松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
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2012-02-01

モノとワザの大交流時代ーモノは天下の回り物


20万年前、アフリカ大陸でヒトが草原に降り立ったあと、インドネシアの火山の大爆発により、アフリカ大陸でも気温が低下し、動物は生存の危機になったそうです。その環境の危機を、ヒトが生き延びることができたカギを推測する手がかりとして、その環境異変の前後で、黒曜石の石器の出土範囲が大幅に広範囲になったということが、示されたそうです。
それは、当時、最も重要だったハイテクの黒曜石の石器を、わずかな食料と交換しながら、ヒトはお互いに助け合い、生き延びることができたのではないかと、先日の、NHKドキュメンタリー「ヒューマン1回目」で、紹介されていました。
地震の活動期に入った日本列島は、いつ、なんどき、どこで、地震災害がおこっても不思議ではなくなってしまっています。
そんな時期、たんに、デパートなどからお金で商品を買うだけの消費生活だけでなく、人と人が直接対面で、モノとワザを介してつながっていくことは、いざという時の人の絆づくりの役割もはたしていくことが期待されると思います。

岡山県のジーパン工場の切れ端を、山形県中山町の穂積繊維さんから昨年もらいました。
山形市の皮工場ミドリホクヨーからは皮の残りをもらってきました。
それらを少し、杉並区のすぎなみ大人塾に持っていったところ、先日、こんなステキなバッグがつくられたのを見せていただきました。
世田谷区、山形県南陽市などの講座の方々の中でも、それぞれ独自につくられた方がいらっしゃったと思います。

モノとワザを、自分のところにととめずに、どんどん人に循環させることで、脳神経のシナプスのように、人の絆をどんどん増やしていく社会実験を、さらに加速させてみたいと思います。みなさんもいかがですか?
同じ人のつながりでも、ネット上のフェイスブックなどのつながりだけよりも、生活の豊かさ、リアルな創造を楽しめますよ。

そう言えば、奥羽山脈をはさんで、日本海側の頁岩(けつがん)でできた石器が、松島などの太平洋側の3000年くらい前の縄文の遺跡から出土していることも、交流を示しています。
当時の山形縄文人と宮城縄文人は、どんな交換と助け合いをしていたのでしょうか?

2012-01-16

2・2・2・2−人は人類史を学び体験し直す


今日のすぎなみ大人塾の時間の最初のミニレクチャーの話のメインは、この黒板の右下のらくがきのような線でした。
その基本的な内容のキー数字は、2・2・2・2
小学校に入学してからいつも目先のテストに追われ、勤めてからも目先の仕事に追われながら働き収入を得て家族を支えて、その後、ようやくゆっくりできる人生時間を、人類は手にしています。その最先端をいくのが、日本人です。
今後、高齢化社会で、退職後にあらためて学び直す時の、基礎基本となることは何でしょう?
それは、人類がたどってきた道筋でしょう。
私たちはみないつかは死にますが、せっかく生まれたこの人生において、人類がよくも悪くも人類らしさを身につけてきたことを再確認しながら、残りの人生をどんな態度でどんなことをしていけばいいのかを考え合い、試みることこそ、人生の前期学習(学校教育)に対して、後期学習(成人講座)になるのだと思います。

20万年前  アフリカで草原に出て  助け合う ことを身につける。立つことによって産道が狭く手助けなくては子育てできない。

2万年前   グレートジャーニーに出ていた人類がヨーロッパで、人口密集の中で、共同で芸術を生み出す。

2000年前 古代ギリシャで貨幣がつくられ、貧富の格差、それに対する感情、社会的人間の心が形成される。
(それまでに、戦争、宗教、分配、王による組織、専門職人による技術革新などの重要局面がおこる)

200年前  ヨーロッパで市民革命がおこり、民主主義、資本主義の現在の社会システムができる。

20万年から、100分の1ずつ縮めた年表を実際につくってみるのもいいでしょう。
そして、重要なことは、それら太古から獲得してきた助け合い、共同的に生きることは、貨幣経済や戦争、近代社会のシステム化などによって、影に隠れてしまいがちですが、確かに人間の心の中にあることが、進化心理学の実験などによって明らかになっています。
大人が学び直すことの中心は、まさに、人類が得てきたことの中で、現代社会がある面の追求を強調するあまりに忘れがちになっていること、失われつつあることを、ゆっくりととりもどし、次世代に確かに伝えていくことだと思います。
「だがしや楽校的社会の作り方」という奇妙なタイトルの杉並区の講座の核心もここにあることを、今日の30分で、さらっと提案しました。
もうちょっと、じっくり、このことを考え合いたいという方は、お声かけください。
いっしょに、人類史をお互いの人生史の中で体験学習していきましょう。

