うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2013-09-17

つぶやきカルテ2013(9月12日)

  たくさんの参加と、たくさんの“まなざし”があったオフィスアワーでした。

 お母さんたちが書いてくれた「まなざしカルテ」もたくさんありましたが、しっかりと読ませていただきました。

 

1.どんなことをしていましたか(子)

(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)

 

 午前中に『うんどうのオフィスアワー』のためのオフィスアワーを開催し、午後の本番を迎えました。

 

 午前中のメニューは

 

1.これまでのふり返り(30分ぐらい)

  ・オフィスアワーのためのオフィスアワー1・2

  ・観察するということ

 

2.これからの実践のための体験(60分ぐらい)

  ・走る ・跳ぶ ・支える ・回る ・投げる?

  ・連続(反復)する“ねがい”

  ・(感覚を)つなげる“ねがい”……増幅

  ・子どもの視点 △ ⇔ 子どもの感覚 ○

  ・動感素材……投げるために必要な動感は?

 

3.デバイスづくり(30分ぐらい)

  ・午後のオフィスアワーに向けて

 

 といった感じで、いろいろと柳川郁生の“思い”をみなさんに聞いていただきました。

 

 長い時間おつきあいいただいたお母さんたち、ありがとうございました♡  

 
 そして2時間半の取り組みの中でできたデバイスが……
 

 

 まずは『走る』です。

 

 いつもより長~くマットをつなげ、子どもたちの気持ちと感覚を体育館いっぱいに伸長化させます。

 

 

 

 

 

 アクセントにちょっとベースを置いたりしてみて、なんとなく“うんどう”の句読点のような役割をしないかなと試してみました。

 あそこまで……というわかりやすさを意識してみたのでした。

 

 

  

                                                        

 

 

  子どもたちは長いコースを、のびのびと気持ちよさそうに走り抜けていましたよね。

 お母さんたちの“ねがい”、通じていたんではないでしょうか。

 

 

 

 

  スラロームのデバイスもつなげてありました 。

 

 コースの都合で短かったけど、お母さんたちの“ねがい”をくみ取って、子どもたちは走りぬけていきましたね。

 

 「こうしてほしいな」「こんなふうに楽しんでくれると嬉しいな」というお母さんたちの“ねがい”は、子どもたちに伝わっているんですね。 

 

 ここでも午前中に体験した『跳ぶ』感覚が子どもたちに伝わっているんじゃないでしょうか。

 

 この腕の使い方、足先までしっかり伸びきった蹴り、お母さんたちの体験した感覚と共有のものになっているかな。 

 

 

 

 

  そしてこの跳び箱のデバイスも、こうやってだいち組の子が見本となってみんなに伝えてくれるので、少しずつ少しずつたいよう組やほし組の子どもたちも試しはじめてくれます。

 

 なにもお母さんたちばかりではなく、子どもたちの取り組みをしっかりと観察している子どもたち自身の姿もあるんです。

 

 順番を待っているときの時間も、実はとっても大事なんですね☆ 

 

  だからもうこんなふうに、

 実はとっても非日常的な運動の感覚が分かりはじめているんですね♡

 後ろむきで ⇒ 背中をそらし ⇒ 手でしっかりと支え ⇒ 視点を定めて ⇒ 自分のおなか側に足をもってきて ⇒ 立ち上がる

なんてことを混乱なくやっているのですから。 

 

 

 そしてこの『支える』感覚のデバイスだって、まるで目的をしっかりと持ったトレーニングのように、動きの“意味”をしっかりと理解して取り組んでいます。

 

 そしてその方が気持ちいい(楽しい)♡ってこともわかっているんですね☆ 

 

 

 

 

 ここも『支える』感覚を起点としたデバイスです。

 

 這い這いから手をついて立ち上がる。

単純な動作ですが、全身の協応性とも関わってくる大事な要素があるかもしれません。 

 

 

 

 とにかく跳び下りだってそうです。

 

 足先から手先、頭のてっぺんまで、運動中に必要のない部位はないんです。

 

 足だけで走る、手だけで投げる、ではなくて、

腕も使って走る、脚も使って投げる、

全身がサボることなく連動しているんですよね。

 

 

そんな見方ができるようになってくると、

腕の力がないから逆上がりができないんじゃなくて、

脚力がないから跳び箱が跳べないんじゃなくて、

勇気がないから立ち止まってしまうんじゃなくて、

からだのいろんなところが協力し合うと

運動ができてくるんだということが分かってくるのかもしれません。 

 

 

  そして最後のコーナーは『回る』感覚のデバイスでした。

 

