〈マルシェ・ジャポンin YAMAGATA〉のキッチンカーでオリジナル芋煮を作る豊島重義シェフとサポートする学生たち。

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地域に飛び出し、活躍する芸工大生たちの姿を現地リポート。

学生が活躍する地域プロジェクトを一挙公開。
社会と関わり、人々とふれあってみての
学生たちの感想や地域の人の声を聞いてみました。

生産者と消費者の間で、たくさんの笑顔を実感、
〈マルシェ・ジャポンin YAMAGATA〉に参加

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「農業や食への関心が高まった」と企画構想学科の工藤雄大さん。

〈マルシェ・ジャポン・キャラバンin YAMAGATA〉2日目の11月29日は見事な快晴に恵まれ、オープンと同時にたくさんの人々でにぎわいました。この日、企画構想学科1年の学生たちは、出店ブースで農家などの生産者をサポートするチームと、会場でのイベントを運営するチーム、オリジナル芋煮を提供するキッチンカーのお手伝いをするチームに分かれて参加。
工藤雄大さんは、東京の山形アンテナショップにも出店している中山町の「むつみ漬けもの工房」さんの担当として、浅漬け感覚の漬け物の販売をサポートしました。「むつみ漬けもの工房」の若き後継者、高橋寿治さんは"農業をもっと盛り上げたい""農業にもっとデザイン性を"と語るとても熱い人。山形出身ながら農業は何も知らなかったという工藤さんですが、高橋さんの話を聞くうちに食の大切さや農業の醍醐味がわかってきて面白くなっていったといいます。初対面の時にすぐに交換したメルアドをフルに活用して連携を強めていった高橋さんと工藤さん。「高橋さんは、とっても頭が柔軟な人で、いろんな提案を快く受け入れてくれて、一緒にやっていて楽しかったです」とも語っていました。2人のコンビネーションで当日の店頭は集客力も上々だったようです。

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「こういうオシャレな産直、これからも続けたい」と高橋寿治さん。

〈マルシェ・ジャポン〉は、全国各地で展開しているプロジェクトですが、ここまで学生が深く関わったのは今回が初めて。旗振り役の小山薫堂先生も意義深いものを感じ、大いに期待もしていたようです。マルシェ・ジャポンはその名の通り、フランスの市場:マルシェがお手本。小山先生は学生たちにマルシェの写真を沢山見せて、日本の朝市との違いやオシャレな雰囲気づくりのポイントを感じ取るようにとアドバイス。それらをヒントに学生全員がそれぞれの担当ブースで、野菜や果物などの商品をオシャレにアピールする方法を生産者と一緒に考え、店頭のディスプレイやPOPなどに若い感性を発揮していました。当日、小山先生も会場に足を運び、イベントの盛り上がりや学生たちの頑張っている様子に目を細めつつ、マルシェが学生たちのよい学びの場となっていることを確信したようです。
「『おくりびと』の小山先生の手に掛かると、産直もこんなにオシャレになってしまうんですね」と高橋さんも大いに感動。今回体験できたことを参考に、今後もこうしたイベントを継続的に企画していきたいと意欲をみせていました。


明るく元気にアクティブに、J1残留を支えた
モンテディオ山形ボランティアスタッフ

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「ずっとサッカー少年だったから」「せっかく地元にJ1チームがあるのだから」「プロスポーツの運営を学びたいと思って」など、芸工大生たちがJ1モンテディオ山形のボランティアスタッフとして活動している理由はさまざま。平均すると毎試合7〜8名の芸工大生が協力しているそうです。J1残留が決定するかもしれない大事な試合ということもあって、この日は11名の芸工大生がボランティアとして参加していました。寒空の下でのチラシ配りやブルーの絆リボン配りなどを終えて次々に控え室に帰ってくる学生たちは皆、「寒い〜」を連呼しながらもとても明るい表情。「学生のみなさんのこの元気、明るさが何よりも有り難いんですよ」と語るのはモンテディオ山形を運営するスポーツ山形21の安永享祐さん。ボランティアスタッフの受け入れ窓口として試合ごとの人員配置などを担当している人で、学生たちともすっかり打ち解けた様子で言葉を交わしていました。

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モンテディオ山形と芸工大は、以前からデザインや企画面での交流があり、大学からは学生ボランティアにはイベントなどの企画に多く携わらせて欲しいとの要望が出され、安永さんも芸工大生には斬新なアイデアや企画力を期待しているようです。J1残留を果たし、2年目となる今シーズンが正念場。J1定着に向けて、観客動員アップのためのイベント企画にも本腰を入れていきたいということで、芸工大生たちの活躍が求められる場面も増えそうです。