2012-01-07

自分みせ通信


長野県社会福祉協議会の小林博明さんから、ユニークな通信が届きました。
県内の地域福祉コーディネーターをつなぐ通信として、勝手につくられたので「お節介通信」という名前なのだそうです。
その特別付録がこれです。これは、昨年10月に行われた長野県内市町村の地域福祉コーディネーターのみなさんが集まった1日講座「地域の関係づくり」の時に、最後に、各自みなさんがつくった自分みせカードを、長野市社会福祉協議会
の戸田千登美さんが、全員の写真をとってくださっていたものでした。

この時の写真は、二重のしかけになっていて、その時各人がつくったカードには、その日の講座のたくさんの写真をその場で印刷してもらって、それらから好きな写真をも貼っています。つまり、その時の講座のことも写真としてカードにあるものです。それらのカードを持った各人を撮った写真をさらに、コラージュしてまとめて編集しているので、これは、三重の写真になっています。
中を開くと、
10月25日の「地域の関係づくり」の講座で、「自分みせ」をやりました。一人一人の自己紹介カードとお気に入り写真をもとにメッセージカードを作りました。記念撮影したものをお届けします。本物はカラーです。欲しい方は連絡ください。
と、親切なコメントがあります。
コーディネーターの真髄を垣間見る感じです。

ちなみに、小林さんの手紙文に、
「だがし屋で さりげなく 夢づくり」 と短句がありました。
このブログ見てくださりましたか? ありがとうございます。
これからも短句会も、遊びましょう。
短句は、自分の思いを自己完結で表現できる文字数より少ないので、相手に新たな想像を投げかけて、読み手はそれをもとに、独自の想像世界をつくり出していい、コラボレーションの文字遊びになると思いますが…

2011-12-24

村山だがしや楽校


雪の中、市の施設で、村山だがしや楽校の1回目がありました。地元の若者がゼロから、場所の交渉、チラシ、屋台参加者を募ることから行いました。
もともと、ごろつき市というフリーマーケットをしていた経験と感覚があり、その基盤には、パン屋をしていて、そこが情報拠点にもなっており、かつ、地元で牛乳配達をしていて、地域をよく知り、フットワークが鍛えられているという条件が、本人にあることが大きな要素でもあります。その環境を十分に生かすに、だがしや楽校はよく合っている感じです。
さて、どんな屋台があったかというと。

編み物屋さん。本業は、寒河江市で世界に糸を輸出している有名なニット工場に勤めていて、休日に編み物屋をしている二人。

手づくり市などに出品していて、手芸のワークショップをいろいろなところでしているお母さん。今日はバラのコサージュづくり。

こちらは、ダンボール製造工場のご夫婦。山形市の富士紙器さん。独自につくった、ネコ椅子(県のデザイン賞受賞!)とテーブルのうえで、小さなダンボールバッグづくり屋台。

現在、富士紙器さんには、このようなだがしや楽校のような気軽な屋台などにも使えるような、大人用の、ダンボールの椅子とテーブルの試作を提案しています。
すでに、予約も入っています。
みなさん、予約したい方は、富士紙器さんのHPに問い合わせてください。
そのほか、いろいろ、ダンボールで創造活動を考えています。みなさん関心ある方いますか?

ある素材の多面的活用の工夫は、創造性の訓練に最適です。

こちらは、先のお母さんが学校での食育活動で用いている、野菜の手芸だそうです。
杉並区、世田谷区の講座もそうですが、女性のみなさんの参加は、確実に、新たなアーツアンドクラフツ運動がおきる状況がふつふつと発酵していることを感じています。

そのほか、臨床美術、ビーズ手芸、村山農業高校生と先生のバラ花びら酵母のパン、竹笛、羊毛フェルト、パッチワーク、年賀状づくり、…、たくさんのハンズイン勢ぞろいでした。
そして、それらの多様な大人の人たちをつないでくれたのは、高校の先生、東海林先生と教え子の大学生の縁側カフェでのコーヒーとハーブティです。
まさに、そこが大人の駄菓子屋の役割を果たしてくれました。

ここのだがしや楽校で、私は一つ試みをさせてもらいました。それは、明日、報告します。

村山だがしや楽校、来月から、どんな進化をしていくのか、楽しみです。来月、お近くのみなさん、参加いかがですか?
遠くの方は、だがしや楽校HPから、メールやフェイスブックやブログで交流しましょう。

2011-12-24

70億人の自分みせを


人は、人と関わることで、成長します。
人は、多様なモノや動作や体験を介して、人と関わります。
だがしや楽校(Dagashiya-Gakkou)は、
人類の歴史から未来を想像し、「こんな集いがあったらいいな」という壮大な思想(それは本にまとめました)の一つの結晶活動として産み出しました。
それは、大組織の管理も、ハイテクの操作も、宗教の信仰も、必要としないで、世界中の人々がだれでも手軽に行なうことができます。
だがしや楽校(Dagashiya-Gakkou)は、
自分の持ち味や関心事や仕事や趣味などを見せ合うことで、
お互いに学び合い、温かく結ばれ、分かち合う心、協力する心、助け合う心、新たな物事を創造する心を育む、最も根源的な人間の集合活動です。
そこには、子ども・若者・大人・高齢者・男性・女性・さまざまな職業の人々、だれもが集い、共に生きる関係の糸をつむぎ出すことができます。
地球上各地の小さな集いが、インターネットでもゆるやかにつながって、
明日の私たちの人生と、明日の私たちの社会を、
さらに楽しく愉快にしていくきっかけの一つになれば幸いです。

Merry Christmas ! 2011.12.24 MM
           
(写真は、昨日の南陽市のクリスマスだがしや楽校にて)

2011-12-23

クリスマスご飯ケーキ!


