松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
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2013-10-14

手づくりでイラストマップの看板つくりたい

 リンゴの産地で有名な、朝日町和合地区の公民館にマリコさんと調査に行ってきました。いろいろな品種のリンゴの収穫が始まり、ここで、生産者による直売、週末ネコトラ市が始まっていました。

 公民館入り口には、手づくり看板があり、地元の小学4年生、6年生の女の子も遊びに来て、裏紙に絵を描いていました。

 役場の若手職員ものぞきに来てくれて、話を聞くと、何と、ここの地区の人たちは、8年間も、自分たちで地域づくりのワークショップを続けているのだそうです。今回、地区の看板の図案を描いてくれないか、という相談依頼を受けて、まず、訪問したのですが、よく聞いてみると、絵ではなく、地区を紹介する手づくりマップを描いて欲しいとのこと。しかも、実際に、看板制作して看板に描くのは、自分たちでするとのことです。

 町でも、町内各地に共通の看板サインを設置中なのですが、それとは別に、自分たちの地区には、手づくりで自分たちでつくりたい、でも、地図心と絵心は素人なので、図案を描いてもらえないだろうか、という話でした。

 1年生の時から、山形市内周辺のイラストマップ制作(山形法人会誌連載)の課題もしてきたことが、実際に、地域住民の要望の活かされる機会になることになりそうです。

 何でも、自分たちで、手づくりでしたいという住民のみなさんの気持ちは、これまでの自主的な話し合いのワークショップから生まれてきたのでしょうか?

 そして、マップの看板をつくりたい、という心は? つっこんで尋ねると、

 「A・・・」という返答。

 「ということは、そうなるためには、ただ、マップの看板つくるだけでなく、B・・・のようなことを行ったり、C・・・のような心持ちも育んでいきたいということになりますか?」

 と、さらに、掘り下げて聞いてきました。

 

 手づくりマップの看板をつくりたい背後になる気持ちを実現していくには、ただ、マップだけではならず、住民の方々も意識していなかったことまで気づき直して、それらも含めて、住民の方々といっしょに、美術を活かして、思いを具体化していくことは、コミュニティアートの大きな役割です。

 総合美術コースは、そのような、思いを総合的に具体化する活動も学んでいきます。

 手づくり看板は、リンゴの収穫が終わって時間がある、雪の1・2月に、この公民館に集まって、みなで作業したいということなので、その前までに、メールで図案のやりとりしながら、マリコさんが制作していきます。その過程で、どんな住民との信頼関係が生まれるのか、楽しみです。

 

2013-10-11

思考の造形活動

 2年生の金曜日は、プロジェクト型アートの活動の仕方を各自のテーマで実践ながら共通項を学んでいきます。

 先週1回目は、自分は何をするか、したいか、その中身を自分で明らかに見える化するための方法として、カードで、人・場所・内容・技術…などの項目に分けて、それらの要素を書き出してつなげて全体像をつかむ活動をしました。

 生命体は、遺伝子の組み合わせで成り立ち、物質は、元素の組み合わせで成り立つように、要素に分けてみることで、個々の要素を置き換えしたり、組み合わせを変えることで、新たな活動をつくり出すことができます。

 今日は、活動を時間の流れで、どのように展開なるのか、作業手順を→で見える化する、流れ図(フローチャートづくり)づくりをしました。未来を思い描くことは、ヒトの最もヒトらしい脳の活動の一つです。短い時間での制作と、時間意識を持った1分間スピーチお疲れさまでした。

 次回は、それらに、実際の日程を合わせた計画を各自作ってきます。

 このように、はじめに、自分の頭に浮かんだことを紙に描き出して、それらを実行していく最初の行程から、一歩一歩みなで確かめながら進み始めました。

 これから、どのような十人十色のプロジェクトが生まれていくか、楽しみです。

2013-10-11

長い取り組み(フィールドワーク+プロジェクト+進路開拓)

 フィールドワークは、個別の関心に応じて、引率支援したり、そこからプロジェクト活動(アートを活かしたコトづくり)を展開したり、さらに、それを通して、自分の進路を切り開いていったりすることまでを、長いスパンで行っています。現在、私が直接、応援指導しているのは、7人くらいですが、取り組みや活動者はどんどん変わります。

 写真は、今年3月に、日本こどもの安全教育総合研究所理事長の宮田先生からの依頼で、アヤカさんと宮田先生と、岩手県山田町を訪問した時の沿岸部の風景です。

 この時の聞き取りをもとに、アヤカさんは、宮田先生と連日、メールのやりとりによって、カミシバイ制作にとりかかっています。

 夏には、宮田先生とサヤカさんが、約2カ月くらいかけてメールでのやりとりによって、子どもの防犯のカミシバイづくりを行い、その後、絵本づくりにも展開していくためのやりとりを、今、宮田先生と私は行っています。(もともと絵本化ははじめからはないことで、出版社に提案して、新たなコトとしてつくり出しました)。

 大人の人とのメールのやりとりを通して、りっぱにコミュニケーションができてきます。それを通して、相手が満足する絵を何度も修正しながらつくりあげていく作業は、美術を社会に活かす活動になっています。個人の作家としての作品づくりを探究する場合は、最後まで個人の制作プロセスになりますが、多くの学生が会社などへの就職を希望しているので、社会で行われている共同活動の中で、相手のニーズをくみ取りながら自分の感性も活かし、共同作業の中で自分も磨き高めていくことを学ぶことが必要になります。

 もともと、2人は、高校で美術をしてきてデッサン力などの素地があるので、それを活かして、プロジェクト学習で社会的なコミュニケーション力を磨いて、その中で自分の美術を伸ばしています。それは、運動だったり、メカニックなものづくりだったり、ボランティア活動だったり、自分の得意な分野で、それぞれ活かすことができます。

 総合美術コースの入り口が、美術部生だけでなく、普通高校や他のどんな分野からも入ることができるようにしている理由の一つは、ここにあります。

 それぞれ、2人は、カミシバイの原画をつくったら終わりではなく、自分の名前が絵の作者名として出ますので、自分の絵のカミシバイで、実際に、子どもの現場で、カミシバイ・ワークショップを実践してみることまでを相談しています。そして、そこから自分の進路が開拓したい場合には、さらに積極的に展開したり、アピールしていくこともできます。

 

 ちなみに、カミシバイも、オリガミと同じように、国際語です。終戦直後、アメリカ軍が、日本の路上で子どもたちがカミシバイに夢中になっている様子をみて、kamishibai と本国に報告したそうです。

 

 子どもの安全を伝えるカミシバイは、世界に普遍的ですので、英語訳や各国語訳もなって、カミシバイワークショップも、世界に広がることまでめざしたいものです。

 

2013-10-09

黒板ワークショップ

 ワークショップということばは、一般に、多くの人がその活動に参加体験できるような場を言います。農村のおじいちゃんも、参加型の会議を、ワークショップと呼ぶのをよく聞きます。総合美術コース1年の毎週後期15回の概論の授業では、最後に、黒板にみなで学んだことを書き合うことにして、写真にパチリと記録していこうと思います。黒板も先生だけのメディア(媒介物)ではなく、その教室にいるみんなが参加できるメディアにしてみようという試みです。

 昨日の朝のニュースで、全国学力一の秋田県の小学校の授業が紹介されていました。どの授業も、最後の何分かに、今日の授業で学んだことを発表し合うことをしていました。大学の授業でも、きっと原理は同じく活かせますよね。

 ところで、不思議に思ったのは、みなさん黒板に書くときに、自分よりも目線が下のところに書いていますが、たまたまの偶然なのでしょうか?

 

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