10月5日に『親子・うんどうの日』を開催しました。
保育スタッフの
「今年は、子どもたちが日々身近に感じている“自然”について、
お家の方々と意見を出しあいながら考えていきます。」
というのがはじまりの“ねがい”でした。
9月13日
☆お母さん、お父さんが子どものときに触れ合った自然は?
そんな問いかけから
始まって
☆今、子どもたちと一緒に触れ合いたい自然は?
そんなきっかけで
このイベントが
スタートしました。
お母さんとお父さんたちから生まれてきた
いろいろな言葉や思いを
みんなで
共有していきます。
そして浮かび上がってきたのは……?
『ト・ン・ボ』 でした!
さあ!もうここからもっともっといろんなことが始まります。
9月25日
秋の空を飛びまわるトンボをイメージして、
お母さんたちが“うんどう”の“ねがい”をさがしていきます。
そしてその“ねがい”をデバイスへと
形(かたち)にしていきます。
マットをこんなふうに
花びらのようにならべたり
スイーッと水平飛行のようにしてみたり
右へ左へ切り返しながら
スイスイと飛んでみたり
思いきってトンボになりきっちゃったり
トンボの目を回すぞ!なんて考えてみたり
さまざまなデバイスをお母さんたちが創りだしていきました。
そしてお母さんたちが帰った後で
そのデバイスにこめられた“ねがい”を
スタッフも共有しました。
こんなふうに実際に体験することで
運動の感覚を共有しておくことは大事ですね♡
さらにスタッフは
お母さんたちの“ねがい”を
当日をイメージしながら
より具体的な形へとつなげていきます。
9月25日
『親子・うんどうの日』の3日前から子どもたちの物語が始まります。
そう!
この日が子どもたちの
『親子・うんどうの日』の始まりです☆
秋を探しながら
丘へ行って遊んでいると……
おや?
なにかを見つけました!!
手紙には
『おそらのうえから、おとしものをしました。
なにもみえなくて こまっています。
みつけたら 10がつ5にちに
ぐらうんどへもってきてください。
〇〇〇より』
と書いてありました。
さあ、どうしよう?と思っていたら
こんなものも落ちていました。
……さあいったい、
どうなるんでしょう?
楽しい、楽しい
『親子・うんどうの日」は
3日後です♡
ここまでの物語が
ある秋の日、森の中に手紙が落ちていました。
『おそらのうえから、おとしものをしました。なにもみえなくて こまっています。
みつけたら 10がつ5にちに ぐらうんどへもってきてください。〇〇〇より』
「落し物?」 「何かな?」 「誰が落としたんだろう・・・」
あれ? 草の中に何か落ちています。
これはメガネかな?
「でも、何も見えないね」 「レンズがないのかな?」
そしてここからの物語が
次の日、こども芸大のお庭に、色つきレンズが落ちていました。
「そうだ、レンズがないと見えないんだ!」
でも色つきレンズは1つしか落ちていません。
「きっと、レンズがたくさんないとダメなんじゃない?」
これをきっかけに物語は『親子・うんどうの日』にさらにつながっていきます。
10月5日
いよいよ『親子・うんどうの日』が始まります!
そして、10月5日のグラウンド。
『色つきレンズを!探しに行こう!!』
ほらね!
ここがグラウンドだよ☆
さあ!またまた物語が始まります!!
たまごの殻を抜けると、
なんと子どもたちは、トンボになっちゃった~!
勢いよく花のまわりを回って空へ飛びだします。
あっちかな?こっちかな?
トンボがえりで スーイスイ。
水の上も、
低空飛行でサッと飛びぬけます。
上手に飛べるように
支えてもらったり・・・
どこかなぁ?あるかなぁ?
もっと高い木の上から探せばみつかるかな?
大きな銀ヤンマが
目玉をクルっとまわして
『あっちだよ』
と教えてくれました。
ところが、
網で捕まりそうになって・・・
あ~びっくりした。
大丈夫!大きな雲に到着したよ。
こんなデバイスのコースを何度も何度も子どもたちは回っていました。
そうなんです!
『親子・うんどうの日』は“うんどう”を楽しむ日です。
何回も何回も繰り返すことで、
運動の感覚的な楽しさを存分に味わって欲しい!!
というのがみんなの“ねがい”なんです☆
本当に子どもたちは、お母さんたちが創りだしてくれたデバイスを、
お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、そしてみんなで、
いっぱいいっぱい楽しんでくれました♡
そしてやがて……
・・・・・・雲の向こうには・・・・・
キラキラと光る色とりどりの
レンズをつけた、
たくさんのトンボたちがいました。
『お~い!』
みんなで追いかけて
そのレンズを分けてもらうと、
メガネのレンズを
なくして困っていた
大きなオニヤンマが
やってきて
『探してくれて、どうもありがとう。』
『これで安心、みんなの顔もバッチリ見えるよ。』
そう言って、
見つけてくれたみんなに
素敵なプレゼントをくれました。
『このメガネでいろんなところを見てごらん、きっと見えるよ。』
「もしかしたら・・・好きなものも描けるかも~!」
そんな物語で『親子・うんどうの日』を展開してみました。
たった一日のうんどうの日が、思い出いっぱいの日になるよう、
みんなで愛情たっぷりに準備することができました。
みんなの“思い”とみんなの“ねがい”がしっかりとつながってできた日になったかな。
みんなの拍手で終えることができたから、きっと大丈夫でしょう♡
今年のこども芸大らしい『親子・うんどうの日』になったと思います☆
この物語
現場にいなかった人には伝わりにくいと思いますが
最後にすべての物語をもう一度
秋の空へ
ある秋の日、森の中に手紙が落ちていました。
『おそらのうえから、おとしものをしました。なにもみえなくて こまっています。
みつけたら 10がつ5にちに ぐらうんどへもってきてください。〇〇〇より』
「落し物?」 「何かな?」 「誰が落としたんだろう・・・」
あれ? 草の中に何か落ちています。
これはメガネかな?
「でも、何も見えないね」 「レンズがないのかな?」
次の日、こども芸大のお庭に、色つきレンズが落ちていました。
「そうだ、レンズがないと見えないんだ!」
でも色つきレンズは1つしか落ちていません。
「きっと、レンズがたくさんないとダメなんじゃない?」
そして、10月5日のグラウンド。
『色つきレンズを!探しに行こう!!』
たまごの殻を抜けると、なんと子どもたちは、トンボになっちゃった~!
勢いよく花のまわりを回って空へ飛びだします。
あっちかな?こっちかな? トンボがえりで スーイスイ。
水の上も、低空飛行でサッと飛びぬけます。
上手に飛べるように支えてもらったり・・・どこかなぁ?あるかなぁ?
もっと高い木の上から探せばみつかるかな?
