松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
*
2011-11-30

次のデッサン


昨日、ディスプレイしたショウウインドウは、十字屋デパートのブログにも紹介されています。
http://www.jujiya-yamagataten.com/blog/

コースでは、ユーチューブにも動画投稿をまもなく学生がします。
地方のどこかで行なっても、同時に世界に公開することをセットにします。
同時に、1月末に、バレンタイン向けのディスプレイのデッサン会議を、担当学生と先生でしていました。

地方に都市のときめきと躍動感を。こつこつ、取り組んでいます。1月のディスプレイでは、さらに、ときめくアイデアがつけ加わることでしょう。
禅のことばに、向上底ということばがありますが、毎回、常に、いろいろな方面でバージョンアップをしていきます。

都市生活に地方のコミュニティ性を! については、
こちらをどうぞ。
http://dagakko.exblog.jp/ いどばた楽校

2011-11-29

地方に都市性を、都市に地方性を


本日、十字屋デパートのショウウインドウのディスプレイ第2弾を総合美術コースで行なってきました。
10時、準備した資材をクルマにつけて、現場で制作開始。



昼に大学にもどり、午後6時すぎに、再び現場に用具かたづけに行った時には、ほとんど最後の、クリスマスの妖精の設置でした。



このウインドウを通る人は、みな横目で見ていくか、立ち止まって見ていきます。「すごい」と声を発する高校生もいます。
東京などの都市の魅力は、常に、街を歩くと、両脇に目をとめるもの(人工的な創造物)があることです。今日のディスプレイは、まさにその状況を山形市の駅前に生じさせた感じでした。
岡田先生の指導のもと、学生ディレクターのマリさんが連日渾身の人形づくりをプロジェクトルームでしていました。それに、社会人基礎力グランプリ東北大会に出場した直後の、マミさん、シオたんを始め、手伝う有志によって、ディスプレイが完成しました。
地方に都市のときめきを生み出すには、これもチームによるプロジェクトの労力が必要ですが、試みる価値はありそうです。
一方、都市にないのは…? 大地、生産物、素材、生産の余剰による分かち合い。都市では、人件費・土地代などすべて含んだ価格で買うしかない商品しかありません。
都市に地方のほのぼの感を生み出すには…?
こちらは、すぎなみ大人塾「だがしや楽校的社会の作り方」などの社会教育講座で実験しています。
だがしや楽校の共同ブログ「いどばた楽校」でどうぞ。
http://dagakko.exblog.jp/

2011-10-30

手ぶらで来ない!持ち寄り・見せ合い・分かち合う講座


先日、長野県社会福祉協議会が行なっている地域福祉コーディネーター養成講座の8回目「地域の関係づくりのしかけ」にうかがってきました。それは、実に楽しい講座でした。
その理由は?
講座受講生のみなさんが、みな、手ぶらで来ないで、何かかにか、自分が披露したいもの・見せたいものなどを持参されてきたからです。
そのしかけは、事前に講座運営担当者の小林さんがチラシをつくって配布なされてくださっていたおかげです。

お昼の時間もまた、うどんセルフみせが、大繁盛でした。

長野では、あけびは酒かすといっしょにするんですねえ。山形はみそ味ですが。

こちらは、シュタイナー学校でされている、モヘヤの糸をつかった糸玉づくり。なんだか癒されました。されていたのが、看護師さんで、血圧もはかって健康相談ものってくださるとのことでした。

じゅずを育てて、じゅず玉で、装飾品をつくられているサークルだそうです。ご当地装飾品の交換は、最も原始の人間文化の交流を思い起こします。みなさんのところとも、どうでしょうか?

緑の交換台まであるのには、びっくり。これまでの持続的な活動がちゃんと披露されていました。

川中島の桃の種のエキスのナチュラル・ローションだそうです。私もっもらってきました。ご当地の産物手作り化粧品交流も、いい感じです。

こんな「自分みせ」の方も。

社会福祉協議会に混じって、社会教育行政の公民館の副館長さん(上田市・小泉さん)も、ご参加してみせ出し。デザイン性ある玩具と、写真と、温泉水のコーヒーでおもてなし。

社会福祉協議会がコーディネートして、なんだか、焼酎をつくったのだそうです。分野を超えたコーディネートが、これからの地域を活性化してくれそうです。

それぞれが、自分が関心ある何かを持ち寄って、それを見せることで、人は他者と関わっていくことができます。自分が社会に参加する一番の出発点の原型であり、経済活動をはじめ、あらゆる人間社会の活動の原型がここにあります。

