ふ力というと、浮力の発音が浮かびますが、ここでは、麩力を提案します。
麩は、みなさんは好きですか?
小麦粉からとり出したタンパク質を含むグルテンと、小麦粉で作られたものです。
焼き麩は、いろいろな和食に用いられます。
麩の最大の特徴は、何だろう?
と考えてみると、それ自体は、特に焼き麩になると、まったく味もない、というものです。
大豆からつくる豆腐も似ていますが、豆腐の場合は、それでも、それぞれ風味が出ています。
粉になった原料でつくって焼いた麩は、まったく味もそっけもありません。
逆に、自分本体が、空のように味がない乾いたものなので、他の味のある水分(料理)をみな吸い取って、その味の食材に化けるという、まったく独自の個性があります。
つまり、麩の力とは、吸収力と変容力と言えるでしょう。
麩自体に味つけして麩の料理をしようと、一般にされていますが、そのような麩の特性をとらえると、
わざわざ麩の料理というものをする必要もなく、すべての水分ある料理に添えるだけでいいという食べ方ができます。
フランス料理では、吟味したソースを最後まで味わうためにも、フランスパンが添えられています。
フランスパンと麩は、どちらも小麦粉が主原料ですが、単独で食べれば、フランスパンが勝ります。
なぜなら、バターや塩、砂糖など、いろいろなものを入れて、すでにそれ自体に食味があるようにしているからです。
ですから、おいしいですが、カロリーはあるので、食べすぎれば太りますね。
一方、麩は、味もそっけもなく、フランスパンと同じように食べても太りません。
和食のみならず、スープ、シチュー、フランス料理、味を濃厚に工夫した水分ある料理であれば、それらすべてに、
「fu プリーズ」 と添えれば、より、満足感を得る食事になるかもしれませんね。
ある食品、商品を売ろうとする場合、その商品自体をあれこれいじる場合と、もう一つ、その商品が成り立つ関係に着目して、その関係性や環境自体を新たに提案して普及させるという、方法があると思います。
絵でいえば、対象となる図をいじるのか、背景となる地をいじるのか、ということです。
ちなみに、中華スープに麩、コーンスープに麩も、合いました。
山形市にある麩をつくっている会社のHPに、麩アート という作品が紹介されていたので、興味がわいて、工場見学の訪問してきました。
明治創業の鈴木製麩所さんです。JRの踏切を渡って、丸十醤油、男山酒造、出羽桜酒造 と、このあたりには、日本伝統の食の会社がありますが、うかがうと、こちらの鈴木製麩さんも、蔵王から流れる地下130mの水流を使っているそうです。
むかしは、近くにどっこん水も出ていたそうです。
十日町から八日町、鉄砲町周辺には、豆腐屋さんも、何店かありますが、それも、かつての水の立地によるものだったのでしょうか。
麩アートは、もともと、活け花の先生が用いたのだそうです。現在、作品はありませんでしたが、いろいろな活用のアイデアはありそうです。
麩は、小麦粉からとったタンパク質で栄養価の高いグルテンを主としてつくられています。ヘルシー食品です。
全国各地に、いろいろな形状の麩があるそうですが、山形内陸は、中が空洞になっている車麩が特徴だそうです。
グルテンは、手にべたつかず、まるで、スライムのような感じで、のびます。
車麩のつくり方は? 長い棒に、最初は小麦粉を巻きつけて焼き、次に、その上に、グルテン:小麦粉=10:6の生地をまきつけて、再度焼きます。
すると、グルテンが熱でふくらんで、車麩ができます。
なんと長い。表面は、まるで、フランスパンのようです。
焼きたて、アツアツのをいただきましたが、実にこおばしく、さらっと口からのどに入りました。パンのように、いろいろ入っていないので、淡白な味です。
普通は、煮物などに入れる食材ですが、フランスパンのように、焼いてバターをつけてもおいしいと常務さんが話されたので、さっそく試してみました。
これは、「太らないパン」! という感じです。
車麩って、こんな風にしてつくられるのを知っていましたか?
私たちは、スーパーなどで買うものが、どのようにしてつくられているのか、ほとんど知らずに、ただ買っています。
しかし、特に、食、その中でも、日本の伝統の食くらいは、製造過程も知りたいものですね。
車麩が作られる光景。写真と文よりも、手描きの絵と文のほうが、親しみと描き手の思いが込められますね。
だれか、車麩ができる様子をスケッチしてみたい人はいませんか?