大きな銀ヤンマが目玉をクルっとまわして『あっちだよ』と教えてくれました。
ところが、網で捕まりそうになって・・・ あ~びっくりした。
大丈夫!大きな雲に到着したよ。
・・・・・・雲の向こうには・・・・・
キラキラと光る色とりどりのレンズをつけた、たくさんのトンボたちがいました。
『お~い!』
みんなで追いかけてそのレンズを分けてもらうと、
メガネのレンズをなくして困っていた大きなオニヤンマがやってきて
『探してくれて、どうもありがとう。』
『これで安心、みんなの顔もバッチリ見えるよ。』
そう言って、見つけてくれたみんなに素敵なプレゼントをくれました。
『このメガネでいろんなところを見てごらん、きっと見えるよ。』
「もしかしたら・・・好きなものも描けるかも~!」
『親子・うんどうの日』をひかえているので軽くいきましょう♡
なんて言っていたのですが、
楽しくなってしまうと我慢できませんね☆
みんなが喜んでくれればそれでいいか・・・・・・
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
まずは『走る』感覚のデバイスでした。
長くまっすぐのコースもいいですが、すこしジグザグに見えたり、フープを置くことで間があいていたりで、なにか『走る』感覚に変化がおきないかなと思って見ていました。
ここは滑りこむデバイスですが、薄着の季節はちょっと滑りにくいですね。
でも実はここで地面と仲よくなって、次のデバイスへつないでいく効果もあったのです☆
手をついたり、倒れこんだりする動きは、大きなからだに成長してしまうと大変になったりします。今のうちにこんなことをたくさん体験しておくのも大事ですね。
ということで、お母さんたちと考えて2つのデバイスを関連づけてみました。
まさえさんは、そんなやりとりに参加して「!!」とみんなの“ねがい”をつなげることを大事だと思ったそうです。
このデバイスは、つくったお母さんとはちがう“うんどう”が子どもたちには見えていたようですね。
でもそれぞれが自分の意志で自分なりのやり方を見つけていく。まさに運動の志向性というものです。
こうきくんが‘前回までは“コレはこのやり方?”と聞くことが多かったのですが、今日は平均台を普通に渡ったり、ハイハイしながらやってみよう!!と自分で提案して動いている姿が見られました。’というのもそのあらわれではないでしょうか。
いろんなことが理解できてきたから、こんなふうにこつこつと運動に取り組むこともできるようになってきたんでしょうね。
みんなはここでなにをしているの?ってことが分かってくると、子どもたちの探索が始まります。
ということでここでは『支える』感覚をつかって運動でした。
つなげたデバイスは『支える』感覚をつなげることもできるし、そうでない『跳ぶ』感覚もできるものです。
そしてとなりには『跳ぶ』感覚つながりで踏みきり板とソフトマットでデバイスをつくりました。
次の鉄棒も『跳ぶ』感覚から動きが始まることを意識してゆみこさんが考えていました。
ここでも運動や感覚のつながりが意識されていますね。
だからこんなふうにのびやかに跳びつけたのかもしれませんね。
いろんな運動感覚を誘いだすような感覚のつながりを見つけると楽しいですね。
発見!ってことです☆
でもこんなふうにまた新たな運動に出会うのもいいですね。
今回は後ろに回る背中の感覚を体験し始めるきっかけにもなったのではないでしょうか。
あとはコツコツと自分なりに鉄棒に取り組んだり
倒立をしてみたり、いろんな運動への興味が生まれてきたのではないでしょうか。
わが子の興味がなににあるのか、お母さんたちの“まなざし”にもいろいろ見えてきていますよね?
そんな興味がだいち組ぐらいになると具体的になってきたりします。
それまではあせらずに、その時の準備をしましょう。
たくさんの動感素材(動く感覚の体験)をたくさん持っておくことが大事になります。
走ったり、跳んだり、転んだり、滑ったり、投げたり、受けとめたり、
回ったり、支えたり、さかさまになったり、登ったり、ぶら下がったり、ゆらしたり、
いろんな運動の体験をしてその感じをたくさん覚えましょう。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
「やっぱり≪走る≫事が好きみたいです。」と再発見のあゆみさんでした。
だからこんなふうに楽しくなるんですね。
できないことを見つけるよりも、どんなことが好きなのか見つけてみましょう。
逆立ちができなくたって、手をついて足を振り上げようとしたら、それはもう倒立が始まったということです。
いつできたかばかりにこだわらず、いつからやろうとし始めたのかを見つけてみてください。
できるようになるデバイスではなく、
やりたくなるようなデバイスづくりが分かってくるかもしれません。
はるきくんにもそんな側転のきっかけになるようなデバイスを一緒に考えていきましょう。
そしてデバイスづくりに参加するお母さんたちが増えてきましたね。
そこで展開する“うんどう”の意味が見えるようになってきた感じです。
必要なのはお手伝いではなく“共有”ですね!
みんなの“ねがい”、運動の感覚、それをつなげていくことで
“共有”そして”共感”が生まれてくるのではないでしょうか。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
生き生きとした弾むような走りになってきましたね。
脚だけで走るのではなくて、からだ全体でバランスをとりながら走る感じがいいですね☆
こっちのジャンプもそうですね。
大きく大胆にからだを伸ばしています。
自分のからだの空間を広げること、大事ですね(^_-)-☆
こっちのデバイスは、滑りこまなくたっていいんです。
乾燥した冬になるともっと滑りやすくなりますよ!
寝っ転がったり、床に手をついたり、からだが大きくなるとだんだん苦手になってきます。
壁の下にやっと通れるような小さな穴が開いていました。
向こうの方に壁の端っこがあり、遠回りすれば向こう側へ行けます。
どっちを選びますか?
最近の柳川郁生は後者の遠回りを選びます。
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
『親子・うんどうの日』を終えて、休み明けのひさしぶりの開催で、
どんな『うんどうのオフィスアワー』になるのでしょう?
楽しみにしています。
……でもその前に『親子・うんどうの日』もブログアップして、
ふだん『うんどうのオフィスアワー』に来ることができないお母さんたちとも共有したいと思っています。
そのためにはもっとゆとりが欲しいけど…… 「細々とした日常が」
少しずつ少しずつ、
デバイスづくりに参加してくれるお母さんたちが増えてきました。
なにか専門的な知識が必要なのではなくて、子どもたちの笑顔を想像しながらつくれるってことが大事なのではないのでしょうか。
お母さんたちは“うんどう”を通してでも愛情を伝えようとしてくれていますね♡
そして……
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
子どもたちが“うんどう”の世界に目を輝かせてとびこんでくれるよう、まずはマットの山をつくりました。
しっかりと手足を協応させて、足の踏ん張りや背筋の緊張をもって坂道を上ることは身体にとってはいい感覚素材にはなりますね。
お母さんたちがつくった魅力的な高さに、子どもたちの目は輝いていましたね。
ちょっと高すぎて誰かが付いていないと心配なのは少しもったいないですが、「危ないから」という理由で魅力を半減させるよりはいいことかもしれません。
普段子どもたちの“うんどう”にあまり“まなざし”をむけていないと、危険にばかり意識が向いてしまったりします。
この『うんどうのオフィスアワー』に来る子どもたちは、上手に転んだり、高いところから安全に落ちることもできるようになってきていますから。
でも、ある程度子どもたちが納得した段階でつくりかえさせてもらいました。
やっぱりお母さんがつきっきりになってしまうと、わが子の“うんどう”に寄り添うことができなくなってしまいますから。
ということで、今後の工夫のポイントでもありますね☆
連続ジャンプもタイミングよく、心地よい弾み方が出現してきましたね。
「一生懸命跳ばない」「頑張らないで跳ぶ」いろんな合目的的、経済的な運動が子どもたちの運動感覚の中に生まれてきました。
そんな感覚の了解があるから、こんなふうにのびのびとしたジャンプができちゃったりするんですね。
下りてるんじゃなくて、跳んでますよね☆
これも無理にやらせるんではなくて、だいち組の女の子たちがやっていることを少しずつ子どもたちが見て、探りを入れ始める時期をうかがってみるのもいいかもしれませんね。
「ほら!やってみなさい!」ではなくて、
そっと表情を盗み見ながら
「……そろそろ興味をもちはじめたぞ……」
なんて感じで見ぬいてみてはどうでしょう(^_-)-☆
これは腕の力がついたんじゃなくって、腕の力を使わないでできる“コツ”を見つけたんですね。
スゴイ!スゴイ!