普段、手ぶらで会議や講座に参加することは、当たり前ですが、すでに、その態度が、受身で参加するので、その後、何も、能動的な行為や活動が生まれない原因でもあります。
単純なことですが、
だれかにたよらず、自分たち一人一人によって、何か楽しい創造を生み出す最初の出発点は、手ぶらでこない!ことです。

会場の全景風景です。

さきおりのネクタイなんか、いいなあ。なんて言ったら、ネクタイの生地はいいものなので、使わないネクタイをさきおりしたネクタイなんか、いいねえ、と言われました。
それは、きっと、最高のネクタイですね。それなら、不精なぼくも、してみたいなあ。

全国のさまざまな会議や講座で、手ぶらでこないで、各人が持ち寄ったものを見せ合う時間を、最後におまけに1時間ほどつくったら、人間活動のアイデアは無限に生み出されていくように思いますが。

ちなみに、これを、会議ではなく、まったくの市民活動・運動として、「1億人の自分みせ」というメッセージ・イベントとして、12月24日、午後1時間くらい、全国同時多発開催をして、ネットでもつながろうと思いますが、みなさん、それぞれのところで、してみませんか?

今回の講座については、月刊『社会教育』(全日本社会教育連合会)の12月号の連載「発想する!授業」にも紹介します。

記録も、自分たちで発信するのがいいですね。

本場、野沢菜漬けの由来なども、いろいろ語り聞くことができるのは、たんに観光物産でモノだけ買うのとは違います。

ある時間、一番人気だったのは、こちらのおじいさんが作られたパウンドケーキの山。てんぷら屋をなされていて、家業は息子さんに譲られ、ご自身は、このようにケーキをつくられて、みなにふるまわれていらっしゃるのだそうです。その分けふるまう行為が名物になっているようです。
少子高齢社会の中で、まさに尊敬されるおじいさんです。

さて、この長野県の講座に続いて、全国各地の講座で、こんな風景が見られたら、社会も仕事も楽しくなりますよねえ。
ところで、お前は何を持っていったかって?
午前に、駄菓子屋の話をしたので、山形の子どもたちのお菓子、ミルクケーキを、現在、おつきあいしている当社の部長さんから購入して持参しました。全国ではじめて粉ミルクを開発した会社で、そこから作られたナチュラルなお菓子です。現在、この会社とも、総合美術コースが共同しているところです。

2011-10-07

アートのカーペット到着!


本日、夕方、穂積繊維さんが、4人のガールズがつくったカーペット2作、持参してくださいました。
十字屋の担当者の方も来校されて、学生代表と細部のうちあわせをしました。
いよいよ、13日〜18日まで、十字屋で展示なります。13日の新聞の折込チラシ(山形周辺)をご覧ください。

さて、このカーペット、買いたいという人がいたら、どうするのでしょうか?
単なる展示だけでなく、商品にするのか、どうするのかも、考えどころの楽しみです。
学生の作品も、どんどんアトリエに増えてきています。

2011-10-05

街のウインドウがキャンバス+キャンパス


本日の1日がかり、総合美術コース総がかりのウインドウ・ディスプレイ。夕方から雨の中、みなさんお疲れ様でした。このブログをご覧のみなさんは、以下、お楽しみください。










最後の記念写真も、制作した学生のみなさんは、作品の前のシルエットになりました。
このディスプレイは、10月18日まで展示されています。ご覧になられてください。
山形まで行けないよー、という方のために、明日の夜あたりには、ユーチューブに投稿されると思います。
街中の窓を作品づくりと発表の場にしたショウウインドウは、これから来年度にかけて、どのように展開が広がるのかもお楽しみですね。
生きている世界の場が、何か想像的に創造的になることは、人生と社会にとって、最も重要なソフトなインフラではないかと思います。

2011-10-04

ショウ!ウインドウ!


今日から後期の授業が始まりました。
初日から、一気に、ショウ!タイムの授業モードです。
2日目の明日は、山形市駅前の十字屋デパートのショウウインドウのディスプレイを一日がかり、総合美術総がかりで行います。
そのポスターも学生が制作し、学内外に掲示し、記録・広報などの係りなどさまざまな役割分担も決めて、13日から開催される十字屋8階での総合美術コースの企画展に向けての活動が始まりました。
コースの授業を丸ごと、見せるような感じになります。
ぜひ、みなさん、お近くの方は、おこしください。
あのスイカのスイーツもお披露目販売ですよ!

