「MY PROJECT START UP合宿 東北カイギ@山形」
本学で開催!
カタリバ×コミュニティデザイン学科が
高校生のアイディア実現に全力でサポート。

10月10日、11日、12日の3日間、本学を舞台に開催された「MY PROJECT START UP合宿 東北カイギ」(以下、マイプロジェクト)。2015年7月14日に本学と連携協定を締結した認定特定非営利活動法人「カタリバ」(東京都杉並区/今村久美代表理事)が主催し、今年は開催地を東北・東京・九州の3カ所に増やして実施され、東北では本学が会場となりました。当日は、カタリバの 菅野祐太氏、井上英之氏(慶応大学特別招招聘准教授)進行のもと、ディスカッションの促進役としてコミュニティデザイン学科の山崎亮学科長、岡崎エミ准教授、学生たちが参加しました。

はじめの2日間は「地元のために何かしたい」「好きなことの良さをたくさんの人につたえたい」「社会のために何かしたい」と参加した高校生がそれぞれ自分と向き合い、自分のやりたいこと「マイプロジェクト」を見つけていきます。そして、そのプロジェクトを具体的に立ち上げ、ファシリテーターや学生のサポートを受けながら明確にしていきます。3日目には、その中から魅力的なプロジェクトを考えた4名が発表をします。本学でのマイプロジェクトは、常に地域課題などに向き合っているコミュニティデザイン学科の学生のサポートを受けながら行えることが大きなメリットでもあります。

1日目、高校生とスタッフが対面します。まだお互いを知らないなかで多少の緊張がみえていました。まずはお互いの距離を縮める「アイスブレイク」を実行。アイスブレイクとは、文字通り氷を壊すように初対面の人同士でつくられた緊張感を壊し、場を和ませコミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくることです。「しゃべらない」というルールのなか、誕生日順に輪になったり、じゃんけんで負けた人は勝った人のうしろから肩につかまって連なるなどして、最後は一つの輪になることで自然と笑顔になり、一気に距離が縮まりました。緊張がほぐれたところで改めてグループをつくり、自己紹介。ファシリテーター、学生たちもグループに入り、高校生たちの個性を知っていきます。人の話を受け入れ、自分を表現する状態がこの時すでにつくられます。その後に高校生が取り組んだのは「フューチャーコラージュ」。将来なりたい像について、大量の雑誌から直感的に写真や文字などのイメージを切り抜き、大判の紙に貼って構成。完成すると、同じグループのみんなに出来た作品をそれぞれ紹介しました。

これはビジュアルにし、人へ発表することによって自分の理想の姿を明確化することが目的です。理想の自分が「どんな世の中をつくりたいのか」を考えるところから、マイプロジェクトがはじまります。ここでもう一度、マイプロジェクトについて説明を受けると、コミュニティデザイン学科の学生が、自分自身どんなマイプロジェクトを実行しているのかを紹介。すぐ年上の大学生をロールモデルとして、「自分にも出来そう」「自分も先輩のようにになりたい」と感じ、高校生はモチベーションがアップ。やる気が出てきたところで山形の郷土料理の芋煮の夕食を食べ、夜に備えます。

食事が終わるとまたグループをつくり、今度はシートへ自己紹介に加え、今まで自分が取り組んできた活動を記入し、より深く自分のバックグラウンドを含めてグループで発表し合います。高校生になるまでのそれぞれの経験を互いに知り、再度客観的に自己を見つめられたら、いよいよマイプロジェクトづくりに入ります。最初は思いつくままアイディアを書き出していき、そのアイディアをグループのなかで軽く共有しました。それぞれが実行する方法を、人の意見も交えて考えられるようになったところで1日目が終了しました。

2日目。朝食を済ませたら少し体を動かし、教室に入ります。午前中は、もう一度マイプロジェクトのアイディアを書き出してみました。一晩置いて少し冷静になることで、視点も若干変わってきます。同じグループのメンバーや他のグループへの発表を繰り返し、様々な意見を吸収することで、アイディアがどんどん膨らみを増していったようです。午後からは、コミュニティデザイン学科長の山崎亮教授が登場。大きなマイプロジェクトを実行してきた山崎教授の価値観からは、たとえどんなに大きな課題であっても必ず解決することができ、そこにはデザインを学ぶことが課題解決に大きな利点があるのだと伝えるものでした。高校生たちは大きな励ましを受け、マイプロジェクトの最終イメージを考えて、最終プレゼンテーションに備えます。自分のマイプロジェクトに具体性を持たせていく作業として、自分のアイディアに対して専門的なアドバイスができるファシリテーターを選び、時には1対1で話し合いました。2日目の最後は、最終プレゼンテーションの予行練習としての中間発表。ほかの高校生の発表を聞きながら、内容や話し方などを自分にも活かしていきます。最後の夕食を挟むと、下準備と練習を重ねて明日の最終日に挑みます。

3日目は、雨の予報がうそのような雲一つない青空。
大学の芝生のグランドで少し準備体操をしてグループに分かれ、最終発表の第1弾をこのグランドで行います。この2日間で練ってきた自分のマイプロジェクトを、全員精一杯に発表していきました。情熱を込めて課題と向き合い、その解決の具体的なアクションをはっきりと明言していく姿は、この合宿での成長がそれぞれにあったこと感じさせてくれました。発表が終わると、応援したいマイプロジェクトを発表したメンバーにそれぞれ投票し、第2弾の最終発表をする4人を決め、最後の最終発表がはじまりました。
選ばれた4人の発表は堂々としており、この合宿で学んだことを一気に表現した希望に満ちたものでした。大きな課題については、ひとりでは解決できないことがほとんど。このマイプロジェクトで学ぶ一番のポイントは、人の理解を得るために表現をし、課題解決の手段として仲間を集め、人の協力を得る方法を学ぶことです。これはまさにコミュニティデザインです。発表が終わると、3日間の過ごした日々を思い起こしながらまとめの感想を話し合いました。本気で取り組んできた3日間だったからか、高校生も学生も、そして参加した先生たちも涙を流しながらのエンディングとなりました。コミュニティデザイン学科の学生もアドバイスする立場でありながら、多くのことを学んだ3日間でした。

 

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