うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-07-11

つぶやきカルテ2011(7月 7日)

つぶやきカルテ2011(7月 7日)


 『まなざしカルテ』をありがとうございます。

 これを読むと、書かなければ〜(汗)という気持ちになれます。

 なんだか今回はお母さんたちにいろんな気持ちの変化や、新しい迷いが生まれてきたりしていましたね。

 でも‘迷う’っていうのは、いつも言うように分からないってことが分かったことであったり、気にもしていなかったことが気になりだしたってことであったり、要するに自分自身の中に発生した違和感に気づけたということですから、これもお母さんの成長の一歩ですね。

1.どんなことをしていましたか(子)


 踏みきり板を使って『跳ぶ』感覚です。

 うまく跳ね返りをもらえるけり方を見つけると、気持ちよく弾みます。


 その弾みを利用してマットに乗っかります。

 最初はまだこんな感じで構いません。

 こんなふうに手をつないでたっていいんです。

 少しずつ“うんどう”が理解できてくると、
勢いや反動などをもらって効率的な(気持ちいい)運動ができるようになります。


 そうすればこんなふうに軽やかにとびのれるようになるはずです。
 そしてお母さんのこんなかっこいい姿が、ちょっとずつ子どもたちの眼に写るようになり、
やがて理解できるようになってくるのです。

 まず最初は目の前で起きていることが見えません。
 そして見えてきても理解できません。

 想像してみてください……

 お母さんたちの目の前で
鉄棒の『後方伸身2回宙返り2回ひねり下り』
という技をしたとします。
 ちょっとわかりやすく解説すると、
鉄棒からパッと手を離して身体をまっすぐ伸ばしたまま後ろへクルクルっと2回転し、
その間にクルクルっと横に2回ひねって着地するという技です。

 ≪伸身新月面≫(参照)

 とは解説しても、
おそらくいきなり目の前で見たとしたら、
なにか起きているのか全く分からず??????って感じでしょう。

 だから少しずつ少しずつそれを見たくなって、知りたくなって、
それと似たような運動を体験していって、段々と見えてきて、段々と理解できてくるのです。

 まずは子どもの視線の先にいまどんなことが起きているのか、
なおりさんのように探っていくと子どもたちと同じ世界や感覚が見えてくるのでしょう。


 この鉄棒だって、これからどんな運動に発展していくのでしょう。

 この勢いをうまく利用していくとやがて……

 ……楽しみです♥というデバイスを考えていきたいですね!

 こののりこえて前転も人気がありました。

 なにか自分の感覚を見つけたひでのりくんが、
わざわざ「見て〜」と私を呼びに来てくれました。


 「ほら、こうすればいいんだよ!」というものを見つけたみたいです。

 かがりちゃんが自主練(?)で習得した『倒立』をしていました。

 これに触発されたみんなが、「逆立ち」の練習を始めました。

 これも‘運動が見えた’ことの現われですね。

 オリンピック選手のスッゴイ技もいいけれど、
身近にいるお兄さんお姉さんやお友だち、それからお母さんなど、
なんとなく共感しやすい人の運動って見えやすいのかもしれませんね。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 ゆきこさんが悩み始めました。
 ゆきこさんに見えていて、はづきくんに見えていないことがあるからです。

 そうなんです。最初は見えていないんですね。
それでもその“うんどう”の流れや空気の中にず〜っといると、やがて見えてきます。

 運動ばっかり気にしていないで子どもの表情だけを見てみると、
また何か違う子供の志向性みたいなものが見えてきたりします。

 だいち組のお母さんたちに聞いてみてください。

 だいち組の子どもたちがそんなふうになってきたのは、すごく最近になってからです。

 まきこさんも言っています。

「たまに、親子で向きあって、お互いの、子どものうんどうの力を感じたり、意図的にとても近い所でまなざしを向けることがあるのも良いことなのかも。デバイスや、周りに流されずに運動を感じられる気がする。そんなまなざしがたぶんだいちがほしの頃はすぐ側にあり、そのつみかさねが今なんだと思う。それをほし、たいようさんに伝えることは出来ないのかなあ。」

ということでストレートに載せちゃいましたが、
まだまだ焦らず、じっくりと“うんどう”の世界をつくっていきましょう。

 ほし組の今がいちばん子どもの“うんどう”のそばにいられるときですから。

 そしてこの時期を一緒に過ごしていくと、やがてお互いの意識が共鳴し、感覚の共振が起きるような時が訪れます。

 というわけで、これからを楽しみにしましょう♥♥♥

 

 そして次への一歩のために悩んでいる(のかな?)えつこさん

 そういう時はその場で柳川郁生に相談してください。

 今回はまさよさんひでのりくんの前転について話があったので、こんなふうに少しみんなを巻きこんでやってみたりしました。
 みなさんもなにかお悩みや相談、気になることなどなんでも、
ぜひぜひ現場で声をかけてください。

 子どもたちの運動を目の前にして、実際にいろいろと試しながら話をするのがいちばんわかりやすいですから。

 遠慮せずにどうぞ(/ ̄^ ̄)/ ̄ \(。_ 。\)

 そしてふみこさんなど、まだまだ悩み始めた人がいます。

 それってきっとお母さんとしての“願い”がやっと見えてきたのかもしれません。

 やっと見つかったその“願い”が子どもと共通の“願い”になるのにはまたさらに時間がかかるのでしょう。

 創発の時間の学生たちに言っています。

 「みんなの“願い”が必ずしも子どもたちに伝わるとは限らないよ。でもなるべく出会ったばかりのみんなの“願い”が子どもたちに伝わりやすくなるよう、デバイスを工夫したり、ストーリーをつくったりするんだよ。子どもたちとみんながはやく仲良くなれるようワークショップに向けて準備しているんだよ。」

というわけで、いろいろと楽しい工夫を考えてみたり、もっとゆっくりとまなざしを向けてみたり、まずは子どもといちばん仲のいいお母さんですから、学生たちと比べたらなにも焦ることなくやっていったらどうでしょう。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 なんだか雑に動いているように見えますが……

 しっかりと回転を先どりしている視線があります。

 なんだか乱暴に動いているだけに見えても、実は着実に習得している感覚があったりします。

 そんなことがはっきりと現れてくるのも、ひとりひとりのペースなんですね。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 あらあらもうこども芸大は夏休みなんですね。

 大学の方はまだまだ8月いっぱいまで授業なので、この『うんどうのオフィスアワー』もまだ続く気でいました。

 ということでまずは7月14日は、広いスペースで、子どもたちにやりたいことをたくさんリクエストしてもらって、楽しい時間にしましょう。

 よろしくお願いします

2011-07-03

つぶやきカルテ2011(6月30日)

つぶやきカルテ2011(6月30日)

 5月、6月とオフィスアワーを展開し、だいち組の子どもたちが夢中になって“うんどう”する姿を通して、子どもたち全体の取り組み方も少しずつ変化してきました。
 というわけで、その子どもたちの成長に支えるために

 ひさしぶりに柳川郁生は、ニコニコしながら怒りたいと思います。

 『まなざしカルテ』を書いてください!!

