれしいですね。

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彫刻コース:山本雄大(静岡県出身)

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『現在』
4年間の集大成として、自分のいちばん好きな木彫組木を選んで卒業制作にしました。木彫はどんな形にもできるので発想の壁を感じないんです。『現在』は写真の銃と、女性像の連作。作ったことのないものを作ろうと何も考えずに落書きをしているうちに、それがたまたま銃に羽が生えているカタチに見えたことから生まれた作品です。今まで受賞歴とかなかったので、最後に大きな自信をもらい、親孝行にもなりました。卒業後は、実家の工場を手伝いながら、そこをアトリエにして創作活動を続けていきます。

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