ここもちょっと工夫をしてみたいところです。
もうちょっと輪の大きさを小さくすれば、みんなが軽やかにケンケンできるようになるかもしれません。
そんな欲が出てしまいました……
しっかりと片足で地面をとらえ、スバらしい前傾姿勢がとられています。
かけっこで順位を決めたり、タイムを測ったりしなくたって、こんな感覚で走れればきっと気持ちいいに決まっています。
それでいいんじゃないでしょうか。
その先のデバイスは、こんなふうに置いておくとどんな運動が出現するかなと思って仕掛けておきました。
デバイスというよりトラップでしょうか(^_^)v
すると走りぬけたり
こんな運動を展開することで子どもたち同士が促発しあえたりもするのだと思います。
そしてバタンと乗りこえて、また大きな山のデバイスへと向かっていきました。
それから気がついたら、こんなデバイスもつくられていて、子どもたちの“うんどう”を理解しながらデバイスに変化が現れてくるのもいいなあと感じました。
今日の分つくって終わり~ではなくて、おかわりやデザート、ちょっと味に変化をさせたり、吸収率を高めたり、いろんな工夫をしてみましょう。
楽しいですよ☆
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
こんなところから子どもたちの生き生きとした“うんどう”の姿が生まれてくるのが理想の一つです。
いいですね~♡♡♡
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
気がつけばすっかりといろんなアイテムが置き去りにされています。
それだけ子どもたちが運動のデバイスに夢中になっていったということだと思います。
子どもたちがこの『うんどうのオフィスアワー』でなにをすると楽しいのか、そんなことをお母さんたちと共有してくれるようになってきたのではないでしょうか。
ぜひこの『原志向位相』に現れるような「動きたくてたまらなくなる気分」を大事にして、
『親子・うんどうの日』迎えられたらいいなと思っています。
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
今年はどんな『親子・うんどうの日』になるのでしょう。
これからの子どもたちの反応、それを踏まえた準備によってまだまだ変化しそうです。
それでも当日じっくりと運動を楽しめるよう、
次回の『うんどうのオフィスアワー』は食べすぎに注意しましょう!
よろしくお願いします。
たくさんの参加と、たくさんの“まなざし”があったオフィスアワーでした。
お母さんたちが書いてくれた「まなざしカルテ」もたくさんありましたが、しっかりと読ませていただきました。
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
午前中に『うんどうのオフィスアワー』のためのオフィスアワーを開催し、午後の本番を迎えました。
午前中のメニューは
1.これまでのふり返り(30分ぐらい)
・オフィスアワーのためのオフィスアワー1・2
・観察するということ
2.これからの実践のための体験(60分ぐらい)
・走る ・跳ぶ ・支える ・回る ・投げる?
・連続(反復)する“ねがい”
・(感覚を)つなげる“ねがい”……増幅
・子どもの視点 △ ⇔ 子どもの感覚 ○
・動感素材……投げるために必要な動感は?
3.デバイスづくり(30分ぐらい)
・午後のオフィスアワーに向けて
といった感じで、いろいろと柳川郁生の“思い”をみなさんに聞いていただきました。
長い時間おつきあいいただいたお母さんたち、ありがとうございました♡
まずは『走る』です。
いつもより長~くマットをつなげ、子どもたちの気持ちと感覚を体育館いっぱいに伸長化させます。
アクセントにちょっとベースを置いたりしてみて、なんとなく“うんどう”の句読点のような役割をしないかなと試してみました。
あそこまで……というわかりやすさを意識してみたのでした。
子どもたちは長いコースを、のびのびと気持ちよさそうに走り抜けていましたよね。
お母さんたちの“ねがい”、通じていたんではないでしょうか。
スラロームのデバイスもつなげてありました 。
コースの都合で短かったけど、お母さんたちの“ねがい”をくみ取って、子どもたちは走りぬけていきましたね。
「こうしてほしいな」「こんなふうに楽しんでくれると嬉しいな」というお母さんたちの“ねがい”は、子どもたちに伝わっているんですね。
ここでも午前中に体験した『跳ぶ』感覚が子どもたちに伝わっているんじゃないでしょうか。
この腕の使い方、足先までしっかり伸びきった蹴り、お母さんたちの体験した感覚と共有のものになっているかな。
そしてこの跳び箱のデバイスも、こうやってだいち組の子が見本となってみんなに伝えてくれるので、少しずつ少しずつたいよう組やほし組の子どもたちも試しはじめてくれます。
なにもお母さんたちばかりではなく、子どもたちの取り組みをしっかりと観察している子どもたち自身の姿もあるんです。
順番を待っているときの時間も、実はとっても大事なんですね☆
だからもうこんなふうに、
実はとっても非日常的な運動の感覚が分かりはじめているんですね♡
後ろむきで ⇒ 背中をそらし ⇒ 手でしっかりと支え ⇒ 視点を定めて ⇒ 自分のおなか側に足をもってきて ⇒ 立ち上がる
なんてことを混乱なくやっているのですから。
そしてこの『支える』感覚のデバイスだって、まるで目的をしっかりと持ったトレーニングのように、動きの“意味”をしっかりと理解して取り組んでいます。
そしてその方が気持ちいい(楽しい)♡ってこともわかっているんですね☆
ここも『支える』感覚を起点としたデバイスです。
這い這いから手をついて立ち上がる。
単純な動作ですが、全身の協応性とも関わってくる大事な要素があるかもしれません。
足先から手先、頭のてっぺんまで、運動中に必要のない部位はないんです。
足だけで走る、手だけで投げる、ではなくて、
腕も使って走る、脚も使って投げる、
全身がサボることなく連動しているんですよね。
そんな見方ができるようになってくると、
腕の力がないから逆上がりができないんじゃなくて、
脚力がないから跳び箱が跳べないんじゃなくて、
勇気がないから立ち止まってしまうんじゃなくて、
からだのいろんなところが協力し合うと
運動ができてくるんだということが分かってくるのかもしれません。
そして最後のコーナーは『回る』感覚のデバイスでした。
『支える』感覚をつなぎながら、おしりをふわっと持ち上げて「前転」をしてほしいというお母さんの“ねがい”が、この風船の存在で子どもたちに伝わっていましたね。
ほんのチョットしたつけあわせのような工夫で、
子どもたちの“うんどう”に魔法をかけられるんですね☆
午前中のお母さんたちとの‘体験’のなかでも、そんな事例を紹介したりしました。
『支えて』『回る』
「そして側転」へ。
『支えて』『回る』
そして「前回り」へ。
つながりをもって運動が展開されています。
ただ単に道具を置くのではなく、デバイスとデバイスの間にある“つながり”が意識されていたのではないでしょうか。
スゴイですよ、お母さんたち!!
そして最後にこんなのもつなげておきました。
本来の鉄棒運動はビュンビュンとスウィングするのが主流なんです(^_-)-☆
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
なおさん 「自分が気持ち良かったふみ台ジャンプ台の連続ジャンプで、最後の時に手を上に!を一緒にやってみました。娘も高く飛べるのが分かったようで楽しんでいました。」
そう!午前中の体験の中で見つけた運動感覚(キネステーゼ)を、上手く伝えることができたってことですよね♡
お互いの運動感覚がつながりあって、
口元の表情まで共振していますよ。
そんな運動感覚のつながりを体験すると、お母さんもすごく楽しいですよね。
子どもの運動が‘できた!(^^)!’‘できなかった(>_<)’と喜ぶよりも、もっともっと幸せを感じるのではないでしょうか。
この『うんどうのオフィスアワー』のゆったりとした時間の流れを楽しめるようになるときっと感じられるようになりますよ♡
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
「デバイス作りから関わり、そのデバイスにこめた願いを伝えたくなり……」というよしこさんの言葉通り、デバイスの中で“うんどう”する子どもたちへのお母さんたちの“まなざし”が今日は深かったですね(^^)v
午前中の体験のなかで説明しましたが、跳び下りたあとのこの運動の受け止め(運動弾性)も全身の協応性とともに発生してきたのではないでしょうか。
跳び下りたあとにぺちゃんとつぶれて手をついてしまうのではなく、弾むような受け止めができるようになると、自然とジャンプものびやかになってきます。
それからこのみごとな先取りの感覚!
もう空中にいる時点で、次の前転への運動のつながりが発生しています。
今回のデバイスは、この感覚のつながりをうまく生かしてデバイス同士が影響しあっていたりして面白かったですね☆
このデバイスのあとにちょうど『回る』感覚として前転のデバイスがあったのです。
それからお母さんのこの立ち位置!
目標とする鉄棒の先で、真正面から見守ってくれているお母さんの姿は、きっと不思議な力をもっているはずです。
みほさんが言っていますが、声がけも大事ですが、見てるよという視線も大事ですよね(^_-)-☆
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
かよさんがとてもいい課題を見つけてくれたので、みんなで考えましょう。
その1.動きと動きのつながるデバイスのしかけ方はあるのでしょうか?