 このオフィスアワーは、子どもたちの運動教室ではありません。
お母さんがいて子どもたちがいて『うんどうのオフィスアワー』になります。
 子どもたちの運動能力を向上させるのが
この時間の主となる目的ではありません。

 お母さんと、子どもたちの運動の感性を豊かにしていくのがこの『うんどうのオフィスアワー』の時間です。

 そのためには、運動を見て、運動に取り組んで、
いろんなことに気づけるようになる必要があるんです。

 体を鍛えて、体力をつけて、集中力ややる気を育てたいのであれば、
どこかのスポーツクラブへ通った方が効率的ですよ。
 ですからこの時間は、もっともっと子どもたちの運動の感性によりそってお母さんたちが応援できるようにするために『まなざしカルテ』を書いてもらっています。
 そうすることによって、少しずつ少しずつ子どもたちの運動の感覚や志向性に気づける、お母さんたちの感性が育っていくのです。

 だから必ず「お母さんの参加できるときにだけ来てください」といっているのです。

 もしお父さんがお母さんの代わりに来たら、お父さんが書いてください。
 もしおばあちゃんがお母さんの代わりに来たら、おばあちゃんが書いてください。
 このオフィスアワーを開催するときにお話ししました。
 まずは書いてみてください。
 書こうとすると見えてくることがあります。
 書かないでいると知らないままでいることになります。
 最初は「書けない」ということがスタートでも構いません。
 でも1行でもいいからコメントを残すことで、
 少しずつ少しずつ子どもたちの感覚や志向性が見えてきます、理解できてきます。

 その取り組みをしないでこの『うんどうのオフィスアワー』に参加していても意味がありません。
 しつこく言いますが、自分の子どもがノートも持たずに小学校へ通っていたらどうしますか?

 「お母さん、なんでぼくの『まなざしカルテ』を書かないの?」と聞かれたらなんと答えますか?

 柳川郁生は真面目にこの時間を大事にしています。

 そんな大切な関係をつくろうと思っているのに、
 『まなざしカルテ』を書いてくれないお母さんとは
片思いなんだなと思います。

 柳川郁生だけではありません。

 みんなでみんなでつくっている、
大事な大事な『うんどうのオフィスアワー』の時間です。

 みんなで”まなざし”をつづって、“つぶやき”をかえして、
こつこつと積み上げてつくりあげてきた時間です。

 ここまでつくるのには本当にみんなの『愛情』が必要でした。
大変でした。時間がかかりました。

 ですから「書かなくても……」なんて思わないでください。

 みんなで本当に大切にしている時間です。よろしくお願いします。

 この時間を大切にしているがゆえに長々と書きましたが、そろそろ本編へ……
1.どんなことをしていましたか(子)


 まずはこんなデバイスがつくられていました。

 子どもたちは支えたり、跳んだりしていました。

 その先はこんなふうに登っていって、跳ぶでした。


 その先には先日たいよう組の「うんどうの日」でつくった、跳んで支えて跳ぶデバイスをつなげてみました。

 これを使ってみんないい踏みきりの感覚を見つけ始めたのと、何人かの女の子が跳び箱に興味を持つきっかけになっていたので、せっかくだから登場させてみました。

 それからお母さんたちが考えたデバイスです。

 支えて跳び乗って、跳んだり、回ったりできます。

 子ども芸大の子どもたちは、ひとつのデバイスを使って本当にいろんな運動を展開します。

 そしてお母さんたちも、広〜い理解でそれを見守っています。

 そこんところがスゴイですネ。


 そのあと少しデバイスに人がたまってしまうので、次をつなげてみました。

 マネジメント的なことですが、混んできたら流れをつくってあげると、みんなが一つ一つのデバイスを十分楽しめるような余裕がつくれたりします。

 これも工夫ですね。

 鉄棒なんかを置いたりもしました。

 この肘をピンと伸ばしてバーの上で支えている感じがいいですね。

 これは腕の力がついたからではありません。

 自分の身体を支えるいい感覚が見つかったからです。

 
 なにか運動ができるようになったり、できなかったりすると、すぐに力や体力、気持ちや根性のせいにしがちです。しかしいい運動の感覚で発見した運動のやり方(通り道)は、楽に最小限の力でできる方法です。

 力がないから逆上がりができない。力がないからおしりが持あがらない。力がないから腕で支えられない。

 そんなふうにすべて力のせいにしているのであれば、みんな運動なんてせずに筋トレをするのが近道のはずです。

 ぜひ自分で書いた『まなざしカルテ』を読み返してみてください。

 どう書いてありますか……

 正解があるわけではありませんが、そうではないもっとここちよい感覚でできてしまう運動のやり方が見つかってくるはずです。


 それから2本のコースをつなぐために、長〜くマットをつないでみました。

 すると側転をしだす子どもたちが出現しました。

 最初のきっかけはさやちゃんでした。

 そこから次々と取り組みだす子どもたちが増えて、まだ入学前の子どもたちもマネをしだしました。

 見えているんですね。写っているんですね。2才の子どもの眼にも。


 そこでうまく側転の運動を見つけられるよう、こんなふうに跳び箱を置いておきました。

 こういった運動の感覚から、少しずつ側転の感覚が見つかってきます。

 いきなり逆さまになるとわけが分からなくなったりしますが、こうやって少しずつ自分の肩にふわっと体重がのっかったり、身体がくるっと回転したりする感覚を体験していって側転につなげていったりします。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 やってましたねえ。

 夢中でしたねえ。

 いい感じでしたねえ。

 スゴイですねえ。
 こんなふうに取り組んでみると、「わからない感覚」「できない感覚」「わかりそうな感覚」「できそうな感覚」「わかった感覚」「できた感覚」など、いろいろな感覚と出会うことができると思います。

 なんか「分かりそうな感覚」や「できそうな感覚」がちかづいてくると、顔がニコニコしてきます(*´∀`*)

 「できそうな感覚」の次にやってくる「できた感覚」を身体が感じとったとき……キタ━(゚∀゚)━!って感じになるんですよね。

 
 ゆみこさん、ぜひぜひ側転をマスターしてください。

 この側転の楽しさを知ったときに、きっとこの気持ちよさをゆうたくんに伝えたくなるはずです。

 そしてそれが伝わったときに、お互いの運動感覚が共鳴し合って、すっごく充実した幸せを感じることができるはずです。

 グルメ雑誌に載っていたレストランに連れていって、おいしいと紹介されていたオムレツを食べさせるのではなく、自分が見つけて実際に食べてみて、最高に美味しいと感じた親子丼を「うわーっ!本当に美味しい♥」と言ってもらえた時のように、自分が見た夕焼けを今そのとき一緒に見てお互いに共感しながら「すっごくきれいだね♥」と感じるように、運動の世界でつながり会えると本当に幸せですよ。

 そんな幸せに出会えるから、そんな幸せを伝えたいから、
柳川郁生はオフィスアワーを続けています。

 だからお母さんたちに「まなざし」をむけてもらい、わが子を通して見えてくる姿や表情、取り組みや気持ち、運動の変化などを書きつづることによって“うんどう”の理解者になってもらおうと思っています。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 子どもたちは、このオフィスアワーの“うんどう”というものを見つけ始めています。

 だからいまここで大人たちは“うんどう”と“運動”の違いを意識しなければいけません。

 そしてそれは簡単に説明できるものではありません。

 でも「まなざし」をむけていったお母さんたちには、なんとなくその空気が分かっています。

 書きつづった『まなざしカルテ』を振り返ってみると、それが見えてきたりします。

 
 今これから秋の「親子・運動の日」に向けて,
子どもたちの運動の感性はグングンと育っていきます。

 そんな子どもたちによりそって、
いちばんの理解者として愛情たっぷりに応援できるよう、
私たち大人も一緒に育ちましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 オフィスアワーに参加したら、
必ず次回の参加までに『まなざしカルテ』を書いてください。

 そして柳川郁生も『つぶやきカルテ』を書き続けます。

 だってここは“うんどう”の世界をつくることによって、
“運動”の感性を育てていくところですから。

 子どもたちに運動させるだけなら、大人が理解者になろうとしないのであれば、
この時間を、この場所で過ごす意味はないと思っています。

 みんなで楽しいオフィスアワーをつくっていくために、
よろしくお願いします。

2011-06-27

つぶやきカルテ2011(6月23日)