美術が社会に役立つことは、いろいろありそうですね。
体を動かすと、甘いものが一層美味に感じます。甘いものの代表は、洋風はチョコレート、和風はあんこでしょうか。チョコレートの原料のカカオ豆は、熱帯の作物です。それがヨーロッパ文明の菓子になることができたのは、カカオ豆の産地の熱帯地域を植民地支配したからです。
それに比べると、あんこの原料の大豆には、そのような他国の植民地支配の悲しい歴史を感じません。かつての農家では、米とともに家々で大豆も植えていたのではないかと思います。
和風の甘味文化も、これから世界にさらに広げることができるのではないでしょうか。
ショコラティエ(チョコレート専門職人)に対して、アズキティエもいていいと思いますが。
それには、アズキのさらなる表現の豊かさが必要ですね。
新たな社会や、新たな時代や、新たな文化は、新たな仕事・職業が次々生まれることによってつくられます。
40年前の正月は、もちは近所の米屋さんに、のしもちを注文して、切って、雑煮やあんこもちなど、なくまるまで、もちを食べて。正月は、どこの店もしまって、のどかでした。
今は、大晦日の夜まで店は開き、翌日の元旦から初売りです。
おせちも、人間文化の化石化した儀礼のようなものかもしれません。元旦から、ファーストフードやラーメン屋が満員なのですから。
それだったら、おせちやもちにとらわれずに、新たな素材で、家での手づくり文化をつくったほうが創造的かもしれません。
お菓子は、なくてもいいものかもしれませんが、そこにこそ、何か人間らしさがあります。その第一は、自分のためよりも人のためとか、他者の姿がそこにある食だからです。
カンバセーショナル・フード(会話性食)と言えるでしょう。
手づくり菓子持ち寄りコミュニティが、今年は増えるように思います。
キャラメル・ロールケーキ…
元旦の大手新聞各社を読み、一番、印象に残ったのは、日本経済新聞の「C世代駆ける」。
それを参考に、これから若い世代がこれまでの秩序の枠にとらわれずに(特に高齢者が組織社会にいつまでも留まる日本では、若者が入る余地が少ないので、それとは異なる全く新たな次元の世界をつくることに向かったほうがいい)、
コンピュータ、コミュニケーション、コラボレーション、コミュニティ、クリエーションを基本原子にする社会(C社会)をつくるには?
案外、一番楽しく実現する試みの方法の一つには、手づくりケーキ(HMC)が、効果的かもしれないかなあ、と、目の前で年末年始に、それを見ながら、味わいながら思っています。
リンゴとワインのブレンドもよく…
山形は冬支度。でも、食卓には欠かせない「箸休め」として、冷たい漬物があります。
もし、このおまけの脇役の漬物しかなかったら?
漬物は、うまみ成分がすでに含まれています。
それを肉といっしょにフライパンでいためるだけで、温かい主菜に変身します。
それが残ったら、片栗粉を入れてスープにすることもできます。
脇役の冷たいものも、ちょっと手を加えることで、温かい主役に変容するのかあ、と食卓で哲学的思考をしました。
みなさんが、食卓で哲学したこともぜひ、聞きたいものです。
dagashiyamatsuda@gmail.com
このブログのアクセスがおかげさまで、1日1000件を超えて、さらに、地方と東京、企業と行政、社会人と学生、社会教育と他の部署、芸術と産業、だがしや楽校と講座、など、いろいろな切り口から、みなさんご覧くださっていることに感謝します。
今日の提案は、来年度の事業計画作成が、それぞれのご担当で始まっていることと思いますが、より多方面のみなさんに関わることができる包括的で総合的な次世代型の日本にあったらいい事業案を提案します。
夜の食卓に出た、アケビを食べながら考えたことです。
実が熟すと開くことから呼ばれているそうですが、みなさんは、アケビは食べるでしょうか?
山形以外の方は、中味を食べて皮を捨て、山形の人は、中味を捨てて皮を食べるのですが、本当なのでしょうか?
中味をとって、マイタケなども入った肉みそをつめたアケビを食べながら、あらためて山形の暮らしを感じましたが、これだけでは、地方の食生活なので、産業にはなりません。
食後に、アケビの中味を食べてみましたが、何とも種が多いものです。この甘さは、デザートかスイーツにできれば、セットで、アケビの食堂になります。
でも、食だけでは、まだ足りません。
今日の朝、賢治の駄菓子屋で、前田さんが、山のアケビをとってくれましたが、とすれば、アケビのつるもたくさんあるはずです。
杉並区や世田谷区などの講座のみなさんの中で、アケビつる細工をしてみたい方はいらっしゃるでしょうか?
