総合美術コースの3年生の社会プロジェクトでは、昨日は、日本製乳株式会社の「おしどりミルクケーキ」のパッケージデザイン、中山町商工会のスモモしょうゆのラベルデザインの検討会議と、社会連携事業が続きました。
今日は、猪俣商事さんが、日曜日までに学生各人がメールで猪俣さんに送った図案を、職人さんに試作してもらったものを持参していただき、実物をみながらの検討会が行なわれました。
その様子を参観したのは、「祈りの造形」の課題に取り組んでいる総合美術コース1年生です。
しめ飾りの斬新なデザイン。という依頼で学生は取り組んできましたが、まだ猪俣さんは不満足です。「何だこれは!?」と消費者が驚く形が欲しいという猪俣さん。これに対して、学生は「これまでの常識をすてて、まったく独創的なものを考えよ」という岡田先生の指導のもとで、何度も練り直していますが、まだ、独創は生まれていません。
猪俣さん(企業・実社会人)とのやりとりから、浮かんできたのは、今回の独創的な商品がスーパーに並べば、消費者は、これまでのしめ飾りとは違うものとして認識し、価値を見い出し、しめ飾りを買う予算のお金で、こちらを買うのだろう、ということです。
その際には、買う人(一般市民)は、このモノを、しめ飾りという普通名詞とは異なるものとしてとらえるので、この新たなモノに、新たな名づけをすることで、しめ飾りから脱却した独創的なものが生まれるのではないか、と考えつきました。
つまり、しめ飾りということばしか存在しなければ、これまでのしめ飾りの形から脱却できないので、新たな名づけも同時に行なって、その新たなモノの形をつくるということになります。
さてはて、新たな普通名詞を生み出すことはできるのでしょうか? その評価は何十年後になります。
まずは、来週のこの時間、再度、同じサイクルで各人がさらに改良したデザインの検討会が行なわれます。
新たな普通名詞の新たな形づくり。どんな名前のどんな形が生み出されるのでしょうか?
人間活動の根源的な営みへの挑戦です。
普通の大学の授業で行なっています。
今年の年末の店先に、どんなものが並ばれるのか? 楽しみです。
これまでの創造的な課題に取り組んできた学生諸君には、実社会を舞台にした必死の知恵しぼりを期待します。
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