こんにちは!
テキスタイルコース副手です。
今回は、先日オープンしたばかりの
工芸・テキスタイルコース共同運営ギャラリーでの
個展のお知らせです!
工芸コース非常勤講師、冨井大裕先生による
「つまづきとふみこみ|その混乱」
学外の方も学内の方も、ぜひ足をお運びください。
〜以下詳細〜
本学非常勤講師冨井大裕による学内個展
「つまずきとふみこみ | その混乱」
2016年10月7日~21日
開廊時間は施設の開館時間に準じます。
芸術研究棟Cギャラリー ”ROOTS & technique” (ルーツ&テクニーク)は、工芸コース、テキスタイルコースが自主運営で展示を企画するスペースです。
第2回展となる本展は本学工芸コース(陶芸)非常勤講師冨井大裕による個展「つまずきとふみこみ | その混乱」でこのタイトルは彼が”ROOTS & technique”を誤読したものです。
山形での展示は、2014年に本学7階ギャラリーで行われたAGAIN-ST展に続き2回目となります。皆さま是非ご高覧下さい。
冨井大裕
既製品に最小限の手を加えることで、それらを固定された意味から解放し、色や形をそなえた造形要素として、「彫刻」のあらたな可能性を模索する。近年の参加展覧会に、「横浜トリエンナーレ2011」(横浜美術館, 2011)、「MOTアニュアル2011」(東京都現代美術館,2011)、「水と土の芸術祭2012」(万代島旧水揚場, 新潟, 2012)、「マンハッタンの太陽」(栃木県立美術館, 2013)、「開館20周年記念MOTコレクション特別企画 コンタクツ」(東京都現代美術館, 2014)、「メルド彫刻の先へ[彫刻と記録]」(前橋文化研究所,2015)、「カメラのみぞ知る」(Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku,2015) 、「引込線2015」(旧所沢市立第二学校給食センター,2015)、「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋ーー日本と韓国の作家たち」(国立新美術館、韓国国立現代美術館,2015ー2016)など。
作ることの理由
「作る」とはどういうことだろうか。何故、作るのだろうか。作品を作ろうとする者ならば、誰しも一度は頭をよぎることだろう。そして、作り続けることはそれを明らかにするのだろうか。そんなことはない。作られたものは作ることの答えをひた隠し、私たちの目の前で問いを更新し続ける。作ることに答えることは永遠にできない。それでも作ることから離れることができないのならば、到達不可能なその地点への接近を試み続ける他に選択肢はない。
ものをそのままでありながら異なるものとして立ち上げるためには、どのような構造を選べばよいか。ものが与える条件(サイズ、素材、重さ、形、ものが常識的にまとっているイメージなど)から構造は選択される。選ばれた構造は、自身に最適なものの新しい使用法を見つけ出す。新しい使用法は、そのものとその構造のため以外には採用されない。そして、採用されたその時から、使用法は使用法ではない、ものの新たな条件となる。条件とは不自由であり、可能性である。不自由からしか自由は得ることが出来ない。
私は何を作っているのか。作品としかいうことが出来ない。作品とは何であるのか。作品であるとしかいうことができない。作品とは作品であり、それ以上でもそれ以下でもない。ただひたすらに作品であること。そのためには全てが明らかでなければならない。作品は、全てが明らかであってもさらにその奥のわからなさが消えることはない。わからなさは明らかなものの中でこそ抽象的に-それゆえに直接的に-理解され得る。
作品とはわからないものである。そして、どの様にわからないかという「わからなさの質」を求めるものである。