g*g Vol.24 SPRING 2013

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山形に根ざしながら地域に活力を与える存在へ。
卒業生が活躍する「山形代表」の山形食品と
芸工大の関わりを紹介します。

グラフィックデザイン学科卒業生の板垣裕香さんは、山形食品株式会社(以下、山形食品)に就職。ホームページのブログ記事の更新や広告、カタログ、ギフトデザインなどを担当し精力的に仕事に取り組んでいます。「昔から、出身地である山形が生み出したものが評価されることが何より嬉しいんです。芸工大を選んだのも、学校案内を見て山形にある大学として誇りを持っている感じが嬉しかったからなんですよ」と語る板垣さんは、中山ダイスケ教授が手がけた山形県産果物を使ったジュース『山形代表』のデザインに感激。グラフィックデザイン学科の大竹教授のゼミでデザインの根本的な考え方を学びました。就職活動が始まると、『山形代表』のメーカーとして意識していた山形食品に見事入社を果たしました。

板垣裕香さん/グラフィックデザイン学科卒業、山形食品株式会社勤務。「中山ゼミでは走ったり削ったりよく体を動かしていました。技術にとらわれないデザインの考え方は今も根本にあります」

「他の会社も受けましたが、"この会社であなたがやりたいことは何ですか?"という質問にどうしてもありがちな内容しか答えられませんでした。でも山形食品で同じ質問をされた時は、よくぞ聞いてくれた!という感じで、自分が考えていたことをすらすらと答えられたんです」という板垣さん。入社後はすぐに東京、香港の展示会など広い地域で商品のピーアール活動に携わり、サン&リブコンサート2012では総合プロデューサーの1人として、会場のセッティングや飾り付け、段取りなど様々な仕事を手がけました。お客様と直接やりとりを重ねる中で、県産果物で製造している山形食品の商品をピーアールすることは、ジュースだけではなく山形全体のイメージアップにもつながっている、と考えるようになった板垣さん。「県民が他県の人に自慢できるものを作りたいです。サン&リブコンサート2012のアンケートで、私たちが提供するものをお客様がとても温かく受け入れてくれていることに驚きました。厳しい意見もいただきましたが、商品や企画を自分のもののように愛してくれているのを感じ、励みになりました」。今後は山形の頑張っている人を応援するプロジェクトも動かしていきたい、と、山形全体に活力を与えることに意欲を示しました。

山形食品は中山教授を通じてパッケージデザインやCM制作を行っていて、芸工大とは深いつながりを感じている、と語るのは山形食品の稲村和之社長。洋画コース出身の現代美術家・近藤亜樹さんの作品を使用した『山形りんご 新春しぼり』のCMは、第3回山形広告賞で最優秀賞を受賞しました。「いやぁ、芸工大と組むと全てうまくいきますね!」と、明るく笑う稲村社長は、山形食品のものづくりは様々な人との協力関係が基本にあるとし、知恵を出し合いフランクに話し合える芸工大や、芸工大を通して構築した関係をこれからも大事にしていきたい、と語りました。「中山教授からは竹内昌義教授のことも紹介していただいて。工場をリニューアルしたいなという想いがあって相談したところ、是非仕事をさせてくださいと仰ってくださった。本当に熱心に話を聞いてくださって、今話しが進んでいるところです。あと、映画『よみがえりのレシピ』の渡辺智史監督と知り合い、映画に協賛しましたが、話をしていたら芸工大の建築・環境デザイン学科の出身で竹内教授の教え子だと聞いてびっくりしました。こういう風につながっていくことは、芸工大とは相性がよくてタイミングが合うからでしょう。新しいことがすぐに始められるから面白いですね」。板垣さんら芸工大出身の学生については、「山形のために何かしようという想いをひしひしと感じます。地域との関わり方が非常にいいですね」と評価しました。それを受け、板垣さんは「山形食品に初めて入った時、これからここ山形でどんどん作っていけるんだ、という可能性を感じたのを憶えています。山形食品はスタッフ全員が意欲的で真面目で、これからますます伸びる会社。私もその一員として頑張っていきたいです」と、決意を新たにしました。

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