東北復興支援機構 | TRSO

『向井山朋子展/夜想曲』開催中(Oct 15-Nov 27, 2011)

現在、TRSOでは東北芸術工科大学美術館大学センターの企画展『向井山朋子展/夜想曲』を開催しています。津波で破壊された石巻の2台のグランドピアノを展示しています。

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向井山朋子/夜想曲

2011年10月10日[月・祝]→11月27日[日]

2011年3月11日。東日本を襲った地震、津波、そして福島原発事故による高濃度の放射能汚染は、瞬く間に多くの人々の命を奪い、悲しみを与え、平穏な日常を奪い去りました。同時に3.11による巨大な喪失は、この列島にルーツをもつ全ての表現者に「大震災以後の東北で芸術は可能か?」という困難な問いを負わせています。アムステルダム在住の世界的ピアニストであり、ファッション、ダンス、映像を横断する美術家として知られる向井山朋子は、ヨーロッパで震災の報を聞き、刻々と変化する情報に目と耳を澄ませながら「朝、目が覚めたら祖国が無くなっているかもしれない」という恐怖に怯えたといいます。この夏、東北芸術工科大学の招きで被災地を訪れた向井山は、津波によって破壊された2台のグランドピアノとの出会いから強いインスピレーションを得て、3.11からの再生をテーマに『夜想曲』を制作しました。『夜想曲』は2つのパートからなり、TRSOでは石巻の被災ピアノをそのまま移設するアートワークを、白鷹町と東京では200年前のショパンの楽曲『Nocturne(夜想曲)』に、かつてピアノが演奏していた小学校校歌を組み合わせたコンサートをおこないます。

主催:東北芸術工科大学

共催:白鷹町文化交流センター、山形国際ドキュメンタリー映画祭
協賛:株式会社コーセー、アサヒビール株式会社

協力:石巻市立湊小学校、石巻市立湊第2小学校、白鷹少年少女合唱団、門仲天井ホール
後援:オランダ大使館、Tomoko Mukaiyama Foundation

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10月16日の展覧会オープニングでは、東北芸術工科大学副学長で、やまがた藝術学舎統括ディレクターの宮島達男氏との記念対談もおこなわれました。対談の内容や、『向井山朋子/夜想曲』プロジェクトの詳細については、美術館大学センターのHPをご覧ください。
TUAD AS MUSEUM|美術館大学センターWEB=http://gs.tuad.ac.jp/mukaiyama/

また、展示されているグランドピアノは、TRSOを拠点とする復興支援ボランティアバス『スマイルエンジン山形』の支援活動エリア・石巻市湊地区から運ばれたものです。震災から7ヶ月。フィジカルな支援はまだまだ必要ですが、TRSOでは、震災の記憶をアートによって語り・継ぐための取り組みも、学内の他機関と連携しておこなっていきます。

宮本武典(TRSOプログラムディレクター)