 先週は、だいち組対象の創発カリキュラム『うんどうの日』のワークショップがありました。

 学生たちがいろんな運動の感覚を引き出すデバイスを工夫して展開しています。

 「こんなふうに動いて欲しい」「こんなふうに感じて欲しい」「こんなふうに気づいて欲しい」「こんなふうに体験して欲しい」「こんなふうに楽しんで欲しい」と、学生たちの願いがつまった運動のデバイスです。

 このブログで紹介していますので、そちらの方もご覧になってください。

 お母さんたちの願い、学生たちの願い、保育に関わるスタッフや職員の願い、そしてなにより子どもたちの願い、それをつなげるのがこのブログ(柳川郁生)の願いです。

 だから学生が展開した“うんどう”のこと、こども芸大で展開した“うんどう”のこと、“うんどうのオフィスアワー”で展開した“うんどう”のこと、全てをここで公開しているのです。

つぶやきカルテ2011(6月23日)

1.どんなことをしていましたか(子)


 走るきっかけをつくってくれるデバイスでしょうか。

 走ったり、ぴょんぴょんと跳ねたり、子供たち自身がいろんなことを試していました。

 「支える」感覚のデバイス。

 ほし組やたいよう組の子どもたちは歩くことが中心ですが、もうひと工夫することでこんなふうに4つ足で歩いてくれるかもしれません。

 跳び乗ってジャンプのデバイスですね。


 ここも学生たちのつくったキノコを登場させてみました。

 「回る」感覚のデバイスです。


 ここはブリッジ返し。

 後ろへ「回る」感覚と、胸や肩の感覚を使って「支える」感覚を体験するデバイスです。


 そしてかけ上がっていって「跳ぶ」感覚のデバイス。

 学生たちがつくった恐竜のデバイスとも自然とリンクしていたのではないでしょうか。


 ここも「跳ぶ」感覚のデバイスでしたが

 ちょっと「跳ぶ」イメージをもってもらうために、学生たちが準備した草を生やしてみました。

 高い台に乗るよりは、ピョンと跳び上がるイメージができたでしょうか。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 ほし組や、たいよう組のお母さんたちもデバイスつくりに参加してくれるようになってきました。


 そして子供たちの様子をみながら、実際に自分で試してみながら、ちょっとずつ手を加えていきます。

 なにか完成品を準備するのではなく、ちょっとずつちょっとずつつくっていく。これが工夫ではないでしょうか……。

 それから手をつなぐことなどをきっかけに

子どもたちの“うんどう”にそっと寄り添ってみる。


 焦らず、ゆっくりと……
 そうすると


 こんなふうに生えているキノコや花の匂いをかいだりして

 子どもたちはもっともっとイメージを広げて

 “うんどう”を楽しめるのではないでしょうか。
 少しずつ少しずつ、というよりもかなり早い段階で“うんどう”が理解できてきたかもしれない子どもたち。

 どんなことが見えているのか、お母さんたちもそのまなざしの先に見えているものを見つけてみてください。


 そんなまなざしを自然と大事にしているはづきくんゆきこさん
 だいち組の鉄棒のスウィングを見て思わず
「うわ〜きれい♥」
 なんて言っていました。

 「きれい」なんていう運動の質的な評価ができるというのは、運動の感性が生まれてきたということでもあります。

 スゴイ、スゴイ言葉でした。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 だいち組がほかのデバイスに集中しだすと

 ほし組やたいよう組の子どもたちが

 コースを廻り始めました。
 ある意味
原志向位相から探索位相
ということですね(^^♪
 それからなぎくんが……フッ……と鉄棒に興味を示しました。

 その瞬間をかおるさんも見逃しませんでした。
 そこでちょっと鉄棒のデバイスに工夫をしてみました。


 するとこんなふうにカッコイイスウィングが生まれてきました。

 ほかの子どもたちもそれに刺激を受けて集まってきました。

 おもしろそうな運動の感覚って、子どもたちの直感になにか信号を送るみたいですね。

 本当に不思議と突然鉄棒にみんなが集まってきました。

 そしてひそかに「逆上がり」にも興味をもったなぎくんでした。

 そんな変化に気づけたりすると、なんか嬉しくなってだれかに伝えたくなったりするでしょう。

 そんな発見をするためにコツコツと綴っていくのがこの『まなざしカルテ』です。

 愛情たっぷりの発見をして、それを喜ぶことのできるお母さんでいて欲しいというのがこの『うんどうのオフィスアワー』を始めたきっかけです。

 かおるさんおめでとうございます。

 大発見ができましたね\(^o^)/

 そしてなぎくんに感謝ですね☆

 ヨカッタ、ヨカッタ♥

4.次回のオフィスアワーに向けて


 “できっこない”『バク転』の練習も続けていきましょう。

 気づけばこんなふうに笑顔で背中からジャンプできるようになっています。

 それからこんなふうに背中や肩で自分の身体を支えてひっくり返る感覚もついてきています。

 こんな感覚がいつしか結びついていって“できっこない”『バク転』ができちゃったりします。

 次回も結果を急ぐことなく、でも栄養たっぷりの愛情を注いで、子どもたちと工夫をしていきましょう。

 こつこつとまなざしを向けて、書き綴っていくと……とっても幸せなできごとを見逃すことなく、子どもと共有の感覚の中で喜びを感じることができるはずです。

 そしてその嬉しさが、さらにさらに子どもたちの“うんどう”を応援したい気持ちにしてくれます。

 3年かけてつくっていきましょうね。

 
 
 まだまだ書ききっていないことがありますが、また長くなってしまったのでこのへんで終わります……end.

2011-06-20

つぶやきカルテ2011(6月16日)


 今日も「芸術と子ども」を履修する学生たちが、あすの創発「うんどうの日」の準備のために研究室横で作業をしています。

 だれか(子どもたち)のためになにかをする。
そんなことを当たり前のようにやってしまう優しい学生たちがここにはいます。

 柳川郁生が学生のころ(30年近く前)は、こんな気持ちはありませんでした。

 つくづく素晴らしいなあと思ってしまいます。

つぶやきカルテ2011(6月16日)

1.どんなことをしていましたか(子)


 前回だしたお題に基づいて、
まずは手をつないでということでこんな感じでスタートです。


 次はこんな感じになっていました。

 親子の感覚がつながってくると、
こんな感じになるのでしょう♡

 これもいきなりできるのではなく、
お母さんが子どもの感覚に共鳴できるようになり、
子どもがお母さんの感覚に共鳴できるようになる、
相互の感覚交信が必要になります。

 ですからじっくりと何度も何度もくりかえし探りを入れることが必要です。

 2、3回やってあきらめるのではなく、
お互いにじっくり向き合える時間の流れをこれからゆっくりつくっていきましょう。
 まだまだ『うんどうのオフィスアワー』を始めたばかりの子どもと……実はお母さんが、
ある程度長い時間うんどうと向きあうことがまだできていません。

 少しずつ、少しずつ向きあえるようになればいいと思います。

 そして子どもたちがすぐに飽きてしまうのは、実は大人が先に飽きているからだと思ってみてください。

 ワークショップを展開していていつも思うこと、
それは子どもよりそれを見ている大人の方が先に飽きてしまうことが多いということです。

 大人が夢中になっている姿も大事ですョ。


 跳び箱を使わない跳び箱のための……ということでこんなのもつくられていました。

 そしてこんなふうにお母さんが跳び箱になったりしていました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 漠然と自由にしているよりは、なにか課題をもったほうが考えやすいかなと思ったのですが、ちょっと難しかったでしょうか。

 でもやっぱりいろいろと考えて、工夫をしながらやっていかないとこの時間(『うんどうのオフィスアワー』)はでき上がってこないと思います。

 これでいいんだといつものやり方ができ上がってしまったら、それはきっと既成の概念(ステレオタイプ)ってやつになってしまっているのですから。

 ですから悩めるお母さん、いっしょに悩んでいきましょう。

 それが創意工夫ってやつですよ。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 今年度はだいち組の子どもたちがイメージをもってどんどん動いています。