一体、明日のウインドウ・ディスプレイは、どんなものになるのでしょうか?
今日のアトリエの下ごしらえ風景から想像されてみてください。

今日から、総合美術コースの毎日の取り組みの様子は、1年生が交代制で、取材リポーターを勤めて、総合美術コースブログに紹介していきます。
http://gs.tuad.ac.jp/sougou/
そちらを、どうぞご覧ください。

2011-09-10

広告の勉強


1ヶ月遅れの夏休みになったキャンパスには、学生の姿はあまりありませんが、今日は、総合美術コースのアトリエの中は、いつどこから集まったのか、学生の人だかりでした。
写真の一番奥のほう(アトリエの一番奥)で、カメラマンの方がこられて、学生の作品の写真とりをしてくださっていました。
昨日のブログで紹介した、10月13日〜18日に、山形市の十字屋デパートで開かれる、東日本大震災報道写真展に併設する、本コースの展示会の折込広告に掲載される写真とりです。
新聞のチラシは、だれでも最もよく見慣れているものですが、それに載っている写真は、どのようにしてとられて、どのように配置レイアウトされるのか、あらためて問われると、はたとわかりません。それは、広告をつくる側の立場になった時がないからです。
社会のさまざまな現場に参画するということは、それをつくりあげている立場からそのしくみを学ぶことができるということです。
日頃、最も見慣れている広告チラシはどのようにしてできるのか、チラシのデザインとは、どのようなことに気をつけているのか、これから勉強できるのが楽しみです。

2011-09-08

折込広告チラシ


明日、新聞の折込チラシに載せる写真をとるために、カメラマンの方が下見にこられました。
何の広告? 大学の授業の成果です。
10月、東日本大震災・報道写真展全国巡回の山形展示が、十字屋デパートで開かれます。それに関連して、その第2会場で、本コースが、企画展示をまかされました。これも、6月に、デパートのショウウインドウディスプレイにアプローチしていたことが、巡り巡って、今回の企画に発展しました。同時に、それを紹介するショウウインドウのディスプレイも、それ自体を作品として行なうことになりました。
今日は、副手の齋藤君が、当日、本コースが関わった共同企画の商品の写真どりのうちあわせを、カメラマンの方としました。すももしょうゆ、スイカロール、スイカのういろうとプリン…
1ヶ月後のことですが、広告チラシ作成とともに、本コースでも、学生がそれぞれ作品制作をアトリエで始めています。
社会のあらゆる現場が教室になる、ことばだけでなく、本当になりつつあります。
展示の全体タイトルは、どうなるのでしょうか? すべて学生中心に進んでいます。

2011-08-24

2012年賀正・祈りの形


大震災によってJR復旧しない山形に3月31日の夜に着き、4月1日から東北芸術工科大学に勤務して、ゼロから人づき合いを始めて、私の研究室への最初の訪問者になってくださった、尾花沢市でしめ飾りをつくられている猪俣商事さん。
その猪俣さんから、まったく今までのしめ飾りの概念を超えた、斬新な発想のしめ飾りを、東北の未来への復興をも祈って考えてもらいたい、という、私の役割である、本コースへの最初の依頼があってから、しめ飾りのつくり方もフィールドワークし、何度もやりとりをして、ようやく、最終段階の見本を、今日、猪俣さんが持参しての検討会をしました。

総合美術コース3年生で、このしめ飾りデザインに挑戦したのは4人。合計で60もの基本形のアイデアスケッチから、最終的に猪俣さんが選んだのは、アイさんの3つの基本形です。これに職人のおばあさんたちが装飾をして店頭販売する案を持参してくれました。アイさんの3つの作品は、それぞれに、音・匂い・動きというテーマで、祈りを形づくったとのことです。
ここから、さらにデザインに磨きをかける検討です。まず、猪俣さんが持参されたのが、今生育している稲穂。これをどのように、どのくらい配置するか?

