松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
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2013-10-11

長い取り組み(フィールドワーク+プロジェクト+進路開拓)

 フィールドワークは、個別の関心に応じて、引率支援したり、そこからプロジェクト活動(アートを活かしたコトづくり)を展開したり、さらに、それを通して、自分の進路を切り開いていったりすることまでを、長いスパンで行っています。現在、私が直接、応援指導しているのは、7人くらいですが、取り組みや活動者はどんどん変わります。

 写真は、今年3月に、日本こどもの安全教育総合研究所理事長の宮田先生からの依頼で、アヤカさんと宮田先生と、岩手県山田町を訪問した時の沿岸部の風景です。

 この時の聞き取りをもとに、アヤカさんは、宮田先生と連日、メールのやりとりによって、カミシバイ制作にとりかかっています。

 夏には、宮田先生とサヤカさんが、約2カ月くらいかけてメールでのやりとりによって、子どもの防犯のカミシバイづくりを行い、その後、絵本づくりにも展開していくためのやりとりを、今、宮田先生と私は行っています。(もともと絵本化ははじめからはないことで、出版社に提案して、新たなコトとしてつくり出しました)。

 大人の人とのメールのやりとりを通して、りっぱにコミュニケーションができてきます。それを通して、相手が満足する絵を何度も修正しながらつくりあげていく作業は、美術を社会に活かす活動になっています。個人の作家としての作品づくりを探究する場合は、最後まで個人の制作プロセスになりますが、多くの学生が会社などへの就職を希望しているので、社会で行われている共同活動の中で、相手のニーズをくみ取りながら自分の感性も活かし、共同作業の中で自分も磨き高めていくことを学ぶことが必要になります。

 もともと、2人は、高校で美術をしてきてデッサン力などの素地があるので、それを活かして、プロジェクト学習で社会的なコミュニケーション力を磨いて、その中で自分の美術を伸ばしています。それは、運動だったり、メカニックなものづくりだったり、ボランティア活動だったり、自分の得意な分野で、それぞれ活かすことができます。

 総合美術コースの入り口が、美術部生だけでなく、普通高校や他のどんな分野からも入ることができるようにしている理由の一つは、ここにあります。

 それぞれ、2人は、カミシバイの原画をつくったら終わりではなく、自分の名前が絵の作者名として出ますので、自分の絵のカミシバイで、実際に、子どもの現場で、カミシバイ・ワークショップを実践してみることまでを相談しています。そして、そこから自分の進路が開拓したい場合には、さらに積極的に展開したり、アピールしていくこともできます。

 

 ちなみに、カミシバイも、オリガミと同じように、国際語です。終戦直後、アメリカ軍が、日本の路上で子どもたちがカミシバイに夢中になっている様子をみて、kamishibai と本国に報告したそうです。

 

 子どもの安全を伝えるカミシバイは、世界に普遍的ですので、英語訳や各国語訳もなって、カミシバイワークショップも、世界に広がることまでめざしたいものです。

 

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