 だから新しいほし組やたいよう組の子どもたちも見よう見まねでどんどん入りこんできています。

 そしてそうでない子もいます。

 ですが実はそうでない、中に入りこめないほし組の子が正しいのです。

 初めて出会ううんどうの世界を少しずつ少しずつ理解しながら近づいてきてくれればいいと思っています。

 ですからお母さんたち、もっとゆっくり、そしてゆったり親子でうんどうを楽しむ時間の流れをつくってみてください。


 そしてこんなふうに運動していても‘間違い’として正さなくたっていいんです。

 まずはこれが運動への入り口です。


 そしてやがて理解ができてくると、こんなふうに運動することが見つかってきます。

 そんな運動感覚の発見が、子どもたちの運動の感性を育ててくれます。

 だからこんな表情になっていくのではないでしょうか。

 ぜひお母さんたちもそんな感性をひろげていってください。

 子どもたちのうんどうにまなざしを向けていくことで、それが可能になってきます。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 次回の課題は、

だいぶ体育館の温度も上昇してきます。

 ということで、まずは大人が飽きないということをお願いしますネ♡

 それから効率的なやることだけやって帰るのではなく、ゆったり子どもの時間の流れをつくってあげてみてください。

 ちょっと生温かくなっていますが、立って見ているのではなくお母さん自身がペタンと床に座って見てみたりするのもいいかもしれません。

 体力的にはほし組は長く居る必要はありませんが、ダラダラと運動の世界になじんでいくこともこの時間にとっては必要です。

 いろいろとお母さんのまなざしで意識をしながら、探ってみてください。

 だいち組のお母さんたちは、最近子どもたちの成長に負けているかもしれません。

 跳び箱って課題をやらせるのではなく、
“こんなこともできちゃったらすごいのにな”なんてデバイスをいっしょに考えていきましょう。

2011-06-13

つぶやきカルテ2011(6月9日)

つぶやきカルテ2011(6月9日)

 どうしても週を越えてのブログアップになってしまいます。

 もっと効率的に片づけたいのですがやはり気持重視なので、
愛情たっぷりに書くということでお許しください。

 それと休日に仕事を片づければ捗るかもしれないのですが、
それだとあれからの自分の生き方に反するので、
極力仕事の持ち込みは避けて、
隙あらば楽しい遊びを企もうと思っています。

 ということで

 そうそう今週末は中体連の大会を終えた後……♡
 その次の週末は土曜日に練習して日曜日は……♡

なんて感じです☆?☆
1.どんなことをしていましたか(子)


 「支える」感覚の基本となるデバイスですね。

 途中からたいよう・ほし組のたまり場みたいになっていました。

 こちらも「支える」感覚です。

 こうやって4つ足で進んだり

 横向きに4つ足で進んだりするのは、からだに自然と体重がのる感じを気持ちよく受けとめられる感覚がついてきたということですネ。

 そうでなければ立ち上がって歩いて渡ってしまいますから……

 だからほし組の子どもたちの方が平均台のように歩いて渡ってしまうのです。

 でも「支える」心地よさが分かってくると、自然と4つ足での運動にはまっていきます。


 そしてここは「跳ぶ」と「支える」でしょうか……


 そしてここは前回のブログを見てお母さんたちが意識的に準備したのでしょう。

 踏み切り板の‘弾む感覚’を出現(再現)させるようなデバイスになっていました。

 この踏み切り板がビョ〜ンと弾ませてくれる感覚、その感覚がピ〜ンと伸びたつま先につながってくる感覚、ヨイショではなくト〜ンとける感覚など、忘れてしまった感覚を思い出すのにちょうどいいかもしれません。


 そして「支える」逆立ち(倒立)のコーナーや

 鉄棒

 ジグザグ走のコーナーなどがあり、それぞれみんな今日はゆったりとした感じで楽しんでいました。


 それからこんなふうにフープを並べはじめたせれんちゃん

 しっかりと“うんどう”のイメージができているからこんな場づくりができてしまうんですネ。

 スゴイことです!


 そしてこんなふうに

 お母さん(すいません名前が読めませんでした×)といっしょに楽しんでいました♡


 それからなんとなく今日のデバイスは淋しかったので、ちょっとだいち組の男の子を意識して柳川郁生がこんなのをつくっておきました。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 なんとなくブログのつぶやき(つぶやきカルテ)にこたえるような、
お母さんたちのねがいが感じられるデバイスづくりはいいですネ。

 でも廃れてしまった(子どもたちがあまりやってくれない)デバイスを
放置してしまっているのがもったいないです。

 まるでやりっ放しの公共事業みたいですよ(笑)

 ですから、いろいろと工夫をしながらいじってみて、
子どもたちがまた集まってくるようなデバイスを探ってみたり、
片づけて新たなデバイスをつくるなりしてみてはどうでしょう?

 「どうしてダメなんだろう?」、「こうするとどうなんだろう?」、
逆に「なんであれは楽しいんだろう?」などといろいろ観察していると、子どもたちの好き嫌いや志向性のようなものが少しずつ見えてくるはずです。

 かおりさん、いい感性の表れががちかづいて来たのではないでしょうか。

 違和感に気づくということが、感性の出現の第一歩だったりします。

 しんくんの感じていることと、かおりさんの感じていることにギャップがあるということにまず気づいたわけですから。

 私もチラッとその様子は見ていましたが、跳び箱を跳ぶしんくんの手のひらと肩の上にはまだ体重が気持ちよくのった感覚が感じられていません。

 だから本人にとって「上手に跳べなかった」ことは跳べたことではないのでしょう。

 ようするにたまたま形通りに書けた絵をほめられるのと、思い通りに描けた絵をほめられるのといっしょだと思います。

 そんな思い通りの絵を描けた時に「上手に書けたね」と言うのではなく「楽しそうな絵だね」とか「優しい気持ちになっちゃうね」なんて言ってあげられたら嬉しいと思いませんか。

 だから“まなざしカルテ”なんです。

 愛をこめた‘まなざし’で見ていればだんだんとギャップの様なものが見えてきて、少しずつそこをつなぐ子どもの気持ちや、つながりが見えてくるのだと思います。

 ですからかおりさんは反省せずに、一歩前進ですョ。

 えつこさん、できないことをできるようにという積極的な意識っていつできるんでしょうね?

 やっぱり人それぞれの体験の中で急に訪れたりしますよね。

 ちなみに柳川郁生は、その「やればできるかもしれない……?」という心ができたのは中学校1年生の時でした。

 それまで中学校に入るまでは、なにをやってもできっこないと思ってはじめからあきらめていましたから。

 それでも今は運動を楽しめるようになっています。

 無理に周りと競争したり比較することなく運動を楽しめるのも良いのではないでしょうか。

 でも、なにか目標をもったときに栄養となるような動感素材を、いまのうちにたくさん体験しておきましょう。

 それでいいんだと思います。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 やっぱりこうすると

 いい感じですよね。

 そしてお母さんもこんなふうにフワッと踏み切れるから


 こんなにダイナミックに跳べちゃうんですネ。

 子どもたちもいいけど、お母さんたちももっといいですネ。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 お母さんたちに課題をだそうかなと思っています。

 まずだいち組のお母さんたちには栄養たっぷりの手料理のような、これを食べれば元気がでるコースを考えてもらいたいと思っています。

 お題は
「跳び箱を使わない、跳び箱のためのデバイス」です!
 そしてたいよう組とほし組はお母さんとシェアしながら食べる、おいしさを共有できるコースを考えてもらいたいと思っています。