(今回は『支える』感覚がさまざまなデバイスの中で自然と発展していったり、跳び下りのあとに自然発生した
「前転」が勢いのある『回る』感覚につながったりしていましたね。)
その2.カーブの道を気持ち良く走れるようなデバイスあるのでしょうか?
正解を判定するのは子どもたちです。
そしてその判定は子ども一人ひとりそれぞれです。
まずはわが子の正解を探してみてください。
「あ!こうすると気持ちいい~っ♡て顔をするぞ!!」というのを探してみるんです。
まずは試してみましょう。
柳川郁生は30年ぐらい試し続けているので、
見つけることが普通の人よりちょっとだけ得意かもしれません。
でもそれはそのときかぎりのもので、
人や場所、時間が変わればまた違うものになります。
だからこども芸大で展開する“うんどう”はアドリブ(即興)なんですね☆
そこを楽しみましょう。思考を停止させないということです(^_-)-☆
夏休み明け、最初の『うんどうのオフィスアワー』でした。
いつもより少なめの参加人数でしたが、その分ちょっと‘おせっかい’してしまいました。
こんなときはそんなのもいいでしょう。
それからさらに9月12日(木)の9時30分からも‘おせっかい’講座を臨時開催します!
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
久しぶりということで、なにをしたらいいのか、なにがしたいのか見つからない、
といった感じだったので柳川郁生が勝手につくってしまいました。
名づけて“なんとなくバク転”デバイスです☆
まずは肘を伸ばして、手のひらをしっかり開いてからだを『支える』感覚です。
走ったり、前転したり、側転したりしていましたね。
小さい跳び箱と、ロールマットはお母さんたちがつくっていたデバイスです。
今回はこれをきっかけに“バク転”を想定したデバイスを考えてみました。
小さなとび箱は『支える』感覚。
ロールマットは『支える』感覚、「さかさま」になった体位を感じる感覚、しっかりとからだを伸ばす感覚、見えない背後の感覚(状況)を投射化する能力のデバイスです。
そのしっかりとからだを伸ばす感覚と、見えない背後の感覚(状況)を投射化する能力をつないで「バク転ジャンプ」をします!
ここではからだをピンと伸ばし、「締める 」感覚を発生させることを願ったデバイスです。
“バク転”のピンと伸びた姿勢を自然に発生させることができるとよいのですが……
そして“バク転”をするためには、腕の振り上げをうまく利用したジャンプが重要です。
この風船ジャンプもしっかりと腕の振りを使うジャンプへと感覚をつなげるデバイスです。
こんな感じで“バク転”のなかにあるたくさんの要素を、デバイスの中にイメージしてつくってみました。
これがお母さんたちと、そして子どもたちに伝わると、きっと楽しい展開が始まるはずです。
まだみんななかなか具体的なイメージが理解できていないので、少しずつ見えてくるといいですね。
そのためにも、『うんどうのオフィスアワー』のためのオフィスアワーを開催してみようかなと思いました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
なんとなく、それぞれのお母さんたちが子どもたちに寄りそっていましたね♡
慣らし運転みたいな時間も必要ですね。
また少しずつみんなの“ねがい”を見つけていきましょう。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
バク転はちょっと難しい課題かもしれませんが、なんとなく感覚が近づいてくると……
「あれ?」「おや?」「あ?」「お!」「うわ!」「あ~!?」「なるほど☆」って感じで、
いろんな感覚に出会えたりします。
ときどきやってみましょう。
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
あいさんの言うように「子の体の感覚や変化をキャッチできるよう……」ということで始めた
『うんどうのオフィスアワー』の時間。
これまでのお母さんたちの経験が積み重なって、現在のような優しい時間になりました。
でもその原点のようなものはだんだんと分からなくなってしまいます。
なのでそれをまた思い出すために、
『うんどうのオフィスアワー』のためのオフィスアワーをやりましょう☆
9月12日(木)9時30分~
「お母さんたちのまなざしからできること」
1.これまでのふり返り(30分ぐらい)
2.これからの実践のための体験(60分ぐらい)
3.デバイスづくり(30分ぐらい)
こんな感じでしょうか。
よろしくお願いします。
ちょっと少ない人数の参加でしたが、その分ゆったりと過ごせたでしょうか。
先週からのつながりもあったので、
あまり手出しをせずにお母さんたちに委ねていました。
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
こんなふうに這い這いからスタートしても、次第に手のひらが大きく開かれてつけるようになってくればいいかな☆
しかっりと開いた手のひらの上には、体重が乗りやすくなるはずです。
おしりを高く上げるのではなく、しっかりと体重が乗りはじめることによって自然とおしりが持ち上がってきます。
その『支える』感覚と、体重が乗っておしりが持ち上がる感覚が身体のなかに心地よく感じられるようになると、やがて跳び箱の感覚とつながっていきます。
せっかくならそんな感覚が側転にもつながっていくといいですね♡
そしてこれは『支える』と『回る』感覚をさかさまの状態で同時に展開するものです。
なんていうとちょっとスゴイ!デバイスのような感じですが、じつはホントにスゴイ!意味のあるデバイスです。
それは身体感覚の
『絶対零点』
をつくるデバイスということです。
こども芸大の子どもたちの身体のなかには、
客観的な概念でとらえる物理的座標系の原点とは本質的に異なる、
運動感覚の原点となる『絶対零点』をつくっているのです(^_-)-☆
それはどういうことかというと……今度お話しますね(@^^)/~~~
そしてこれも『走る』感覚から『跳ぶ』感覚へつなげ、『支える』感覚によって『回る』感覚へとつなげる、非常に大事な運動感覚を直接的につなげたスゴイ!運動です。
これだってただ単に風船にタッチするだけのデバイスではありません。
触れたか、触れなかったかが大事なのではなく、連続した軽やかなジャンプを発生させることができたのか。
伸びやかな腕とからだをつかった伸長化が発生したのかなど、見るべきポイントはさまざまです。
でもそのポイントが理解できて(分かって)くると、子どもたちは次の運動へのきっかけが見つけられるようになってきます。
そしてお母さんたちは、次にどんな運動を処方してあげればよい(喜ぶ)のかを見つけられるようになってきます。
だから観察をし(“まなざし”をむけ)、そのことを記述(理解)し、次のデバイスづくり(処方)へと生かしていくのです☆
繰り返し、繰り返し、意識的に“まなざし”をむけることによって見えるようになってきます。
子どもたちがそれぞれ自由に運動していましたね。
いっしょうけんめい逆立ち(倒立)にチャレンジしている子もいたので、鏡を置いて肘を伸ばしてスッと押し返せるように工夫をしてみました。
肘が伸びないのは力がないからではなく、楽に『支える』運動の感覚が見つかっていないからです。
頑張らないで倒立ができるのかもしれません。
この『うんどうのオフィスアワー』は、体力や筋力、ましては根性をつける場ではありません。
上手な運動はいかに楽にできるようにするかということも大事なポイントです☆
「うちの子は腕の力がないから」「脚力がないから」と勝手に決めつけないで、フワッと力を必要としないコツのようなものを一緒に探してみてください。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
柳川郁生は運動が苦手だ!と自負しています(^_-)-☆。
でも他人から「運動が苦手だね」といわれると悲しくなります(+o+)
それはなぜなんだろう?と考えてみると不思議な気持ちになります。
でもやっぱり誰かと比べられているからかもしれません。
どうして悲しくなるのかというと、
じつは本人は運動を楽しんでいるのに、
それを客観的に他人と比較されて評価されてしまったからかもしれません。
子どもたちに関しても、“苦手”という判断をしてしまうのは大人の方が先だったりします。
走ったり、跳んだり、転がったり、友達と手をつないだりすることを、
「苦手」とか「得意」なんて考えずに楽しんでいるのが子どもたちではないでしょうか。
なんとなくわが子の運動する姿を見て、
他の子との差を感じて気になっているお母さんたちがでてきました。
できればそんなふうに見ないで、
できないことをできるようにする事ばかり意識しないで、
イチバン楽しいことはどんな運動なのか、
そしてどんな“うんどう”の世界をつくってあげたら最高の笑顔を見せてくれるのか、
そんなことに愛情をこめましょう♡
うちの子の寝返りは覚えるのが早かったとか、すごく上手に寝返るとか、
そんなことでよろこびは感じていなかったですよね。
その瞬間に出会えたことがなによりの幸せだったはずです♡
まだまだ子どものわが子です。
この『うんどうのオフィスアワー』は子どもたちを子どものままでいさせる時間です。
『私は自ら動くことができる』ということがイチバン大事なことです☆
またわけの分からない”つぶやき”と思うかもしれませんが、
「苦手だから」なんてあせらずにいましょうということです(^_-)-☆
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
ということで子どもたちの様子を見てみれば、いろんな運動の発生が生まれてきています。
ふっともち上がったこんな姿勢から
子どもたちの運動の最初の発生はいつ起きるかわかりません。
突然それが現れたりします。
できたり、できなかったりの感覚を 、いろいろと探りを入れながら工夫をしていくことがとてもいいんです。
そしてたいていはこんなふうにひっそりと始まっていたりします(^_-)-☆
分かりますか?
