東北復興支援機構 | TRSO

「ギフトオブネイチャー 東北芸術工科大学教員作品展」を開催します | 2013年8月6日[火]→9月18日[水]

「東北芸術工科大学 やまがた藝術学舎」は、2011年5月の震災直後に、旧山形県県知事公舎を一部改装して、産学連携で地域デザインに取り組むオフィス「共創デザイン室」と、アートとデザインによる復興支援活動をおこなっている私たち「TRSO 東北復興支援機構」の活動拠点として、これまで美術大学の知財を活かした社会貢献プロジェクトを展開してきました。

そしてこの度、未改装だった部分の改修工事を経て、新たな「やまがた藝術学舎」がグランドオープン。それを記念して、自然と人間をテーマに創作に取り組む本学教員の作品展「ギフトオブネイチャー」が8月6日[火]より開催されます。

今回の展示では、本学教員以外にも、8月3日[土]~4日[日]にTRSOが開催する「キッズアートキャンプ山形2013」のゲストアーティストである書家の華雪さんの作品がご覧いただけます。キッズアートキャンプ「〈木〉を書いて〈森〉をつくろう」のワークショップで、参加する南相馬の子どもたちとそのご家族とともに華雪さんご自身も大きな屏風に書を印し、出来上がったばかりのその渾身の作品も展示する予定です。ぜひ、やまがた藝術学舎ギャラリーにお越しいただき、華雪さんやそれぞれの作家が表現する「自然」を体感し、向き合ってみてはいかがでしょうか。

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また、会期中の9月16日[月・祝]には、やまがた藝術学舎に華雪さんをお招きして、一般の方(高校生以上)を対象とした「〈木〉を書いて〈森〉をつくろう」のワークショップもおこないます。こちらは定員制となっておりますので、参加を希望される方はお早めにお申し込みされることをお勧めいたします。

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「ギフトオブネイチャー 東北芸術工科大学教員作品展
会期:2013年8月6日(火)~9月18日(水)
時間:10:00~16:00
会場:やまがた藝術学舎
住所:山形市松見町17-1
入場:無料
休館日:土曜日、日曜日、祝日/8月12日(月)~16日(金)
※8月31日(土)/9 月8日(日)、15日(日)、16日(月・祝)はイベント実施日の為 開館

ギフトオブネイチャー
端山信仰が今も残るこの村山地方では、月山などの霊峰を「深山」と呼び、それに対し「里からちかい山= 端山」を、農業の神や祖霊が宿るところとして信仰し、祈りを捧げてきました。私たちは、このような信仰のありようや、苔むした社や、里山の景色や、侘びた茶道具や、素朴な郷土料理に、無銘の「美しさ」を感じとる文化を、幾世代にもわたって育んできました。
それらは「自然そのもの」ではなく、人の手が入り、人工と自然が混ざりあい調和した「芸術」と言えるでしょう。芸術家たちは、森羅万象を敬うだけでなく、これらの造形をよく観察し、火を加えたり、草木で染めたり、意匠化することで、天然から「純粋な美」だけを抽出し、生活に取り入れてきました。なぜ私たち人間は、自然そのものの姿に飽き足らず、調和の美に心惹かれ、それを自ら形づくろうとする挑戦を止めないのでしょうか?
本展「ギフト・オブ・ネイチャー 東北芸術工科大学教員作品展」は、陶土、墨、染料、岩絵具など、自然由来の素材を熟知し、それらを緻密に再構築する技によって「もうひとつの自然」をつくりだす、4 名の現代作家をご紹介します。厳しくも豊かな自然によって磨かれた調和の美を、新たに生まれ変わった「やまがた藝術学舎」でご覧ください。

出展教員による自作解説
「アトリエからの報告―山形でつくり、教えること」
山形市に移り住み、大学で後進の指導を行うかたわら、芸術表現に打ち込む若手アーティストが、東北での暮しと、その美しい風土から得られるインスピレーションについて語ります。
日時:2013年8 月31日(土)15:00~17:00(入場無料・予約不要)
語り手:吉賀伸(彫刻家)×宮本武典(キュレーター/本学准教授)、他

出展者プロフィール
辻けい|テキスタイル
美術家。1953 年東京都生まれ。東北芸術工科大学教授。80 年代後半より網走の流氷原、オーストラリアの砂漠、フランスの湿地帯や林、中国、スコットランド、カナダ、フィンランド、メキシコ、福井の観世川、青森のグダリ沼などでフィールドワークを実施。主な個展としてPICA(89 年、オーストラリア)、「辻けいの仕事」(01年、岩手県立美術館)、国際芸術センター青森(06 年、青森)、カスヤの森現代美術館(09 年、神奈川)など。神奈川県在住。