 お題は
「我が子といっしょに手をつないでできるコース」です!!
 どちらもあまり頭を悩ませすぎないで、すぐにでも柳川郁生とお話しましょう。

 お母さんたちから呼んでもらえれば、
わたしもお話しやすいですから……遠慮なさらずにどうぞ。

 
 ということでさらっと片づけようと思った『うんどうブログ』でしたが、お母さんたちの書いたまなざしに応えたいと思うとこうなってしまいました。

 それから

 あきこさん、柳川郁生は「この運動はできないから。」と思ってあきらめていることはいっぱいあります。

 誰だってそんなに好き嫌いなく、なんでもいっぱい食べられるわけでもなく、
人それぞれですから。

 でもあえて思っていること、そしていつも子どもたちに伝えていること、
それは大学生でも小学生でも、体操選手でもいっしょ
「“できない”というのはゴールではなくスタートなんだよ」
ということです。
 とりあえずスタートをきってみて、

「あ!無理だ」ってことに気づくこともあるだろうし、
「あ!もしかしたら」なんて思うこともあるかもしれません。

 どっちだってやっぱりスタートにしてみないと分からないので、
「なんでもやればできるんだぁ!!」なんて強引に考えずに、
「できないことに気づければそれもいいんじゃないかな」なんて思っています(かな?)。

 このへんのことは書き尽くせないので、いつかじっくり腰を据えて……

2011-06-07

つぶやきカルテ2011(6月2日)

つぶやきカルテ2011(6月2日)

 今回もたくさんの人たちが参加してくれました。

 賑やかな体育館はいいですね。

 とはいえ、本当にブログのアップが遅くなり申し訳わけありません。

 柳川郁生の詳しい私生活はこちらの『コブログHR』を見ていただければ分かりますが、サボっていただけではありませんので……言い訳かな?

 でも本当に6月に入ってまだ一度も家族そろってお家で晩ごはんを食べていない状況です。

 なので今日の「だいちのレストラン」のたけのこ汁が、久しぶりに人のあたたかさを感じさせてくれる食べものでした。

 美味しかったです♡♡♡

 ごちそうさまでした。

 (本当はみんなと一緒に食べたかったですけど……(T_T))

 というわけでまえがきを最後に書いてブログアップでした。

1.どんなことをしていましたか(子)


 ほし組のお母さんと子どもたちが少し早めに来ていました。

 ちょっとずつマットをつなげたりしてコースをつくっていきました。

 するとなんだかいつもより‘優しい’感じのデバイスができてきて、自然とほし組の子どもたちがコースに入ってきます。
 子どもたちの“うんどう”を囲むお母さんたちの“まなざし”もいい感じですネ。


 ほし組の子どもたちにとっては、まだ鉄棒や跳び箱の遊び方は見つかっていません。

 サーっと駆けぬけたり、ピョンピョン跳んだり、ゴロンゴロン転がったり、思わずそうしたくなってしまうデバイスを探っていくことが大事だと思います。

 前転や側転、開脚跳びや逆上がりなんていうのは、
大人が知っているステレオタイプ(既成)の運動です。

 もっともっと運動感覚の感性を磨いてから取りくんでみてはどうでしょう。


 まずはこんな感じで戯れてみたっていいと思います。

 すごく、すご〜くあったかい‘くうき’がここにはありますよ。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 めぐみさんが「(手を離してみたら)……かえって不安になって飛べなくなるようで再び手をつなぐことにしました」と言っていますが、ぜひみんなそうしてください。

 これから先、
だいち組になってきたりするとそうそう手をつないでくれなくなってしまいますヨ(笑)

 今のうちに二人の運動感覚をつないでおいてください。

 手を引っ張る、運動を助けるのではなく、二人の運動感覚をつなげるために手をつなぐ。

 ぜひ意識的にやってみてください。

 小さな手のひらからそれが伝わった時、すっごく幸せな気分になりますヨ〜♡
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 跳び箱や鉄棒に関心の向かっている子どもたちが増えています。

 成長とともに意識や目標をもって取り組めるようになってきているということだと思います。

 しかし結果を求めることばかりを意識してしまい、
今まで体験してきた感覚を忘れてしまっていたりもします。

 

 たとえば

 踏み切り板を使ったジャンプです。

 跳び箱というものを意識しないで跳んでいたときは、
こんなふうに片足で大きく踏み切ってから両足で跳んでいました。

 それが「跳ぼう、跳ぼう」として跳び箱の存在を強く意識すると、
これまでできていたダイナミックなジャンプが……感覚からぬけ落ちてしまったりします。

 そんな時は少し別な運動をすることも、
その運動に必要な感覚を思い出すのに大事かもしれません。

 いろんな感覚を誘い出すデバイスにつなげて跳び箱という課題を提供すると、
感覚的な‘つながり’や‘ながれ’による運動の成功を導けるかもしれませんネ。


 それから

 こんなふうによじ登ることから「支える」って感覚が生まれてきます。

 ここで手を差しのべる前に見守ってあげると……

 やがて自分の腕でからだを支える感覚を見つけていきます(はっけん!)

 するとやがてしっかり(?)と支えられるようになり、タイミングよく高いところへ登れるようになります。


 やがてその感覚がもっと伸びていき、助走や踏み切りの感覚とつながって、
力ではない気持ちのいいやり方の発見になっていきます。

 ぜひぜひ課題達成ばかりに気持ちを奪われず、
こんな運動感覚の要素=動感素材というものを大事にしてあげてください。

 でもでも課題に挑戦する意識も大事にしましょうネ!

 それも成長ですから……

 それからもうひとつ

 こんなふうに坂道のデバイスをつくっていたら、
せれんちゃん(?…すいませんまだ名前を覚えきれていないので)が逆に下りてばかりいました。
 つくった側の大人のねらい(願い)は高くジャンプなのですが、
そうではないやり方を子どもは見つけました。

 それがこども芸大の“うんどう”で大事にしている、
ハプニングなのです!!

 これを見のがさないで、もしかしたらこっちの方が面白いのかもしれない……なんてさぐりを入れていけばいいんです。

 そうすると大人にとっても、子どもにとっても、楽しい発見があるかもしれません。


 するとこんなふうに滑り下りたり


 こんなふうに遠くへ向かってジャンプしたり

 こんな感じで下ってみたり、なにかいろいろな運動が生まれてきたりします。

 というわけでとくにほし組のお母さんたち、だいち組のようになるのは2年先でいいのです。

 今3才の子どもたちにとって楽しい“うんどう”ってなにかな?
というのを1年間かけて見つけていきましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 だからせれんちゃんのやり方に合わせて坂道の向きを変えてみました。

 はなこさん、その通りです(笑)

 「だいち組が来れない日ないかな〜……」というのは、それだけパワーがあるっていうほめ言葉のつもりで言ってますヨ♡

 今年のだいち組のお母さんと子どもたちだから言えた言葉です。

 でも少しずつ少しずつ、私もみなさんも新しいほし組の子どもたちのオリジナリティーが分かってくれば、きっときっともっとひらかれた“うんどう”の世界がつくれると思います。

 まだまだこれからが楽しみですネ。

2011-05-30

つぶやきカルテ(5月26日)

つぶやきカルテ2011(5月26日)

 またまた遅れ気味のつぶやきです。

 とにかくこども芸大に『まなざしカルテ』をとりにいくすきもないような忙しなさです。

 でもオフィスアワーは柳川郁生にとって安らぎの場でもあります。

 やっぱり優しい気持ちでつぶやかないわけにはいかない。

1.どんなことをしていましたか(子)

 今回はいろいろと見せ方を変えて伝えたいことがあるので、さらっと紹介です。


 「支える」感覚の導入です。

 「支える」感覚とさかさまや後方などへの‘体位’の感覚です。

 「支える」感覚から切り返しを感じてほしいのですが、最近この‘柳川式’のとび箱が浮いた感じになってます。

 もっと別なタイミングやきっかけづくりに登場させた方がいいかもしれません。

 子どもたちには、まだ意図が伝わっていませんね。

 「走る」感覚です。

 スピードにのったいい走りが展開されていました。

 「跳ぶ」感覚です。

 フワッと「跳ぶ」感覚です。

 こんな鉄棒での運動や

 こんな鉄棒での運動も登場しました。

 そして昨年度からコツコツと取り組んでいるとび箱でも、いろんなドラマがありました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 お母さんたちのまなざしが2年の月日を経て、だいぶマニアックになってきました。