実際にやっている子の腕を伸ばした感覚が、立っている子の感覚に発生しているのです。
やったー!できたー!!なんて瞬間もいいのですが、
ひそかに発生したこの運動感覚誕生の瞬間を見つけることもスッゴク楽しいですよ☆
ぜひぜひわが子の“うんどう”から目をはなさないでこの時間を過ごしてみてください。
そしていい瞬間を見逃さずに見つけたら、柳川郁生にそのヨロコビを伝えてください。
見たかった~(>_<)と悔しがりますから……
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
夏休み前最後になります。
また今度が楽しみになるよう。
“うんどう”のデバイスをみんなでつくりましょう。
今回は「ちょっとスパイスをきかせてみようかな」ということで、
わが子の怜眞(りょうま)を『うんどうのオフィスアワー』に連れてきてみました。
見本というわけではなく、なんとなく勢いみたいなものを感じてもらえると、
展開全体にちょっとだけ刺激みたいなものを……なんて思っていたのでした。
いろいろとお母さん方には声をかけていただきましたが、
これでも4、5日前からなんとなくやることを伝え、
前日にはデバイスの内容を伝え、当日はみんなが来る前から体育館で過ごしながら、みなさんの前での運動に備えていたのでした。
そうでないとやっぱり5歳の子どもですから、
突然みんなの前に出ると恥ずかしがって照れちゃったり、
逃げだしちゃったりするんですね。
なのでよくやってくれたので、うんとほめておきました。
お母さんたちからのコメントもちょっと伝えたら嬉しかったようで、
「ホントに?どこに書いてあるの?お手紙?」と聞いてきたのでした。
そこでお母さんたちが書いてくれた『まなざしカルテ』を実際に見ながら、
一つ一つのコメントを紹介してあげたら本当にうれしそうにしてくれました。
「……風が吹いた」「りょうませんせい」「やる気」「楽しさ」、
いろんなことばに「うん♡、うん♡」って感じで満足げでした。
……ふと考えると……、これって『まなざしカルテ』を読ませてもらっている、
柳川郁生といっしょだなと思ってしまいました。
いろんなお母さんたちから、いろんな気づきや発見のコメントをもらえると、
すごく嬉しくなっちゃうんですね♡
(たまにはその逆もあり、2、3週間ズズンと反省しているときもあります(笑))
でもこのブログもそうですが、気持ちを言葉にして伝えることも大事ですよね。
……ということでまた、つぶやきを言葉にして……
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
今回は柳川郁生構想で展開してみました。
まずは基本の4つ足(『支える』感覚)から。
前回も登場し、子どもたちのうごきも軽快になってきました。
こういった単純なうごきを、毎回継続的にとり入れてみることも大事だと思います。
いつも違うメニューではなく、いくつかの定番メニューからの発展を考えてみると、子どもたちのペースに合わせたデバイスづくりができるようになるかもしれません。
手のひらの上にしっかりと自分の重心をかけて進めるようになると、安定したバランス感覚と手足の協応動作、そして背筋を使ったしっかりとした運動ができると思いますよ。
器用に動ける小学生たちは、この運動を楽しそうにやってくれます。
ここではさらに『支える』感覚をつないでいって、とび箱上で肩に体重を乗せてみます。
もっともっとしっかりとおしりが持ち上がって、フワッとした感覚からのきり返しができるようになると……
ともこさんが「走ってとび箱が近づくと恐怖心がまし、踏み切り板に上がることで“できない”気持ちがMAXになり全くとびこめない。」と、はるきくんの気持ちや運動に共感していましたが、そんな感覚をやわらげる方法として見つけたのがこんな方法でした。
無理なく『支えて』おしり(腰)がフワッと浮き上がるようになれば、わかこさんの言うような「身構えさせず、うっかり○○しちゃったみたいな感じで……。」なんてデバイスにすることができるということです。
そして大事なことは、動感(運動の感覚)を想像しながら運動を創造するということです。
できない気持ちに共感して、同情するのではなく、その“できない”という感覚にあえて共感して、
子どもたちの“うんどう”を誘(いざな)ってみるのです。
できない感覚をもっているということを、あえて強みにしている柳川郁生でした。
だって体操のオリンピック選手は、逆上がりが上がらない感覚が分からないんですよ。
ぐるぐるって回くるくるっとひねれる選手たちは、
あの地面をいっしょうけんめい蹴っているつもりなのに、地球の重力に吸い寄せられてしまう、
あの屈辱的な感覚を知らないんですよ。
それを知っていることは指導者としてきっと大事なことだと信じています。
あくまでもそれは同情する気持ちではなく、共感し、共鳴することができる、
共振する運動の感覚なのです。
まだ無理に開脚とびをする必要はないけれど、フワッと跳べたときのあの感覚を発見してほしいなとねがっています。
なので無理に跳び箱をしなくてもいいようにと、とび箱のデバイスと並べて『走る』デバイスをつくっておきました。
まだ跳び箱に興味がなければ、別なことでもいいよということです。
でも軽快に『走る』感覚が分かってくると、勢いよくふみきり板に走りこめるようになったりします。
すると自然とフワッと浮き上がるような感覚が発見できたりするんですね。
これだって跳び箱につながるし、からだの前後や上下の感覚を自分を零点にして知覚する大切な感覚をつくってくれます。
運動学のなかでは運動感覚の発生において自己の運動感覚の「絶対零点」が私の身体にあることを大事にします。
つまり前とか後ろ、右とか左、上とか下という感覚の原点は知覚者自身の身体のなかにあるのです。
どっちが前で、どっちが後ろ、そんな単純に思えることも、自分の身体から意識してみると、
じつはこんなデバイスの中でとても意味のある現象が展開しているのです。
そしてシンプルに……こんなふうに『支え』ながら笑顔で見つめあえるようになれば、前回りや逆上がりなどへの展開も考えられるようになってきます。
でももっと鉄棒を楽しむ方法は別にあるかもしれないし、そんなところは頭を柔らかくして子どもたちの“ねがい”をきくことも忘れないようにしましょう。
ちょっと気持ちのスウィッチが入ると、みんないい感じでしたね。
そのあとの跳び箱でこんなふうにおしりが持ち上がって
側転で上手に立てないという感覚も、こんなふうに高いところからやってあし場を低くしてあげると、だんだん立つ感覚へと変化させることができたりします。
カッコいい見本を見せましたが、見本通りにやるのが大事なのではなく、ここでフワッと下り立つ感覚を体験することが大事なんです。
ここでは高くジャンプする物理的な効果を生みだすことだけがねらいではなく、
「「徒手伸長能力」:実在の皮膚からある「隔たり」をもち、運動志向性が密度濃く漂う外縁層に始まって、果ては、はるか遠く離れた対象物にまで及ぶ広範な現象野に関わる能力」
つまり自分の手先と風船に運動感覚のつながりをつくることを“ねがい”にしたデバイスです。
それによって届かなかった鉄棒にも、離れた手から感覚をつないで、とびつく前から鉄棒にぶら下がった感覚をもつことができるようになるのです。
そんなふうに感覚をつくっていくことができるようになれば、鉄棒や跳び箱など怖いって思っていた感覚を一瞬で変化させることができたりします。
だからいろいろ工夫をして、それがうまく伝わると嬉しいんですね。
「ナスは嫌い」って決めつけていた子に、「ほらこうしたらどう?」なんて料理してみて、
「あ!おいしい♡」なんて反応してもらえたら嬉しいですよね。
そんなことです(笑)
気がついたら鉄棒に手が届いて、こんなふうにスウィングしながらの笑顔を見られれば嬉しいですよね。
この一瞬を見逃さないで立ち会えることが、指導者たちの生きがいなんです。
はあ~(@_@)今回は自分でつくったデバイスだったのでつぶやきすぎました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
ようこさんは、イヤーな口出しをして反省なんて書いていましたが
けいすけくんの視線の先にはなにが見えているのかなんてことを
気づけるようになっているのではないでしょうか。
そんな“まなざし”がカルテのなかには書かれていますよ♡
「なにが見えているのかな?」なんて視点から子どもたちの“ねがい”を探ってみると面白そうですね。
ゆみこさんも“ため”なんていうこどもの感覚的な様子を読みとれるようになっているし、
まさえさんも“跳び乗るイメージができた”なんていう子どもの意識の中の様子を読みとっているような
そんなコメントが書かれています。
こんな気づきをしてくれるお母さんたちのコメントもとてもいいですね♡
そしてかよさんは、なかなかデバイスづくりのイメージが浮かばずに悩んでいるようですが、
まずはわが子がどんな運動を一番好きなのかを探ってみてください。
