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工房でテーブルの制作工程をチェックする〈ミサワクラス〉のメンバーと建具店の武蔵さん。この日は、きれいに鉋をかけた木材の手触りを確かめ、バラバラの部品を仮組しました。

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日常の中の芸工大

ミサワクラスの形がそのまま机に?
住人11人が全員座れる、長い机が完成しました。

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「ミサワクラスは郊外のアトリエではなく山形市の中心街で情報を発信できることが良い」と語る新関俊太郎さん。

上山市にある武蔵建具店で着工された「〈ミサワクラス〉の机」が10月8日に完成しました。芸工大卒業生の4人がデザインし、上山市の建具職人の手で制作されたこのテーブルは、滞在型アトリエ〈ミサワクラス〉の外観をそのままデザインしたもので、11人の住人が暮らす部屋の位置にそれぞれの椅子がはまり込むように作られています。一見すると建物のミニチュアにも見える仕掛けや、建物の柱と同じ太さの木材が使用されるなど、建築物の構造的特徴を活かした豊かなアイディアをシンプルに表現する工夫がなされています。

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「他の人からは、変わった生活を送っていると思われているかもしれませんけど、私は普通に楽しく生活しています」という古川紗帆さん。

4人でアイディアを出し合いながらの制作は、「核」をもったデザインとして成立させるのに1ヶ月を要したそうです。基本プランをまとめたリーダーの新関さんは「膨らみ過ぎたアイディアを削ぎ落としていくのが大変でした。シンプルに『共有』を原点とすることを考えながら、衝動と緻密さを擦り合わせていきました」と、制作の過程を振り返りました。話し合いの中で「『シェアの象徴』として人が集まるキッチンスペースに置くこと」「建物の構造上外すことができなかった3本の柱をデザインに取り入れ、構造物としてのミサワクラスを表現するとともに、住人たちやそこを訪れた人とのコミュニケーションをコンセプトにすること」が決められていきました。

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映画祭での公開について、「共同生活という作品をみせることは楽しみ」と意欲をみせていた大槌秀樹さん。

「一人では味わえない感覚でした」とメンバーの一人、古川さんは語ります。4人が合い意見をだし合いながら方向性を探ることや自分とは違う作り方を知ること、デザインのみを仕上げるという制作内容木材の加工や組み立てを職人さんに依頼するという制作行程、その職人さんとの折衝などは制作メンバーに多くの発見と新鮮な感覚を与えたようです。

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「構造・アート・暮らす、という関係を進めることで広がる、新しい創作の可能性があります」と語る松山準さん

今回制作したテーブルは、山形国際ドキュメンタリー映画祭の期間に合わせてミサワクラスに運ばれ、一般公開しました。また、映画祭に訪れたバックパッカーなどに宿泊施設を提供する、ミサワクラスの隣に建つ同じく古いビルを改装した〈アジアハウス〉のインテリアも手がけ、開放。世界中から集まる映画関係者や映画ファンの人に対し、アートで社会と関わりながら山形で暮らす自分たちの存在をアピールするきっかけになりました。〈ミサワクラス〉は、個人の集合である11人が、人や情報の流れに触れながら社会へと働きかけるスタート地点であり、今回制作したテーブルはその象徴となるものといえそうです。

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「若い人の感じ方には教えられることも多い」という、武蔵建具店のご主人で建具職人の武蔵恵一さん。

〈ミサワクラス〉の活動内容の詳細はこちらでもご覧いただけます。
http://gs.tuad.ac.jp/misawa/

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