 『支える』感覚をつなぎながら、おしりをふわっと持ち上げて「前転」をしてほしいというお母さんの“ねがい”が、この風船の存在で子どもたちに伝わっていましたね。

 

 

  

 

 ほんのチョットしたつけあわせのような工夫で、

子どもたちの“うんどう”に魔法をかけられるんですね☆

 

午前中のお母さんたちとの‘体験’のなかでも、そんな事例を紹介したりしました。 

 

 

 

『支えて』『回る』

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そして側転」へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

  『支えて』『回る』

 

 そして「前回り」へ。

 

 つながりをもって運動が展開されています。

 

 ただ単に道具を置くのではなく、デバイスとデバイスの間にある“つながり”が意識されていたのではないでしょうか。

 

スゴイですよ、お母さんたち!! 

 

 

 

 そして最後にこんなのもつなげておきました。

 

 本来の鉄棒運動はビュンビュンとスウィングするのが主流なんです(^_-)-☆

 

 

  

 

 

 

 

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)

 

 

 

 なおさん 「自分が気持ち良かったふみ台ジャンプ台の連続ジャンプで、最後の時に手を上に!を一緒にやってみました。娘も高く飛べるのが分かったようで楽しんでいました。」

 

 

 

 

  

 

 

 

  そう!午前中の体験の中で見つけた運動感覚(キネステーゼ)を、上手く伝えることができたってことですよね♡ 

 

 

 

 

  

 

 

  お互いの運動感覚がつながりあって、

口元の表情まで共振していますよ。 

 

 

 

 

 

  そんな運動感覚のつながりを体験すると、お母さんもすごく楽しいですよね。

 

 子どもの運動が‘できた!(^^)!’‘できなかった(>_<)’と喜ぶよりも、もっともっと幸せを感じるのではないでしょうか。

 

 この『うんどうのオフィスアワー』のゆったりとした時間の流れを楽しめるようになるときっと感じられるようになりますよ♡ 

 

 

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)

 

 「デバイス作りから関わり、そのデバイスにこめた願いを伝えたくなり……」というよしこさんの言葉通り、デバイスの中で“うんどう”する子どもたちへのお母さんたちの“まなざし”が今日は深かったですね(^^)v

 

 

 

 午前中の体験のなかで説明しましたが、跳び下りたあとのこの運動の受け止め(運動弾性)も全身の協応性とともに発生してきたのではないでしょうか。

 

 跳び下りたあとにぺちゃんとつぶれて手をついてしまうのではなく、弾むような受け止めができるようになると、自然とジャンプものびやかになってきます。 

 

 

 それからこのみごとな先取りの感覚!

 

 もう空中にいる時点で、次の前転への運動のつながりが発生しています。

 

 今回のデバイスは、この感覚のつながりをうまく生かしてデバイス同士が影響しあっていたりして面白かったですね☆

 

 

 このデバイスのあとにちょうど『回る』感覚として前転のデバイスがあったのです。 

 

 

 

  それからお母さんのこの立ち位置!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  目標とする鉄棒の先で、真正面から見守ってくれているお母さんの姿は、きっと不思議な力をもっているはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  みほさんが言っていますが、声がけも大事ですが、見てるよという視線も大事ですよね(^_-)-☆

 

 

 

 

 

 

 4.次回のオフィスアワーに向けて

(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)

 

 かよさんがとてもいい課題を見つけてくれたので、みんなで考えましょう。

 

その1.動きと動きのつながるデバイスのしかけ方はあるのでしょうか?

    (今回は『支える』感覚がさまざまなデバイスの中で自然と発展していったり、跳び下りのあとに自然発生した   

     「前転」が勢いのある『回る』感覚につながったりしていましたね。)

 

その2.カーブの道を気持ち良く走れるようなデバイスあるのでしょうか?

 

 正解を判定するのは子どもたちです。

 そしてその判定は子ども一人ひとりそれぞれです。

 まずはわが子の正解を探してみてください。

 「あ!こうすると気持ちいい~っ♡て顔をするぞ!!」というのを探してみるんです。

 まずは試してみましょう。

 

 柳川郁生は30年ぐらい試し続けているので、

見つけることが普通の人よりちょっとだけ得意かもしれません。

 でもそれはそのときかぎりのもので、

人や場所、時間が変わればまた違うものになります。

 

 

だからこども芸大で展開する“うんどう”はアドリブ(即興)なんですね☆

 

 そこを楽しみましょう。思考を停止させないということです(^_-)-☆

 

 

 

 

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