何回やったかという物理的(客観的)な探り方もありますが、
いちばんの笑顔が出た瞬間はどこだったのかなんていう直感的(主観的)な探り方をしてみてください。
なにができない、なにができたというような結果は後においといて、
わが子がいちばん楽しみにしてくれるメニューを想像してみれば、
少しずつ見つかってくるかもしれませんよ☆
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
どうだったのでしょう。
ちょっとした冒険心のような意欲が少し生まれてくれればいいかなと思っています。
どうだったかということは、これからの展開の様子に現れてくるのでしょうね。
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
だからといっていつもと変わらずというか、今回ちょっと違う展開にしてしまったので、またいつもに戻してのんびりできたらいいなと思っています。
そして最近幸せに思うこと……
それはお母さんと子どもたちが、なんとなく余韻を味わうようにすぐに帰らないこと♡
大学の授業でも、興味や満足感をもった学生は授業の後でなんとなく帰りそびれたりします。
そしてそんな学生に声をかけられると教員も嬉しくて、また話し込んでしまうのです。
そんな時間が教員にとってなによりも嬉しい時間だったりします。
「終わった、終わった~」なんて感じでさっさと学生たちが教室からいなくなってしまうと、
なんとも寂しいもんですよ(ToT)/~~~やっぱり授業が楽しくなかったんだ~なんて思ってしまいます。
ですから、さっさと帰る気分じゃないときは遠慮しないで余韻を楽しんでいってください。
学生たちがサークルに集まってくる18時くらいまでは大丈夫ですよ(^_-)-☆
……またまたこんな長ブログになってしまいました。
最後まで読んでいただけると嬉しいです<m(__)m>
土曜日(6月22日)からコツコツと手をつけていたのですが、
やっと今(25日20時40分)本格的につぶやきます。
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
前回の『うんどうのオフィスアワー』からのつながりで、『支える』感覚をとり入れたいということで、4つ足歩行でスタートします。
前にトンネルのデバイスがあればしっかり最後まで4つ足で進んでくれるかなと“ねがい”をこめてみました。
そして『支える』感覚をしっかりと残したまま……
このデバイスで『支えて』『跳び』ます☆
跳び箱の「開脚とび」や「閉脚とび」は、『支持跳躍技』といって『支えて・跳ぶ』技なんですよ。
さらに『支える』つながりで、こんなふうに鉄棒にのるのもあります。
この『支える』感覚が分かってくると……
無理やり前に倒して回すのではなく、しっかりと『支える』安心感をつくってあげてから、あとでゆっくり『回る』ことを体験できればいいんです♡
怖いのに前に倒れるから、余計に鉄棒が怖くて、痛くて、嫌いになってしまったりすることがあります。
さかさまになって『支える』感覚。
くるっとおなかの方へ『回る』感覚。
自分の手や肩の上にからだの体重をあずける感覚。
いろんな感覚が、いろんな運動に発展していきます。
そしてコーナーをサッと駆けぬけてもらえるよう、じつは創発の『うんどうの時間』登場したデバイスを再現しておきました。
くるくるっと楽しそうに走ってくれました。
そして最後は鉄棒にとびついて『振る』感覚のデバイスです。
しっかりと手を伸ばして鉄棒に感覚をつなげる『伸長化』がすべての子どもたちに現れはじめています。
自分の指の先にある感覚が、すっと自分の感覚と結びつくようになってきました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
こんな姿が見られるようになってきました。
みごとにつながりあっている感じです☆☆☆
こんな世界を
どんどん広げていくのが、
この『うんどうのオフィスアワー』の
“ねがい”です。
難しく感じるお母さんもいるかと思います。
でも考えてみてください。
5年後、10年後のわが子と、こんな感覚的なつながり(共感)をもてるでしょうか。
そう考えるとこれはわが子がまだまだ子どものうちにつながっておかないと、
どんどん難しくなってしまうのではないでしょうか。
だからこの『うんどうのオフィスアワー』では子どもはなるべく大人にしないようにしたいと思っています。
河合隼雄 は「子どもの宇宙」のなかで
“大人たちは小さい子どもを早く大きくしようと焦るあまり、子どもたちのなかにある広大な宇宙を歪曲してしまったり、回復困難なほどに破壊したりする。”
と語っています。
金子明友は「わざの伝承」のなかで
“乳幼児が独り歩きに成功して手を自由にし、ホモサピエンスへの足掛かりを獲得したのを見届けると、その母親の関心は、わが子の運動発生への愛のまなざしをあっさりと捨て去り、うって代わって言語発達へ急展開する。”
と述べています。
ようするに慌てないでもいいんですよ。
お母さん(お父さん)はもっともっと子どもとしてわが子をかわいがった方がいいんじゃない♡ということです。
実際柳川郁生も、わが子に対して常に「大きくならなくていいよ~」と言い続けています。
だからお母さんたち(そしてたまに来るお父さんたち)は、
子どもの目線や感覚にちかづいてみたり
子どもと手をつなぎ合ってみたり……
そうすることでだんだんと子どもたちの感覚にまた近づいていってはどうでしょう。
するとだんだんとまた子どもたちの運動の感覚に共感が生まれてきます。
わが子がニコッとした表情を浮かべたころの幸せや、コロンと寝返りを打ち始めたころの感覚、
偶然踏みだした最初の一歩の喜び、一つ一つの運動の発生が幸せを感じさせてくれたのではないでしょうか。
そんなことを考えながら柳川郁生は『うんどうのオフィスアワー』を展開しています。
そしてそんな思いや感覚を思い出すと、やがて子どもたちの“うんどう”に共鳴できるようになります。
そのためには『まなざしカルテ』を書き続けてみてください。
少しずつ少しずつ、なにも見えないと思っている状態からちょっとずつぼんやりと、
なにかが見えはじめてくるはずです。
子どもが動いていることに安心せず、なにを楽しいと思って、どんな運動に夢中になって、
いつ気持ちの変化が表情に現れたのか、いろんなことを見つけてみてください。
だからこの『うんどうのオフィスアワー』の時間は、子どもは子どものままでいいんです。
ここのところが大事です。
一人でできる。
お母さんがみていなくても大丈夫。
だったら運動教室に入れましょう。
この時間でなくても大丈夫です♡
この『うんどうのオフィスアワー』の時間は、お母さんたちと子どもたちの“うんどう”の時間です。
ぜひ愛の“まなざし”を捨てずに、はやく大人にしないよう、ゆったりと“うんどう”と向きあっていきましょう♡
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
気がつけばもくもくと“うんどう”に向きあっているほし組の子どもたちです。
なんとなくこの場ですることが分かってきましたね。
まだ自分のおきどころが見つけられない子もいますが、それも正解(あっている)と思います。
違和感のようなものを感じるということは、とても大事なことです。
雰囲気に対する違和感もそうですが、
自分の運動感覚の中に発生する違和感を感じとるということは、
それが感性化する感覚の第一歩であったりします。
「おや?」「あれ?」「なんかイヤだ×」そんな感覚が起きたときに、
お母さんはいっしょに想像してみてください。
「どうしてだろう?」「そうかもしれないね」「本当だ!」
そうやって同じ違和感を感じられるようになったらスゴイですよ☆
まずはじっくりと、1年かけて、2年かけて、3年かけてこども芸大を卒業していってください。
でもきっと、大きくなってこども芸大を卒業するのが嫌になっているかもしれませんよ♡
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
お母さんたちのいろんな“まなざし”に影響されて、なんだかまたあやしい“つぶやき”をしてしまいました。
思うがままに“つぶやいた”ので、うまく伝わるか心配ですが、またいろいろと聞いていただいて、
長い時間と年月の展開の中で理解してもらえると嬉しいです。
で、次回ですが、
わが家の次男坊(りょうま)を連れて参加しようかと思っています。
だいち組の子どもとお母さんたちの想像力を、ちょっとだけひろげられたらと思っています。
なんか得意げになってやるかもしれないし、照れちゃうかもしれないし、
でも子どもたちの中に「あ、あんなこともやってみたいな」とか、
お母さんたちの中に「あ~、あれも楽しいかも」なんてことが生まれてきたらいいかもしれないと思っています。
たいよう組や、ほし組の子どもたちにとってははた迷惑かもしれませんが、
1年後、2年後に思いを描いてみてください。
今じゃなくていいんです!ずっとずっと先です!!