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今回ボランティアスタッフとして参加していた学生たちの多くは、今後も続けていきたい意向で、それぞれにボランティアとしてやってみたいこと、課題としていることなどがあるようです。企画構想学科1年生の澤邊さん、石川さん、成田さんは、それぞれ「試合後のゴミ回収の時など"ご苦労さま"とか"お疲れさまです"とか、観客が声を掛けてくれるんです。すごくあったかい土地柄を感じるので、今後さらにあったかいチームになっていくそのプロセスに携わりたい」「スタジアム全体をもっと活用して集客力を高める企画を考えてみたい」「一度体験すれば、きっと楽しさがわかるので、より多くの人に興味を持ってもらえるような仕掛けを考えたい」と話していました。3人とも出身は他県で、モンテディオ山形を通して山形への理解を深めようとの思いもあるようです。また、現在3年生で就職活動中というメディア・コンテンツデザイン学科情報計画コースの鈴木さんは、「このボランティア活動を通して、笑顔や"ありがとう"の言葉をもらううれしさを実感しました。この感覚を今後も大切にしていきたいです」と感慨深げに話していました。

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(上から)鈴木さゆりさん(情報計画コース3年)/澤邊元太さん/成田栞さん/石川翔悟さん(ともに企画構想学科1年)

地域社会に貢献しながら自らの可能性やスキルも高めている学生たち。モンテディオ山形のJ1での善戦と学生たちのさらなる活躍が期待できるシーズンとなりそうです。

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「芸工大生は元気でいい」と語るスポーツ山形21の安永享祐さん



山形空港の2体のブロンズ像を現地で修復
貴重な体験でリアルに学んだ学生たち

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山形空港開港25周年の記念事業の一環として、正面玄関の前に立つ男女2体のブロンズ像『おおぞら』と『大気に翔』に修復の手を加えたいと考えていた山形空港ビルの福島得二社長。修復業者を選定するためにインターネットなどで情報を収集していたところ、修復という名の下でピカピカに磨き上げられてしまった銅像の事例を目の当たりにして不安になってしまったといいます。これでは修復ではなくクリーニング、彫刻家が込めた思いや経年美が損なわれてしまうではないかと。そんな時、著名な建築家の勧めで芸工大の文化財保存修復研究センターへの依頼を決めたのだそうです。藤原徹先生は修復の作業者として、美術史・文化財保存修復学科の3年生6名と大学院生2名も参加させることに。半年間にわたる交渉や準備期間を経て実際の修復作業は12月の寒空の下で行われました。

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一日目は2体のブロンズ像の周囲に足場を組んでシートで囲み、2日目から本格的な修復作業のスタートです。まず、ブロンズ像に付着した塵や汚れを落とすためドライアイスによるブラスト(高圧噴射)が施されました。従来の手法ではクルミの粉によるブラストが一般的で、ドライアイスブラストは藤原先生にとっても初の試み。スピーディで環境にもやさしいと話題の手法だけに先生も学生たちもその場に立ち会えることを楽しみにしていました。

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(上から)福島茜さん(大学院生)/石井千裕さん/堀越さゆりさん(ともに美術史・文化財保存修復学科3年)

前評判通り、業者によるドライアイスブラストはあっという間に完了。表面の汚れは見事に落とされ、クルミの粉のような後片付けの必要もありません。一同、感動の瞬間でした。その後、学生たちがブロンズ像の褪色や損傷状況をくまなくチェックし、さらにクルミの粉によるブラスト、溶剤による洗浄を経て、ワックスコーティング、補彩仕上げ、保護コーティングを行い、無事、修復完了となりました。

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「芸工大には非常に興味があります」と山形空港ビルの福島得二社長。

文化財や美術品の修復を依頼されるケースはいろいろありますが、修復センターに搬入されるケースがほとんど。今回のように現場に赴いて、しかも屋外での修復作業はまれで、学外に飛び出すワクワク感、初めて目にするドライアイスブラストなどの要素も加わって、学生たちにはとてもエキサイティングな体験となったようです。「噂以上にドライアイスブラストはすごかった」と感動しきりの大学院生・福島さん、「寒さなんて感じている暇がないくらい楽しい経験だった」と目を輝かせる3年の石井さん、堀越さん。「現場で通用する人材になれるようにこうした機会にいろんなことを吸収したい」とも話していました。

一方、福島社長からは「修復中の作業現場で学生さんに質問をしたところ、瞬時に答えが返ってきましてね。とてもしっかりしているので感心しました」といった声も聞かれました。ブロンズ像の修復の出来映えとも相まって大変満足していただけたようです。こうした現場での会話力も現場で通用するための条件のひとつかもしれません。地域に飛び出す、実践で学ぶ、こうした機会はどんどん増えていってほしいものです。

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