 もう幼児運動の専門家の域に達しているのではないでしょうかと思わせます。

 このカラーコーンの並べ方。
 子どもの視線で考え、ジグザグに走って欲しいからと言ってクネクネと並べるのではなく直線的にしてあり、子どもたちのなめらかな走りを引き出そうとしています。
 そして走ってくる子どもたちの運動のようすを観察し、いろいろと調整をしています。

 単なる規制による走り方の矯正ではなく、子どもたちの走りのバリエーションを引き出すような取り組みはさすがですネ。


 だからほら!
 ななめにきりこむようなカッコいい走りが生まれてきました。
 それとお母さんたちの悩みに登場してきたのが、‘だいち組・友だち症候群’とでも言うのでしょうか、毎年ながら体育館で遊びだす子どもたちの様子です。

 今までは個人と個人がいっしょにいるだけだった集団が、集団としての一体感をもって成立するような関係が生まれてくるのがだいち組の成長の過程です。

 これを経て、だいち組としてこども芸大を卒業していくことになにかちょっと大人に近づいていく頼もしさを感じたりしています。

 その最初の段階が友だちどうして遊びだすこの時期の特徴だと思っています。

 なので、この時期の男の子たちに戦い(こっちの方が面白いぞ〜という誘い)を挑むのも楽しいかもしれませんし、しばらく様子を見るのもいいかもしれません。

 でも、思わずやりたくなってしまうデバイスやコースを創れたらこっちの勝ち(笑)かもしれませんネ。

 でも「ワーッ」と跳び箱で盛り上がりがあった時、離れたところで遊んでいながらちらっとその様子を気にする男の子たちの視線に気がつくお母さんたちもイイ感じです。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 『支える』感覚。

 これにも『支える』感覚。

 これも『支える』感覚。

そしてこれも『支える』感覚。

 そしてこんなふうに『支えられる』ようになって

 もっともっと『支えられる』ようになって

 跳び箱の開脚跳びができちゃったりするんですネ。
 跳び箱は、走るスピードと蹴ることだけが大切なのではなく、からだを支えて手首でジャンプしたり、フワッと浮かせたおしりを切り返す感覚など、いろんな感覚をからだが知っていること、つまり“身体知”が大事なんですネ。

 そしてこのオフィスアワーは運動のテクニックを身につけさせるのではなく、自分の運動感覚の変化や発見に気づける“身体知”を子どもたちに、そしてそれを見守るお母さんたちに身につけてほしいと思っているのです。


 それからほかにもこんなふうに

 鉄棒と戯れています。

 そんな遊びの中からのまぐれや偶然が

 運動の習得の第一歩です。
 運動の完成なんてまだまだ先でいいんです。

 特にほし組のお母さん、こんな柔軟な感覚をもっている時期に、型にはめ込むような運動をさせてしまってはいけないのかもしれません。

 2年後も、3年後も鉄棒が好きでいられるような、もっともっと鉄棒が楽しいと思ってくれるような見方でもいいんじゃないでしょうか。
 でも実は、「できたーっ!」て瞬間や、「分かったぞ!」というからだの了解の感覚が一番楽しかったりもするので、ずーっと先の将来にそんなことも意識しておけばよいのではないでしょうか。


 それから問題です。


 この3人に共通するいいところはどこでしょう?

 ……簡単ですネ♡

 まきこさんの願うフワッとした感じが生まれてきているんじゃないでしょうか。

 そしてきりがないので最後にしますが

このほし組のお母さんと子どものような手をつなぐ関係、これがこの時間の親子の運動感覚をつなぐ原点です。

 だいち組のお母さんたちがつくってくれたコースが難しかったり、うまく入り込めなかったりしたら、手をつないでいっしょにやってみてください。

 子どもの手を引っ張るのではなく、お互いの感覚を調和させていくような気持で運動をしていると、きっとグイッと子どもから引っ張られるような頼もしい感覚が伝わってきたり、「もう大丈夫だよ」という自分の手から離れていく子どもの運動感覚が理解できたりするようになってきます。

 ぜひぜひ試してみてください!

4.次回のオフィスアワーに向けて

 思わずまた長ブログになってしまいました。

 次回は新しい仲間たち(ほし組)のことも考えつつ、優しいデバイスと楽しいデバイスがいい感じにつくれたらいいですネ。

 もっともっとほし組のお母さんたちとも時間の中でお話をしたいと思います。遠慮せずにどうぞ。
 ふーっ、やっとつぶやき終わりました。

2011-05-22

つぶやきカルテ(5月19日)

つぶやきカルテ2011(5月19日)


 なんだか‘つぶやき’も気が重くなってきました。

 それはお母さんたちのまなざしがかなり深くなってきたので、『まなざしカルテ』を読むだけでも大変になってきました。

 嬉しいことですネ♡
 ということでお母さんたちのまなざしの深まりとともに、
また長ブログになりそうですがつぶやきます。

1.どんなことをしていましたか(子)

 お母さんたちが“ツクリテ”となって準備したそれぞれのデバイスの“母の願い”を
柳川郁生の解釈で綴ってみたいと思います。


 坂道をかけあがってジャンプです。

 ここを畳にしたのは「支え」て登ってほしいという願い、そしてジャンプはフワッと「跳び上がる」感覚を感じてほしいということだったとまきこさんがコメントしてくれました。


 傾斜が緩かったのでみんな駆けあがっていましたが、それだけみんなが勢いをもって動けるということですよね。

 次回はそれに負けないようなデバイスを……ですネ。


 ここは高〜くジャンプですネ。


 高いところから跳び下りているうちに、膝を柔らかく使った‘弾むような受けとめ’ができるようになってきます。

 その受け止めが弾むこと(ジャンプ)に影響を与えたりします。

 またフワッと着地をするためにはフワッと空中へ高く跳びだす必要もあります。そ〜っと下りることではなく、一度からだ全体を高〜く引き上げることが柔らかな着地を先どりさせることが段々と理解できてくるはずです。


 それからこの台に上るときのこの「支え」も大事です。

 グッと自分の手のひらと肩の上にからだがしっかりとのる感覚がつくられていきます。


 かずよさんが、しのちゃんの発言をきっかけにここでの3つのジャンプの感覚の違いについて発見をしていました。
 タン、タン、タンとジャンプをくりかえす中で、一つ一つのジャンプが違うことに気づき、それをうまく気持ちのよいものへとつなげていく“動感志向体験”の出現です。

 自分の感覚を発見し、その感覚を運動に結びつけて新たな運動感覚を発生させる。それが“動感志向体験”というものであり、この運動の感覚を発見することができるようになった力ができなかったことをできるようにしてくれたりします。


 するとこの開脚跳びでのしっかりと「支える」感覚が生まれてくるのです。

 跳び箱を跳ぶには脚力や腕の力が最も必要なのではなく、このフワッと自分のおしりが自然と浮き上がってくるような感覚を心地よく感じられることが大事です。


 だからそのことを知った子どもは、自分なりの目標に向かってコツコツと取り組めるようになってくるのでしょうね。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 いろいろと子どもたちとの関係づくりに困っているお母さんもいるみたいですね。

