g*g Vol.18 AUTUMN 2011
山形の夏の風物詩、山形花笠まつりが今年も8月5、6、7の三日間、熱く開催されました。山形花形まつりは、1万人を超える踊り手が山形市内のメインストリートをパレードする、東北を代表する夏まつりのひとつ。そのパレードの枠に設けられている「飛び入り参加コーナー」は、誰でも踊りに参加することができる、祭りの見せ場です。芸工大では期間中、山形まなび館にて参加型イベント『やっ初まか初』を企画。花笠の踊りをレクチャーし、誰でも気軽に「飛び入り参加コーナー」に入っていける場を作りました。
企画の代表を務めるグラフィックデザイン学科4年の本間拓真さんは「七日町を元気にしようというプロジェクトからスタートした企画ですが、地域の人や会社、山形大の学生と関わる機会を持つことで、こちらが学ぶことが多かったです。普段の授業では紙やパソコンに向かって作業することが多いので、考える企画も表面的になりがちだったかもしれません」と、祭りを通して豊かな経験を得たことを伝えました。企画を盛り上げるのは、グラフィックデザイン学科らしい、目を引くイラストのポスターとかわいい紙の花笠。子どもから大人まで誰もが楽しめる花笠まつりの雰囲気づくりに一役買いました。
『やっ初まか初』で踊りを教えていたのは、涼しげな浴衣に身を包んだグラフィックデザイン学科の学生有志です。誰でも手軽に踊れる現在の日本舞踊的な「正調花笠踊り〜薫風(くんぷう)最上川〜」を、初めての人でもわかりやすいように、踊り姿の正面、背面を見せながら解説。「パッと花が開くように手を挙げて」「山から風が降りてくるように腕を下ろして」など、花笠踊りのイメージがわくようなフレーズで丁寧に指導していました。初めて花笠まつりに参加するという方に感想を聞くと、「インターネットで調べた踊り方の動画より、ずっとわかりやすい」と、教え方と花笠、メインストリートにすぐ向かうことができる立地の良さが好評でした。中には、震災がきっかけで花笠に参加を決めた参加者もいました。「仙台市に住んでいるのですが、震災の時に山形の方から物質面での援助をいただき非常にありがたかったんです。それで隣県である山形のことをもっと知りたいと思い、参加してみました。曲は知っていたのですが、いざ踊ってみると難しいですね」と声を弾ませ、祭りの雰囲気を楽しんでいるようでした。
『やっ初まか初』では、レクチャーだけでなく、地元小学生や舞踊協会、サークルの踊りも披露。団体によって持ち味が違う花笠踊りの楽しさを感じられる企画にしました。中でも山形大学の花笠サークル「四面楚歌」は、花笠踊り発祥の地・尾花沢地方のダイナミックな笠回しを取り入れた踊りを披露し、参加者たちの歓声を受けていました。グラフィックデザイン学科の学生たちは、自分たちと違った踊りに興味を持ち、山形大学生に笠の回し方を習う場面も見られました。
レクチャーが終わるといよいよ本番へ。夕方になるにつれて人通りが多く、熱気を増していく七日町に、『ヤッショ、マカショ』の声が響いていました。