さらに、巻く紙は何色のどのような紙にしたらいいか?…。いろいろ、こまかなところを吟味していきます。こうして、今日の検討で最終改善をした商品見本を、翌週かその後、県外外のスーパーのバイヤー(仕入れ担当者)に、猪俣商事さんが持参して、商品提案・商談してくるそうですが、そこに、我々学生も同行して立ち会って説明の補足をしつつ、商品開発と流通の現場も実体験で学んできます。
生産者の猪俣さんがOKを出しても、仕入れて消費者に販売する店が採用しなければ、商品にはなりません。道のりはまだまだ続きます。商品の契約がなれば、次に、店頭に並べてくれる店に、この商品を説明するPOPをつくります。
これらも、すべて、この4人が最後まで、2012年賀正しめ飾りプロジェクトとして、行ないます。
東北の若者(美大生)による、人々の生活の復興と自分たちが生きる新たな未来への祈りを形づくった商品開発の学習。もしかすると、その後、50年、100年、500年後まで、発展継承されていくかもしれない、新たな未来への人間の文化創造の試み。着実に前進しています。
夏の余韻もまだある今、さまざまな生産現場では、この冬の商品づくりが真っ盛りです。
私たちは、未来を祈りつつ、未来を創造していきます。
みなさんのところの店でも販売してもらいたい、という要望があれば、
http://www.shimekazari.net/
(有)猪俣商事(山形県尾花沢市)さんに、問い合わせしてみてください。

2011-08-21

こんな教師もいるんだなあ


一週間のお盆休みも終わり、明日から授業が始まります。前期終了まで、もう少しあります。
現在は、企業も行政も教育現場も組織社会はどこでも、職員の勤務自己評価などがあります。また、教育現場では、学習者(学生)による評価もあります。何でも、なにかすれば、評価評価とつきまとう世の中になっています。メタボの検査などの健康評価もどんどん増えていきます。きっと、これから、もっともっと増えていくことでしょう。

さて、4月から山形の大学に勤務し、自分の専門担当で、ゼロから活動を生み出しながら、働いてきて、自分なりの仕事の自己評価を端的に示す写真を1枚と言われたら、これをあげます。
「一体、なんだ!これは?」と思われることでしょう。正式な大学の教員自己評価にも、この写真を載せることはありえないでしょうが、これこそ、私の現在の仕事の独自性を端的に表す1枚です。
6月16日、本コースでペイントすることになった尾花沢市のドームハウスの下見にフィールドワークした時に、ドームハウス壁画の次に思い描いた、スイカの箱のパッケージをデザインしたいスイカ農家がいるかどうか、頼んでいたら、箱を必要とする農家の方がいるというので、そのまま、スイカ農家の畑に行って、大学の公用車の後ろに積んでいた、学生のドームハウスのデザインのプレゼンボード7枚と、既存の農産物のダンボールを、実際に農家の方に、その場で見せたところです。
農家の方は、学生のデザインに感動して、即、スイカの箱のデザイン受注が決まりました。
その経過と成果は、これまでのブログに紹介した通りです。
スイカ農家の方は、本学にまだこられた時はありません。当然、美大生の制作や作品も見たことがありません。美大生も、作品は美術館やギャラリーに展示するものなので、スイカ農家の方のところに行くこともありません。
これまでは、同じ地球上に住んでいながら、両者は別々の世界に生きていて、出会うこともありませんでした。
美術科に美術をしない教員がいて、学生の作品を大学の公用車につけて、農村をまわって見せて、商談をとる。
単にミュージアムのクルマが地方をまわって巡回公開するのではなく、両者をドッキングさせる新たな学社連携の共同事業をおこす。
ちょうど、クルマの移動八百屋さんが村をまわっていくような感じですが、フィールドワーク・社会関係論の教員として、私は自分で実践事例をつくってみせて、そのノウハウと背後の論理を学生に教えていきながら、次は学生もともに活動し、後に、将来、自分ひとりで、このような社会関係をつくり出していくことができるようにすることが、私の教員としての役割です。
ということで、東北芸術工科大学という名前が書かれたクルマで、学生の作品をのせて、いたるところ営業する。
クルマで地方をめぐって料理をするテレビ番組もありますが、こちらは、アート版です。
こんな風変わりな教師もいるんです。そんな役割の教師を採用してくれた大学も、また風変わりなのか、どうなのか?
その成果は、これからです。

かつて、松下幸之助も、大八車に自室でつくった二股ソケットを積んで営業をしました。
その昔には、近江商人が全国、山形などにも来て、モノ売りをしました。「相手よし、自分よし、世間よし」の「三方よし」は、社会関係の基本原理でしょう。
「生産者よし、学生よし、消費者よし」の「三方よしのアートデザイン」を生み出すべく、明日からも、もしかすると、そこいらにフィールドワーク・アンド・セールスしているかもしれません。
もし、自分のところにも来てほしい、という方がいらっしゃったら、お声かけください。
シルクロードや大航海時代、人類の歴史と発展すべては、壮大な交易の産物です。
活動の果実を生むために、ブンブンと花粉媒介者(ポリネーター)として、私も飛び回りたいと思います。

  松田道雄 dagashiyamatsuda@gmail.com

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