 でもまずはそこに気づき、そこを意識できることがいいんでしょうね。

 私だって悪い父親の部分は気づかないふりをしているかもしれません。というよりだれも忠告してくれないので、気づいていないかもしれません。

 でも運動学の中では、なにか違うことに気づく“違和感”というものもとても重要な運動を感じとる感性の初期段階としてとらえています。

 そういう意味では大切ですネ。

 そしていろんな対応に困りながらもお母さんたちは子どもたちの気持ちを少しずつ理解していっている様子がこの「まなざしカルテ」を読んでいると伝わってきます。

 そしてさらに子どもたちが育ち、子どもたちの運動に変化が生まれると、お母さんたちの気持ちが広がり、お母さんたちの理解も深まっていきます。

 なんだかお母さんが子どもを育てているんだか、子どもがお母さんを育てているんだか、そんな感じって普通にありますよね。

 私も自分の子どもと接していて「恐れ入りました」「勉強になります」なんて言いたくなる時ってよくありますから。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 子どもたちがどんどんやりたいことを伝えてくれるようになったようです。

 これはきっとお母さんたちの聞きだす力でもあると思いますが、“うんどう”に対する志向の感性がじわじわと生まれてきたからだと思います。

 それから「お母さん見てて」とか、「先生見て」なんていう子どもたちの声が増えてきました。これは自分の中で運動の志向性が“図式化の位相”に近づき、自分自身の有能感を感じとれるようになってきた証なのかもしれません。

 ですからお母さんたちは、しっかりと承認してあげてください。「うん、うん♡」「お!スゴイね!」って感じで……

 そしてまだ図式化できない(見つからない)運動の感覚はそっとしておいてあげてもいいのではないでしょうか。まだ子どもたちの中に認めてほしい、分かってほしいという気持ちが発生していないということですから。

 でもそんな時、こっそりとお母さんがその感覚を先に味見しておいてあげることも大事だと思います。

 こんなふうにやるとできそうで、こんなふうにできるとこんな気持ちよさがあって、なんてことをお母さんが先に知っていると、子どもたちの運動感覚のよき理解者になれますよ。

 美味しそうなケーキをこっそり味見しておいて、それを食べた子どもが思わずまん丸の目をしたときに「でしょ〜♡」って感じで共感してあげるってことでしょうか。……わかります?
 
 ぜひぜひ余裕のあるお母さんは自分でも“うんどう”してみてください。
4.次回のオフィスアワーに向けて


 ふみこさんのコメントに共感です。

『まだ半分は<たいようさん>でもいいと思うよ』

 そうです、今日から<だいち組>なんて単なる暦の一方的な見方ですよね。

 ですから<ほし組>のお母さん、子どもたちだけでなく、お母さんたちもまだ<ほし>でいいってことですよネ。

 きっとやがて1年たつと<たいよう組>のお母さんになり、2年たつと<だいち組>のお母さんになるのだと思います。

 そんなふうに優しく考えながら、子どもたちにまなざしを向けて、書いてみて、考えてみて、そして試してみてください。

 そんななかでおもしろいことを発見できたりすると、またなんか想像力が膨らんできます。

 たとえば今回はまきこさんと子どもたちの跳び箱の様子を見ていてふと気づいたのが、開脚跳びができる子は口がキュッと閉じていて、かがりちゃんの口はとび箱が近づいてくるととっても楽しそうに開いてきます。

 とび箱が楽しいという気持ちがあらわれていていいなあと思ったので、そこをいじるのはもう少し様子を見てからにしようと思いました。

 そしてしばらくしてまきこさんかがりちゃんにそれを伝えると 

 跳べちゃいました。

 口を開けたまま肘と肩でからだを支える感覚と、キュッと閉じて支える感覚を想像してみてください。

 自分のからだの中の感覚で想像してみるのです。

 そうするとなにかうんどうの新しい感覚が“創造”できてきませんか?

 そんなことを試してみるのが、運動を伝える楽しさです。

 教えるのではなく、伝える、だから見守る、
それが“まなざし”です。

2011-05-14

つぶやきカルテ(5月12日)

つぶやきカルテ2011(5月12日)


 いよいよ2011年度の“うんどうのオフィスアワー”が始まりました。

 新しいほし組のお母さんたちと子どもたちが加わり、
どんなオフィスアワーになっていくのでしょうか。

 楽しみです。


 とはいえ、これまで2年間かけて積み重ねてきた経験が
“うんどう”の場を自然とつくりあげています。

 そして子どもたちも場の意味を理解し
お母さんたちと一緒にツクリテとなっていきます。
 このオフィスアワーを始めてから、
そして今のだいち組のお母さんたちとの2年間の積み重ねで、
自然と“うんどう”にむかって場の空気が流れていきます。

 これは去年までの流れです。

 そしてここに新しいほし組のお母さんと子どもたちが加わりました。

 楽しみです♥
1.どんなことをしていましたか(子)

 ひとつひとつの運動のデバイスにはお母さんたちの願いがあります。
 その願いを新しいほし組のお母さんたちにも理解してもらいたいので紹介します。


 まずこれは『支える』感覚です。

 フワッと浮いたからだの感覚が肩にのってそれをしっかり開いた掌(手のひら)で感じる。
 そんな気持ち良さを伝えたい。


 『走る』感覚です。

 ふわふわのマットを走ると弾むような感覚が感じられたり、そして自然と膝(腿)を上げた軽やかな走りが生まれてきたり……


 ただマットが引いてあるだけ。

 でもこんなところで他の子どもの運動を観察することができてきたり、観察したことをやってみるという志向が生まれてきたり、「あ、ちゃんと見えていたんだ!」なんてことを気づかせてくれたりします。


 ここも『走る』感覚です。

 間にフープを置いて駆けぬけるだけですが、軽やかな足取りと大きなストライドが生まれて欲しいなと願っています。


 こんなふうに跳び箱を置いて『走る』『跳ぶ(蹴る)』『支える』感覚をつなげていきます。

 そうするとやがて‘開脚跳び’ができるようになるかな、なんて願っています。


 そのためにはまずこんなふうにジャンプをしてみたりしながら、跳び箱や踏み切り板や走ることや、運動のいろんなことが好きになることも大事です。


 それからこうやって見ること(=ゆっくりと理解していくこと)も、
実はすご〜〜〜く大事なことだと思います。

 大人の理解のペースで「はい!やりなさい」ではなく、子どもの視線の先を一緒に眺めながら分かりあっていくこの感じ……いいですネ。


 そしてこんな山もつくってみました。

 これはりょうまくんがリクエストしたのですが、このオフィスアワーでどんなことをしたいのかというイメージをそれぞれの子どもたちが持ち始めたということですネ。
 だからみんなやたらと私に話しかけてきます。
 「○○したい」「先生見てて」「先生やって」「ねえねえ」「あのねあのね」
 3月まではなかった子どもたちの行動です。

 面白い♡

 
 ……ちなみにこの坂道のぼりは、『走る』感覚と『支える』感覚、そして跳んだり転がったりすることなど、楽しい要素がいっぱいあるんですネ。


 それからこうやって鉄棒もありました。

 無理やり技をさせるのではなく、まずは鉄棒を好きにすることから始められるといいですネ。

 そしてやがてぶら下がってびゅんびゅん振ったり、ぐるんぐるん回ったりできるようになるともっともっと楽しくなるんですネ。


 それにしても新しく加わったほし組のお母さんたちのまなざしがそばにあるから、
それをしっかりと子どもたちも感じています。

 いいですねえ♡

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 すべてのお母さんたちがわが子の“うんどう”にまなざしをむけてくれていた感じです。

