松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
*
2012-10-14

ニコニコする道は復活するか?


今年度のすぎなみ大人塾だがしや楽校を開こう!のみなさん、ニコニコロードでの1回目、だがしや楽校まことにお疲れさまでした。
明日の講座のふりかえりを充実させて、2回目のニコニコだがしや楽校をさらによりよいものにしていきましょう。
私からは、ふるかえる視点を、ここにメモしたいと思います。

その前に。
JR中野駅から東高円寺商店会まで歩く途中に、ガラスごしに、粋なディスプレイを見つけました。シャンパンのコルクとふたで作った、ミニテーブルと椅子です。


商店会の会長さんが、おもしろいことを話してくれました。「商店会のりっぱな掲示版を助成金でつくってもらったのだけれども、お客さんは、それを見ないで、この立て看板を立ち止まって見ていくんだよね」と。
ちゃんとした掲示版より、この手軽でチープな板の張り紙のほうが役に立っていることは、私たちが手づくりで社会に参画する余地があることを示してくれているようにも思いました。

この大人の学習講座の核心部分は、自分のためのことと、他者や地域のためのことを一体的に学ぶことです。
健康講座やカルチャー講座など、自分のためだけの講座は、山ほどたくさんありますが、それは、個々人の関心に応じてあればよいことであり、また、地域活動を行う講座もまた、それぞれの関心に応じて参加すればいいことです。

これに対して、
自分のためにしていたつもりが、いつの間にか他者や地域のためにもなり、他者のためにしていたことが自分のためにもなっていると気づくような、メビウスの輪のような、自他一致を学ぶことは、人間集団生活の最も哲学的なことです。

自分の関心に応じた自分みせを介して、その感覚を学んでいこうとする社会体験のふりかえりは、ここを根源にすえていくと、自分の考えの根が深くはるように思います。

だがしや楽校は、駄菓子屋+学校 という、相異なる2つの様相を組み合わせる、という意味合いもあります。

それは、
自由と規律
個人と組織
即興とマニュアル
自営とサラリー
遊びと仕事・まじめ

いろいろな様相があります。
人間は、そのような異なるものを内包しながら、矛盾・葛藤・調整などを常に行いつつ生きています。

今回のふりかえりの視点として、
この2つのバランスも考えてみて、いかがでしょうか? 

次に、これからの講座の予定を確認すると、ニコニコロードで2回行うだがしや楽校までは、受講者みんなで行いますが、その後は、各自の関心に応じて、それぞれしていきい活動を考えて、可能であれば実行していきたいと思います。

なぜなら、講座終了した来年4月からは、みなさん各人それぞれの生活で、この講座で学んだことを活かしていただきたいからです。
いつまでも、みなでいっしょに同じことをしていては、サークル活動と同じくなってしまいます。

そう考えると、2回目に向けたふりかえりと2回目の準備は、みなさん各人がしていきたい方向を主体にしたふりかえりと準備と考えてくださると、一人一人がより自分の意識を明確に持つようになると思います。

具体的には、こんな方向と内容です。
まず、自分がしたい役割としては、

1 これからも、自分みせに磨きをかけて、地域にたくさん自分みせを出していきたい。
2 自分がみせを出すのではなく、企画やコーディネートをしていきたい。
3 自分は組織的な活動が好きなので、地域の行事やイベントなどに関わりたい。
4 とりたてて、地域で何かするのではなく、日常生活の中で無理なく活かせることをしていきたい。
5 自分のことより、地域づくりやコミュニティの有り様や社会に関心あるので、そのようなことを調べたり活動したりしたい。


例えば、4の方向を深めたい人は。
私のささいな例で、すみませんが、写真は、おとといの研究室前に置いた、「大根の葉、ご自由にお持ちください」の設置(インスタレーション)です。
他者と分かち合う感覚は、私が駄菓子屋研究であらためて感じたことです。それ以後、ささやかなことでも行動するよう心がけるようになりました。
わざわざ、だがしや楽校を開かずとも、日常生活の中にしみいるようになりました。

また、例えば、5の方向を深めたい人は、
近くの図書館で、かつての地域コミュニティの有り様を探してみて、自由研究風に、調べ、考え深めることもどうでしょうか?
写真は、山形市立図書館の郷土コーナーにあった、写真集の中にある、クルマが主役になる以前のかつての道の人間的な豊かさを写してある例です。昭和54年の写真です。
(『鈴木邦緒写真集 小姓町界隈50年史』1999)
初版『駄菓子屋楽校』にも紹介しました。

かつて、道は、人がニコニコできる場でした。今は?
社会実験的な意義としては、
今回のニコニコロードでのだがしや楽校は、
人と人が出合い、お互いにニコニコし会える道の再生実験とも言えるでしょう。
杉並の図書館にも、かつての、人がニコニコした道の風景写真はないでしょうか?

そして、1・2の方向を行いたい人は、どこでしたいかを探究することが次のステップです。

自分の近くの商店街か
公園・冒険遊び場か
老人ホームなどの福祉分野か
子どもの放課後活動にか
祭りやバザーか
外国人との国際交流の場か

みなさんの関心ある、いろいろな方向性で、新たな人と出会い、新たな活動をおこしてもらいたいと思います。

何はともあれ、無理なく、人生を工夫することを楽しむことが一番ではないでしょうか?

ふりかえりの会、21日のニコニコだがしや楽校2回目、楽しみにしています。

2025年2月
« 3月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

最近の投稿

最近のコメント

アーカイブ

カテゴリー

関連リンク

メタ情報

東北芸術工科大学
TUADBLOG