g*g Vol.21 SUMMER 2012

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「日本一『さくらんぼ』祭り」に、
大きなさくらんぼと北前船の神輿が登場!

6月23日、24日の2日間、山形市中心街で「日本一『さくらんぼ』祭り」が開催されました。これは"復興のための祈りと祭り"をテーマに、年間を通じ「食」と「農」にちなんだ四季折々のお祭りを開催する「やまがた元気プロジェクト」のひとつで、県産農産物の販売やさくらんぼ品評会、コンサートなど多くのイベントを実施。美術科総合美術コースでは、県の依頼で祭りのオープニングを飾った『さくらんぼ御輿』を制作しました。

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左:岡田真宏美術科教授。中:作田弘治講師。右:高橋美帆さん/美術科総合美術コース3年。制作チームの代表を務めた。

神輿の制作には学生20名が参加。学生が考案した23のアイデアの中からプレゼンで選ばれたのは、3年の佐藤里香さんの作品でした。真っ赤なさくらんぼを、農園で使われている反射材を使用した銀色の筒で持ち上げるように組み上げ、どっしりとした北前船がそれを運び出していく神輿は、迫力十分。山形を力強くピーアールする意図が込められています。佐藤さんは完成した神輿を見て、「赤くて大きいさくらんぼ、カッコいいなと思いました。デザインのアイデアスケッチから、みんなの力で想像以上の実物になって感動しました!嬉しいです」と完成の喜びを語りました。制作チームの代表を務めた高橋美帆さんは、「実際に立体におこす作業は大変でした。制作期間が1ヶ月というハードスケジュールでしたが、だんだん完成が見えてくると楽しくなってきましたね」と、仲間との凝縮された時間を振り返りました。副代表を務めた松田梨絵さんは、「さくらんぼの実となる部分の発泡スチロール素材を福井県から取り寄せるなど、初めて経験をしたことが多かったです。製図の授業は1年の時に受けていたのですが、船は初めてだったので苦労しました」と、大変だった作業を思い起しました。「私は、細かい作業を中心にやっていました。あとは、みんなが疲れているなと思った時に、お菓子食べようと声をかけたりですかね」と控えめに語るのは高橋祐佳さん。チームのメンバーは貴重なムードメーカーとなってくれた高橋さんに感謝の気持ちを伝えていました。

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左から:松田梨絵さん、佐藤里香さん、高橋祐佳さん。当日のメイクは高橋祐佳さんが担当。

学生の指導にあたった岡田教授は今回の制作について、「総合美術コースにはアートディレクション能力を身に付けるというコンセプトがあり、それに合致した課題になったと思います。立体造形は個人の作品となることが多いですが、プロジェクトを組んで仕事を分担し、こなしていけたということは大きい。これをきっかけに様々ないい勉強をさせてもらいました」と語り、強さと軽さが同時に在らなければならない神輿の完成度にも満足を示しました。

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御輿の制作途中には吉村美栄子県知事(写真左)が見学にいらっしゃいました。

舞台美術の豊富な経験を活かし、構造的な部分の制作などで協力した作田講師は、「デザインや仕上げに力を発揮することは、アーティストにとって大事なことです。自分たちの表現ができた上にプラスアルファとして、クオリティの高いものを目指してもらえるようにサポートしました。肉体労働のような作業にも関心を持って対応し、描き込みなども協力して丁寧にやっていたのが印象的でした」と語り、前向きに取り組んだ学生の姿を讃えました。祭り当日は、学生がデザインし、作田講師が制作した法被を、代表と副代表の高橋さんと松田さんが羽織り、御輿を担ぐ学生たちの音頭を取とっていました。御輿は歩行者天国となった本町から七日町にかけて練り歩き、祭りをより一層盛り上げました。

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