もし、挑戦してみたい方がいらっしゃれば、素材を持っていきますよ。
山のつるで編んだバッグなどは、手間ひまがかかり、つくれる人も少ないので、大変高価です。しかも、これまでは、山の農家の方が冬の手仕事でつくっていただけなので、買ってくれる方とつながるマーケット(モノの生産から消費までのつながり)ができていませんでした。
そうしているうちに、山ではつくる人もどんどんいなくなってしまいました。
一方、都会には、どんどん増える退職者の方や子育ての終わった女性の方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、都会にないのは、素材としてのモノです。都会にあふれているのは、完成されてお金で買うだけの商品になったモノばかりです。ゆえに、ただ、お金を出して完成品を買うしかありません。
もし、都会に、素材のモノを、つくることをもお互いに学びながらかつ、コミュニティをつくったりしていくような生涯学習の成人講座に、持ち込めば、企業による生産とは異なるような、新たな生産活動が生まれます。
しかし、そのような一方通行は成立しません。それによって、素材を提供してくれる地方の方も、ありがたいと思うようなことを、都会の人も何か考えて、持続可能な相互交流の関係性のシステムができれば、それが成り立ちます。
地方にとっての最大の課題は、人口流出です。地方にいても、若者が仕事をしていくことができるようになること。
その成否は、その地方の人たちで自己完結して実現なることはありません。むしろ、それを実現可能にさせてくれる可能性は、都会の方の関わり方づくりにあります。
今日の食卓のアケビという一つのモノを、かつての稲作・ワラ文化のように、食と衣住、食と工業など、総合的に活用できるようにすること。
さらに、例えば、東京の講座の方は、アケビとりに来ませんか? ついでにいろんな地元ならではの体験も案内します。
と、いうように、通常の観光ではなく、人と人が学習講座を通して、新たなコミュニティとして信頼関係をつくって、観光にも行くことができ、地方の人も東京に観光に行くことができるような、ずっとつきあえるような、相互交流。
さらに、都市の講座の方々が、地方でつくられたモノ(食や衣住など総合的に)を、どんどん紹介して、東京での売り場を開拓してくれること。マーケット開拓学習。そして、市民ブランドづくり。
そんな風に、考えていくと、長々と書いてしまいましたが、
まとめると、
都市と地方の住民の成人学習講座を活用した交流による、総合的な産業創出事業は、これまでの企業だけの経済活動の限界を超える(世界経済の今を見てみれば、だれもが感じます)、新たな社会づくりの方法になっていくと、私は考えています。
来年度の事業計画づくりの参考になれば幸いです。
具体的には、みなさんの実情に応じて、具体的な計画案づくりのお手伝いをいたしますよ。
この歳になると、山の幸のきどさがうまく感じますねえ。
大学は今日まで開いて、明日から1週間お盆休みで閉館です。今日の学食のランチに、総合美術コースの準備室にいただいていたスイカ「結夏」を提供しました。
このスイカ、本当にシャリッとします。雑草とともに生き生き育ったからなのでしょうか?
スイカの説明文案は、これから、箱に貼るために、どのようにデザインするか、来年に向けて、さらに創造と付加価値を生み出していきます。(今日の掲示用のレイアウトは、副手の齋藤君がさっと手早くしてくれました)
昨日の夜、総合美術コースが段取りした展示会の打ち上げに、前日いただいてきたスイカが登場しました。
そのまま切ったスイカ、学生たちが自分たちでつくったスイカパンチ、そして、お菓子屋さんが、この結夏のスイカでつくってきてくださった試作のお菓子5種類!
これらは、スイカそのものにしても、自然になったわけではなく、農家の方のご苦労の賜物です。すべてに、それぞれに、人の手が加わっています。
さて、みなさんは、どうでしたでしょうか?
昨日のブログで掲載した、スイカ販売のお知らせ。いろいろなところから、藤井さんに連絡問い合わせがあったそうです。来年度に向けて、東京の大手デパートから見本送ってくれ、被災地支援に使いたい、…。いろいろ、反応ありがとうございます。
私は、お盆休みの16日を予定にスイカドームに、現地販売状況調査にフィールドワークに行ってみたいと思っています。
夏が終われば、スイカの季節も終わります。そのあとは?
保存加工しておくスイカの果汁を使った、スイカスイーツが、いつ、どんな形ででるか。これからのお楽しみです。
試食した学生の意見・アイディアは、お菓子屋さんに、メールで送り、今後、やりとりしながら、お菓子づくりも、楽しみにしています。
柴田さん、どの菓子も実に美味でした。商品化なるのは、どんなものでしょうかねえ。
スイカの酸味というのも感じるんですね。
アンズは生で食べてもぱっとしません。
長野のアンズを買ってきて、こんな風に切ると。
ぱっ、と割れるよと、発見したのだそうです。
アボガドと同じように。
砂糖を入れて、ぐつぐつ煮て、あくをすくいながら。
クエン酸も入れて。
何とも、甘酸っぱい、くんと香るアンズジャムができました。
つくってくれるのは、ジャムおばさん(妻)です。
手づくりのアンズジャムを、手づくりのヨーグルトにかければ、最も純粋なデザートの一品。
と、思っていました。市販の保存料が入っているジャムよりは自然で美味ですし、生乳の価格ランクは、飲む牛乳用が一番。次に、ヨーグルト用。次がチーズ用なのだそうです。それで言えば、市販のヨーグルトより、自宅で牛乳からつくったヨーグルトのほうがよりよいとなります。
しかし、ここからさらに考えていくと、問題がどんどん先に浮かんできます。
そもそも、果樹は、最も農薬をかけるのだそうです。農薬だけを飲む人はいないし、それは有毒です。牛乳も、牛が食べるワラが放射能に汚染されていたら。今、それが問題になっていますが。
密かに、ふつふつと思いが浮かんでいることは、人間の口に入るものでよいものを用いて、植物や動物を栽培・飼育する循環はできないか、人間が食べれないものではなく。人間の体内にもよい発酵の微生物で、人間が食べる植物や動物を育てる、共生のあり方です。理学の研究者でもありませんが、一人の地球人として、実験していこうと思います。みなさんの中でも、実験してみる方は、情報交換お願いします。
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