※それから、『まなざしカルテ』の提出必ずお願いしますね♡
この時間にとって、愛の“まなざし”をつくるために
絶対必要なものですから♡☆♡
……あ~見直しているときりがない(+o+)
もうすでに22時45分(@_@)いい加減にして帰ります(ToT)/~~~
また次回よろしくお願いします。
6月18日に共通演習「芸術と子ども」の授業で、
学生たちが企画したこども芸大の子どもたちへのうんどうのワークショップが展開されました。
その時の学生(高木唯さん)の感想を、みなさんへお伝えしたいと思います。
学生たちがどんな優しい気持ちと、あたたかい愛情をもって、
子どもたちの“うんどう”を展開していったのか……そんな“ねがい”がうまく伝わるといいのですが。
この日のテーマは
「山のおさるさん」
世界観について
前回よりも良く伝わっていた。世界観自体は物語の登場人物を踏まえたものから、山にいる猿になった。前回は物語の設定や世界観までもともとあるものから理解しなければならなかった。しかし今回は誰でも知っている猿という生物の一般的なイメージを持ってきた。だから上手くいったのだ。
猿になった理由として、第一回のワークショップで子どもたちがある学生を猿というキャラクターとして見ていたからだ。もともと子どもたちが作り出したものをそのまま使うことで、よりスムーズに世界を構築することができると考えた。
デバイスについて
(注:ここにこめた“ねがい”が大事だと思っています)
① 跳ぶ:ロイター板とマット
山を模したデバイス。少しずつ高く設置されていくロイター板四枚を跳んで進み、マットの敷かれたステージ台に跳び乗って坂を転がり落ちる。
ステージ台に跳び乗るには少し高すぎたようだ。なんとかよじ登るといった風な子どもがほとんどだった。しかしその少し難しいことが子どもたちにはちょうど良かったように思える。
どうにかしてステージ台に跳び乗ろうと、ロイター板の上で何度もジャンプしていた子どもがいた。最初はあまり高く跳べなかったのがどんどん高く跳べるようになっていく様を見れた。身体の動きはひざが曲がるようになっていき、足首が滑らかに動くようになっていっていた。結局跳び乗ることは叶わなかったが、その過程を見ることができたのは十分な収穫である。
②支える:鉄棒
谷を模したデバイス。鉄棒にぶら下がって谷を越えて行く。
恐怖心が強く出ていた子どもも多く見られた。しかし先生の補助でなんとか進むことが出来ていた。
前のデバイスで、跳び乗る動きだったのが今度は鉄棒に跳びつく動きになっている。跳ぶときにロイター板で行ったようにひざを曲げ、思い切り上に伸びることが必要になるのがこのデバイスだ。その点において関連性がありしかもそれが上手く機能していたと思う。
跳びつくことと向こうの岸に跳び降りることの二つが難関だったようだ。特に後者は難しく、恐怖の穴に落ちてしまうとずっと鉄棒にぶら下がっているしかなくなる。そのときに先生が子どもの横に立って、手を添えて補助してくださった。あくまで子どもたちのタイミングに合わせて寄り添うだけで決して強引にならないところをちゃんと私たちも実行していかなければならないと感じた。
③走る:マットとコーン
花を模したデバイス。まるく並べられたマットとコーンの周りを走る。
複数の子どもたちが一緒になって回って走っていたことが印象的だった。このデバイスでは複数でのコミュニケーションが行われればいいというねがいがあったので達成されたことになる。
マットの厚みでころんでしまう子どもがいた。その厚みを自分のリズムで避けながら走ってほしいと思っていたがいざそうなって泣かれてしまうと申し訳なく感じてしまう。しかしすぐに泣き止み元気に次のデバイスへ走って行ったので救われた思いだ。
走るときぐるぐると回るうちにスピードがでてきて楽しそうだった。ただ、上体が傾く様子を私は見れなかったので悔しい。
④支える(回る):棒
木を模したデバイス。棒につかまって身体を支えながら周り、また別の棒を目指して走る。
子どもたちがぶつかり合う可能性を危惧していたが、鉄棒のデバイスでかなり時間がかかり順番待ちの子どもが多くできていたのでそのような事態にはならなかった。事前に色々な可能性とその対策を考えることができたのは学生の成長である。
棒をつかみ身体を支えながら回って走る動きはあまり見られなかった。棒に辿り着いた時点で失速して、触りながら一周することがほとんどだった。ねらいの達成にはならなかったが、走る動きにバリエーションができたので失敗とは言えない。
⑤支える:ろくぼく
バナナを模したデバイス。ろくぼくに登ってタンバリンに貼付けられたバナナにタッチする。
バナナを五つ用意してそれぞれが異なる高さになるように設置した。この工夫は前回のボールのデバイスの反省を踏まえて生まれたものである。同じもので難易度のバリエーションをつけたのだ。さらに全てのバナナに必ず触らなければならないということは一切せずに、むしろ触りたいものだけ触ればいいというスタンスも良かった。子どもたちの選択に任せるということまで考えることができた。
バナナに触るとき、片方の腕をろくぼくから離す必要がある。そうなるともう一方の腕と両脚だけで身体をささえなくてはいけない。そしてバナナに向かって大きく腕を伸ばすことがちゃんと行われていた。触れてからはろくぼくに登ったまま横に移動して次のバナナに向かうこともできていた。前回もろくぼくに登っての横の移動があったが、あまりにも流れがつまってしまったので急遽無くした。しかし今回はひとつのデバイスに時間をかけるという考えがあったので問題なく、前回のねがいが持ち越して叶えられたと言っていいだろう。
まとめ
今回はデバイスの数を減らしてひとつひとつじっくりとうんどうをする方向で作った。その結果疾走感はさほど無かったが、より自分の身体とうんどうの関連性を感じられたものになったように思う。周を重ねるごとに少しずつではあるが確実にできるようになっていけて、子どもたちも飽きずにうんどうをしてくれた。
けんかやころんで泣き出してしまう子どもが多く出た。そこでの先生の対応は今後の人生で生かそうと思う。けんかで頭ごなしに一方を怒らない、なぜなら子どもはちゃんと理由があって行動するからだということを聞いて、確かにそうだしかし自分ひとりではその考えに至れなかったと感じた。
次回はそうさくグループとの合同ワークショップだ。どのようなものになるのか想像もつかないが、この二回の体験を生かして成功させたい。
柳川郁生より
こんなうんどうのワークショップを、こんなストーリの元、展開していったのでした。
あくまでも“うんどう”に一番の“ねがい”をこめて、しかしそれを伝えやすくするために、
そして子どもたちと学生たちが共有しやすいように、こんなストーリーができあがっていました。
『山のおさるさん』
おさるさんになって、山へ行こう!