鴻崎正武|絵画
画家。1972年福島県生まれ。東北芸術工科大学准教授。動植物と人間が共生する桃源郷をテーマに絵画制作にとりくむ。主な個展として佐藤美術館(07年、新宿)、Dillon Gallery(12年、NY)、ART FRONT GALLERY(12年、代官山)。その他、「New Spirits 福島」(05 年、福島県立美術館)、代官山蔦屋書店2号館2階のカフェスペースAnjinに「TOUGEN No.48」が常設。「O氏記念賞」「第13回青木繁記念大賞展大賞」等を受賞。山形市在住。

吉賀伸|彫刻
彫刻家。1976 年山口県萩市の窯元に生まれる。筑波大学大学院を経て、東京藝術大学大学院で彫刻を学ぶ。在学中よりセラミックによる大型作品を制作し、新制作協会展やグループ展等で活躍。2007 年に五島記念文化賞新人賞を受賞し、同財団の助成により欧州各地の文化遺産を巡る。帰国後、東京藝術大学非常勤講師を経て、2009 年より東北芸術工科大学美術科彫刻コース専任講師に着任。山形市在住。

華雪|書
書家。1975 年京都府生まれ。1992 年より個展を中心に活動を続ける。刊行物に、写真家ホンマタカシ氏ディレクションによるプライベートプレスbetween the books から「ATO 跡」(09 年、between the books)、写真集やアートブックを多く手掛ける赤々舎から「書の棲処」(06 年、赤々舎)、京都新聞での連載をまとめた「石の遊び」(03 年、平凡社)などがある。また、〈字を書く〉ことを軸としたワークショップを各地で行う。東京都在住。

ワークショップ
ワークショップ①「鳥の生態について学び〈ぼくの巣〉をつくろう」
日時:2013年9月8日(日)13:00~16:00
講師:大竹左紀斗(グラフィックデザイナー/本学准教授)
対象:児童(6~12歳)親子10組【 要申込】
参加費:ひとり500 円 ※保険料含む
枝や泥だけでなく、さまざまな素材でつくられている鳥の巣は自然界のアート?野鳥に詳しい大竹先生から鳥たちのユニークな巣づくりを学び、自分がすっぽり入れるほどの「ぼくの巣」をつくってみる体感プログラム。

ワークショップ②「わが家の米櫃と枡をつくる」
日時:2013年9月15日(日)13:00~16:00
講師:相田広源(TIMBER COURT 代表)
対象:児童(3年生以上)親子10組【 要申込】
参加費:ひとり500 円 ※保険料含む
県産の間伐材でお米を保管する箱「米櫃」を、米糊や木釘など伝統技法で組立てます。今はプラスチック製がほとんどですが、昔はどの家庭にもあった素朴な木の米櫃をつくってみましょう。果物や道具入れにしてもOK です。

ワークショップ③「〈木〉を書いて〈森〉をつくろう」
日時:2013年9月16日(月・祝)13:00~16:00
講師:華雪(書家)
対象:一般(高校生以上)20名【 要申込】
参加費:ひとり500 円 ※保険料含む
「わたしがもし一本の樹ならどんな姿かな?」と想像しながら〈木〉を書く。そうしてできあがった、みんなの〈木々〉をつないで、大きな〈森〉にして眺めてみる。自由に大胆に、文字で遊ぶ3時間。

主催:東北芸術工科大学
コーディネート:宮本武典
ワークショップ:大竹左紀斗/TIMBER COURT/華雪
企画:東北芸術工科大学美術館大学センター
協力:こども芸術の家プロジェクト

お申込み・お問い合わせ先
お申込みはメールでお願いいたします。メールの件名を「やまがた藝術学舎ワークショップ申込」とし、本文に①希望するワークショップ名、②参加人数・続柄・年齢、③代表者氏名(フリガナ含)、④現在お住まいのご住所、⑤ご連絡先(メールアドレス・携帯電話)をご記入のうえ、開催1週間前までにお申込みください。なお、各回とも定員になり次第、締め切らせていただきます。

東北芸術工科大学 生涯学習プログラム(担当:谷川)
E-mail: exte@aga.tuad.ac.jp
TEL: 023-627-2091(平日9:00~17:00)

 

須藤知美(TRSO事務局)