 ほし組のゆきこさんのコメントには、「見てみようか」「目を向けさせる」「目を見ひらいて」「同感して」など、かなり本質に近づいた見え方が書かれていました。

 みほこさんやそのほかのお母さんたちも「目を輝かせ」「イキイキと楽しそう」など子どもの表情や気持ちが見えているなど、とてもいい感じです。

 だいち組くらいになるとさらに深いコメントも登場し、そろそろ私がいなくても大丈夫かもしれないなんて思ってしまいます。

 
 かずよさんのコメントにある、「背中に、グッと伝わるものが……」とか、「気持ちよさを教えられた……」なんていうのは、運動学でいうテクスト発見能力であり、子どもたちの運動感覚に寄り添うことができるようになっているということです。
 そして「自分なりに感覚を取り戻しているのかな?……」なんていうのは、対私的意味構造の観察能力であり、運動感覚の何かに気づいたことを見ぬくことができるようになったということです。
 そしてさらには、「道具と自分との確認……」なんていう直接的には目に見えないものが見えてきているというのは、情況的意味構造の観察能力であり、タイミングや距離感、子どもの視点などを読み取ることができるようになったということでしょう。

 こんなふうにお母さんたちのまなざしは、スポーツの専門家もかなわないぐらい深い観察力が生まれてきています。

 なんかスゴイですよね☆

 そしてなにより“借問能力”という‘どんな感じでその運動を行ったのかを聞きだせる’能力は、幼児の運動を対象にしたときに最も困難とされています。
 「ねえ?今の運動はどういうふうにやったの?」と聞いてその答えを聞き出せるということです。

 ところがはなこさんこうたろうくんに跳び箱の跳び方を聞くと……

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 「体の中に、あたりとはずれがあって、それがぐるぐる回ってるの。
あたりの所にピッと止まると、とべたり、いいことがあるんだよな〜」

 こういう言葉や気持ちを引き出せるお母さんの存在って、鳥肌が立つような凄さをもってますよね。

 こんなスゴイことはきっと専門家にはできないかもしれません。

 そして私はそれができる専門家になりたいなと思っています。

 
 とにかく子どもたちはこの時間を楽しみにしてくれていたようです。

 自主練(笑)までして備えてくれていた子どもも、いや親子もたくさんいたようです。

 まずはそれをなにより嬉しく思います。

 そして真っ先に“うんどう”に取り組んだり、没頭したりして、たくさんの言葉でいろんなことを伝えてくれるようになった子どもたちにすごく成長を感じました。

 「お〜!次の時代が来たぞ〜〜!!」って感じです。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 どんどん成長していくお母さんたちに置いていかれないよう、
子どもたちの“うんどう”にまなざしをい向けていきます。

 そしてどんなオフィスアワーになっていくのか楽しみたいと思います。

2011-03-18

つぶやきカルテ(3月10日)

つぶやきカルテ2010(3月10日)

 みなさんお元気ですか。

 東北地方太平洋沖地震により被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

 また犠牲となった方々のご冥福をお祈りし、
これから一人でも多くの方が一日も早く家族に再会できますよう願っています。

 芸工大の学生も、全在学生2,153名の安否確認が取れ、災害での在学生の死亡者は居ないという報告がありました。

 そこで少しずつ日常を取り戻すためにも、あえて『うんどうのオフィスアワー』のつぶやきをさせていただくことにしました。

1.どんなことをしていましたか(子)


 見てください。

 今年度第1回のオフィスアワーの様子です。
 
 こんな感じでスタートしたんですね。

 それを考えるとずいぶんとダイナミックな『うんどう』の世界ができたのではないでしょうか。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 お母さんたちのまなざしコメントが愛にあふれてきました。

 「できる・できない」という他者との比較による客観的評価、「力がない・遅い」という物理的な尺度による客観的評価から、少しずつ少しずつわが子が運動をしながらどんな表情を見せ、どんな発見をし、どんな感覚を感じたのかという主観的な『うんどう』のとらえ、理解、共感、そして共振が生まれてきたのではないでしょうか。

 “知性”ではなく“感性”

ということも少しなじんできたでしょうか(笑)

 すご〜くあいまいな説明で、相変わらず知性にあふれたお母さんたちの頭を混乱させていますが、なんとな〜く「?????」が「???」になって「……!?」って感じになってくれれば嬉しいです。

 なんてまたポワ〜ンとした説明ですね。

 でも1年間まなざしカルテを書き続けてくれたお母さんたちには感じてもらえましたよね。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 この時期になって突然だいち組の運動に対する志向性が勢いづきました。

 まるでラストスパートがかかったように……

 おかげで、たいよう組やほし組の子どもたちも「運動」に向きあうことを始めました。

 なぜか不思議と毎年だいち組の子どもたちはおきみやげを残してくれます。
 来年度に向けて大事にしたいですね。


 それからこれから動く自分の運動感覚をあらかじめ感じることができるようになってきました。
 だからこうやって前の人がデバイスを終えるまでスタートしません。
 この先に気持ち良く運動する感覚が、動く前にも感じられているからです。
 だいち組の運動の志向は跳び箱の「開脚跳び」だけではなく鉄棒の「逆上がり」にも向けられました。

 私は普段あまり「逆上がり」の技術的な指導をしません。私の長い人生をかけた取り組みの中で、「逆上がり」をできるようにするための方法(テクニック)があります。このテクニックは論文にしたり、学会で発表したり、『柳川式逆上がり』なんてことでテレビで紹介してもらったりしました(ちょっと自慢ぽいかな)。
 そして短期的な出会いの子どもたちにはその方法を使って指導しますが、長い期間をすごす子どもたちにはそれをしません。

 それはひとつの運動を完成に近づけるためには、さまざまな運動の感覚も必要だからです。そのさまざまな運動感覚を体験して身体感覚の知識“身体知”として理解していくことが運動を>“感性”でとらえるために重要だと考えているからです。

 逆上がりをテクニックを使って近道をさせると早くできるようになります。でもそれは型にはめていったということにもつながります。つまり運動の鋳型化現象というものです。ここでは身体は物理的に訓練された状態で、できたという喜びは十分に得られますが、そのために必要とされる運動の感性が育っていない可能性があります。

 小学生の子どもたちに頭を使って、工夫をして、自己の運動をふり返りながら運動を指導するときには、それでもよい体験になることもあります。

 でも、さまざまな運動感覚の感性を使って運動を展開していくと、もっともっと応用のきく運動の習得ができるようになります。

 

 たとえばこの逆上がりができるようになるためには

 まず体育館が好きにならなければいけません。

 そして鉄棒が好きにならなければいけません。

 そして『うんどう』が好きにならなければいけません。
 ‘好き’になるっていうことは、‘嫌い’がスタートだったりします。それが‘嫌いじゃない’、‘いても(やっても)いい’になり、やがて‘好き’になったりするのです。そんなゆっくりしたまなざしで“うんどう”を見守るのがこの時間です。

 そして少しずついろんな運動感覚の感性を創発していきます。

 前に回る感覚

 後ろにひっくり返る感覚
 支える感覚

 その支える感覚のためにこんなことをしたり

 こんなことをしたりします。

 それから自分のからだをコントロールする感覚

 いろんな感覚の素材(動感素材)を体験、蓄積して運動と向きあうと、 自分自身の工夫の中で運動の感覚を発見することができます。

 「あ!こうすればいいんだ!!」

 そんな運動感覚の発見の喜びを、この「うんどうのオフィスアワー」の展開のなかで感じてもらえたら嬉しいなと思っています。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 だいち組のみなさん
“うんどう”って楽しいと思ってもらえましたか。

 最後に言ったように、この「うんどうのオフィスアワー」は、そう思える時間にしていきたいと思っています。

 もし運動が嫌いになりそうになったら、またここを覗きにきてください。

 「あ〜やっぱり楽しいな♡」そう思ってもらえる“うんどう”の世界を次年度も展開していきたいと思っています。

 いや、もっとパワーアップ!!です。

 少しずつ少しずつ
無理をしないで元気をとりもどしていきましょう!

 「頑張らない!」がモットーの柳川郁生です。

 みんなの元気がそろってきたら、またいつも通りやりましょう。

 その時を楽しみにしています。

 こんな時だからこそ、つぶやいてみました。

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