リズミカルに登って、ジャンプ!
わわっ、転がり落ちちゃった
谷が見えるぞ
ひょいひょいと跳び越えちゃおう♪
最後は段差を跳びおりちゃえ♪
あそこにいるのはボスざるだ!
一緒に走ろう!
ぐるぐる木につかまって走り回ったその先には
なんとなんと、バナナがたくさん!
よじのぼってタッチしよう♪
どうかな、楽しかったかな?
また一緒に遊ぼうね!
柳川郁生より
こんなふうに学生たちが思いをよせて、子どもたちの“うんどう”のワークショップを展開しました。
そのために一つ一つのデバイスに“ねがい”をこめながら、丹念に想像し、丹念に創造していきました。
一つ一つのデバイスはほんとうにしっかりと、何度も学生たちによって味見をくり返され、
より楽しい、より気持ちいいものになるよう工夫されていきました。
意外とシンプルなように見えて、
じつはいろんなことを試したうえでのシンプルなデバイスとなった今回の『うんどうの時間』でした(^_-)-☆
そんな取り組みをすることができた学生たちだからこそ、
子どもたちの笑顔と歓声を嬉しく受けとめることができました♡
……この“うんどう”の世界を、またみんなでつないでいきましょう(@^^)/~~~
今年度6回目の「うんどうのオフィスアワー」でした。
毎回たくさんのお母さんと子どもたちに参加してもらい、嬉しく思っています。
……忙しい日々に、
いつか開店休業状態になったら終わりにしたいな……なんて思っているのですが、
楽しみに参加してくれる子どもたちの笑顔と、お母さんたちの理解があると、
調子に乗ってやめられなくなってしまう柳川郁生です☆
なのでまたお母さんたちからのまなざしカルテを読ませていただいて、つぶやきます。
おかげさまでたくさんの『まなざしカルテ』を読み込むのに1時間近くかかってしまっています(-_-;)
でも、嬉しいコメント、嬉しい発見、ちょっとずつちょっとずつ見えてくる幸せの予感がそこにはあります。
きっときっとそれが、もっともっと広がってくると思います。
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
最初につくられていたのが、
坂をかけあがって
ダイナミックに跳べるよう、正面に鏡を置く工夫をしていました。
ゆきこさんのコメントでは、ほし組の子どもたちも楽しめるよう少しコンパクトにしたそうです。
おかげでたくさんのほし組のお母さんたちからの“まなざし”に、「さっきは少しコワかったたけど、今はコワくない、おもしろいよー」(まちちゃん)なんていうのや、「ジャンプの時、鏡を見ながら跳ぶ余裕がでてきたようで、うでをあげてジャンプしたり、正面を見ながら笑顔でジャンプしたりできるようになりました。
今日は高さが低めだったからかな?」(ふみこさん)なんて気づきのコメントもありました。
よかったですね♡
お母さんたちのデバイスにこめた“ねがい”が、
ほし組の子どもたちとお母さんたちにも伝わっていたということです♡
跳び箱が置かれていました。
このデバイスは『跳ぶ』?、それとも『支える』?、どっちかなと思ったら
そのあとに畳を積んでさらに『跳ぶ』ことをねがったデバイスをつくっていたのですが、うまく子どもたちが気づいてくれなかったので、
着地面を受ける斜面にして、気持ちよく『跳べる』ようにしました。
平らな床へ跳び下りるより、こうやって受けたかたちの斜面があると、高く、遠くへ跳べたりします☆
下りる時もこんなにダイナミックなジャンプをしてくれました☆☆☆
これも実は着地面が受けるかたちになっています。
フープとふみきり板を使って、ピョンピョンと連続で『跳ぶ』デバイスがつくってありました。
出口のところはロープを跳びこえて大きなジャンプになるようにしてありましたが、ほとんどのデバイスが足を使うものばかりだったので、あえて鉄棒を置きました。
これでもっと伸びあがるような『跳ぶ』感覚を体験してほしいと願ったからです♡
次には、どんなふうに動いてくれるかなと期待しつつこんなふうにフープをならべてみると、
そしてこんなふうにロープを跳びこえるデバイスで一周ができていました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
じつは、なんとなく子どもたちの慣れとお母さんたちの安心感から、
少しお母さんと子どもの間に距離が生まれ始めたなと思ったので、
あえて手をつなぐデバイスをつくってみました。
ちょっと高かったり、ちょっと届かなかったり、ちょっと広かったり、
そうすることでおせっかいにも親子の距離を縮めようとしました。
なぜならここは『うんどうのオフィスアワー』だからです!
なるべくここでは子どもたちを子どものままで“うんどう”の世界を楽しんでほしいと思っているからです。
子どもたちが自立をして取り組む運動教室はここでは展開しません。
こやって手をつないで“うんどう”をすることで感覚的なつながり(理解)が生まれて、なみえさんのように「鏡に気づく前は小さくかがんでからジャンプしていたのに、鏡にうつる自分を見るようになったら、しんこきゅうするように大きく腕を広げ、胸をはって飛んでいる感覚を感じているような動きに変わり、鏡のないところでも一度止まって自分の姿勢をつくって、飛んでいました。」
なんて書かれているように、こうきくんのうごきを見事に“ことば”でスケッチして、その視線や感覚まで感じとることができるようになってくるのだと思います。
そんなことをさきこさんのコメントのように、「どうしたら跳ぶ楽しさがわかるかなあ。」「まず、しっかりと支えてるよと安心させるところから始めるのかな。」なんて想像していって、子どもたちに楽しさを伝えていければいいですね。
なんかそんな“まなざし”が、
ほし組のお母さんたちの中にも生まれはじめましたよ♡♡♡
いいと思いませんか(^_-)-☆
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
見てください!この子どもたちの生き生きとした様子。
これは高いところ(○○センチメートル)から跳び下りているからですか?
これはひろい間隔(○○センチメートル)のフープを跳んでいるからですか?
そんな物理的な視点(客観)で見ているのではなく、
なんか見た目(主観)で見て楽しそうだったり、嬉しそうだったりするのが分かりますよね!
それがこの『うんどうのオフィスアワー』にとって大事な“まなざし”で、
そこから子どもたちの“うんどう”のいいところがたくさん見つかってくると思います。
お母さんと手をつないだり、鉄棒に手を伸ばしたり、ハイタッチをしたり、四つん這いになってトンネルをくぐったり、坂道を登ったり、そんなことから手足の協応性が生まれて、からだのすべてとすべてのからだを使った“うんどう”が生まれてくるのです。
今この二人の動きにとって、ひじの曲げ具合、人差し指の立ち具合、手首の脱力具合、すべてが自然だと思いませんか。
こんなふうに子どもたちの“うんどう”をとらえてみると、
もっともっと子どもたちの変化にも気づけるようになってきますよ。
きっと1年、2年、3年とかかるかもしれませんが、
子どもたちの成長においていかれないようそばにいてみてください。
「やっと一人でできるようになった。」というのは、
成長した子どもにおいていかれたことかもしれません。
そのヨロコビはもっともっと先にとっておきましょう♡
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
子どもたちのそばにいてください。
子どもたちが好きなこと、楽しいことがなんなのか、観察してみてください。
そしてお母さんが願うことがなんなのか、想像してみてください。
でんぐり返しから次の楽しさを見つけるためには……。
どんなことをしたらいいのかな……。
なんて想像しながらいっしょにデバイスづくりをしましょう。
遠慮しないで相談してください。
そのためにこの『うんどうのオフィスアワー』の時間に柳川郁生は体育館にいます。
それがオフィスアワーです☆
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