松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
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2011-04-27

手を動かしながら語り合う


山形にもどった翌日、4月1日、山形市内の避難所に行って様子をみてきました。
次の日に行った時は、ボランティアの窓口になっている社会福祉協議会の方と立ち話しながら、その場で、「手を動かしながら語り合う集い」の貼り紙をかいてきました。
最初に電話もらったのは、読売新聞の記者の方です。みな見ていますよ、と。
電話に応答あったのは、2人の方です。
さっそく、材料と道具集めです。
ニット工場が集まっている山辺町の工場から残糸をもらい、名古屋市のロイヤル工業様から糸巻き器10個を寄付いただき、三重県伊勢市の林イマニティ様から竹の編み棒100本を寄付いただきました。

1回目、電話の2人の方と行ないました。同じ避難所にいても、話すのは初めてとのこと。
2回目は、もう1人誘われて、3人。途中、ボランティアの高校生も混ざりました。

手を動かすことは、会話の潤滑油になる。
会話の中味を、手を動かしながら、自分の中にしみこませる。
巻き上がる糸は、つれずれなるままに語る会話をつむぐ象徴として、心をいやす道具にもなっている。
固い話の内容も、なめらかで、やわらかく、変容し、どんどん話の中身が変わっていき、途中、笑いもおこりました。




手を動かしながら語り合う集いの形式で、人とつながるコミュニティの基本原理を学ぶことを、今年度、東京都杉並区の社会教育センターが主催する「すぎなみ大人塾」の昼コース「だがしや楽校的社会の作り方」で行ないます。その方法を「ハンズインカフェ」と名づけました。ご関心ある方は、問い合わせてみてください。私も参加します。
また、山形市の元木公民館では、日本語にしてわかりやすく「おしゃべり手芸の会」として開きます。1回目は、5月7日、午前10時から昼までです。
各自の手芸は、自分が何か手を動かしたいものなんでもよしです。
ここでの手芸は、一人で真剣に集中する手芸ではなく、会話をやわらかくする道具の役割としての手芸です。かつ、自分の持ち味を見せ合い、より豊かにするための「自分みせ」でもあります。
それは、原発のように、個人では制御不能な技術ではなく、自分が制御できる範囲の技芸(アーツ)で人と関係をつくる等身大の人間関係づくりの基本学習です。
かつて、今でも、農家のおばさんなどが、集まって、手を動かしながら、おしゃべりして、笑いあい、生産と福祉と健康と地域づくりが一体になった活動を、時間と技と飲食を持ち寄って行なう試みです。

私の研究室でも、この形式を日常的に学生が体感できるようにしていきます。そのために、研究室を駄菓子屋化していくわけです。

さて、避難所での第3回は、4月30日の午前10時から11時までです。
でも、みなさんは、別の仮避難所に移動するかもしれないと言うことでした。
この集いからすれば、また、できればいいですが、みなさんからすれば、それは一時のくつろぎに過ぎず、何より、どこに住まうかが最大のことです。
偶然の出会いでしたが、人生、いろんなことでも偶然の出会いも大切にしたいものだと思います。

今年、日本全国各地での、手を動かしながらの語り合いが、さらにネットも活用して、つながっていくことをめざしていきます。
縁育てのやわらかな大運動をおこしましょう。

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