今日の南陽市でのだがしや楽校。ユニークさで圧巻は、はがまをひっくり返してつくった、クリスマスのご飯ケーキでした。
振り返りの時間に、約20人分くらい、ケーキカットしてもらって、いただきました。
ご飯ケーキ専門店をつくったら、きっと繁盛するように思いますが、…。みなさん、いかがでしょう?
このケーキは、米部と青年団のみなさんの企画です。米部さんは、春先に、田んぼにリンゴをまいているそうです。田んぼが赤くなる!
それでかどうか、米も甘くなるのだそうです。
これからの縮む日本の地域社会のキーは、愉快さです。
今日のだがしや楽校は、ユーストリームで公開されているそうです。

明日は、村山市でありますね。

2011-12-23

ホワイトだがしや楽校

今日、23日。午前10時から、南陽市のえくぼプラザ前で、だがしや楽校があります。私も行きます。どんな屋台がでるのか、そして、ふりかえりでのアイデアが出るか、楽しみです。
私もアイデアを持参します。
行くことができるみなさんも、ぜひ、参加いかがですか?

翌日、24日は、村山市、鶴岡市、日光市、静岡市と、日本のどこかで、同時に行なわれていますね。

2011-11-19

大人の楽校とは


本日、今年度のしもつけ大人塾の最終回でした。
午前は、道の駅でのだがしや縁日。その様子は、これから、みなさんが投稿される、だがしや楽校共同ブログ「いどばた楽校」でご覧ください。
その後、昼食をとりながら、学習室で最後にお一人お一人が前に出て語り、聞き合いました。そのみなさんが語られた内容と、その後のみなさんの姿が、そのまま、今年度の連続講座の成果を現していると感じました。

どんな中味かって? それは、…。知りたいですよね。
しかも、この部屋には、下野市の方々だけでなく、杉並区、山形県南陽市、村山市の方もいました。


講座終了のあいさつ後、村山市から持参した、ちょっとキズあり格安リンゴの分かち合いも、また、おかげさまで、だがしやらしいコミュニティ関係性の売買の雰囲気でした。それは、現代の格差社会を生み出しているマネー経済の姿とは、異なるありようです。
私は、ここに、アダム・スミスが資本主義経済理論を唱えた時代に、まだ残っていた地域の道徳的コミュニティを感じました。
この再生こそ、新たな経済・政治の社会のプロトタイプになると私は考えています。
私たちは、にっこりなしを分けていただきました。
次世代経済を、分けっこ経済。そんな風に名づけましょうか?

2011-11-18

道の駅しもつけで会いましょう


12月24日、日光市JR日光線の下野大沢駅の西駅エリアで、地元の住民のみなさんで、だがしや楽校が開かれます。このへんです。

それを最終回にした、「顔の見える地域づくり講座」が、日光市で今年度行なわれています。
そして、明日は、下野市で今年度行なった、しもつけ大人塾の最終回が、道の駅しもつけで、だがしや縁日を午前開いて、そのまま昼食会をとりながら語り合います。
山形からは、同じく12月24日にだがしや楽校を開こうとしている村山市の佐藤たかひろ君と、翌日最終回になる南陽市でのだがしや楽校講座の事務局の嶋貫さんが、それぞれクルマで行きます。私も同乗します。
お近くのみなさんで、小春日和のドライブに行かれたい方は、道の駅しもつけでお会いしませんか?
道の駅を、住民の手で、いっときかつての縁日的人間関係を再生しよう、というのが今回の始まりです。
世界は、心温まる縁日的世界を求めているのではないでしょうか?

2011-11-16

フェイスブックの次は?


ブログを書く時間がまったくとれなくなり、3日おき坊主どころか、10日おき坊主以上になってしまう感じです。
なんとか、ブログで全国のみなさんとつながれるようにしたいと心がけます!

インターネットの世界は、ネットスケープ(世界とつながる!)→ヤフー(図書館の分類のように)→グーグル(情報を検索できる)→フェイスブック(実名でネット空間でつながる!)と、進化してきています。

では、フェイスブックの次は?
ネットだけのつながりではなく、実際のリアルな人の対面と、モノを介した体験を、ネットでも共有していく、リアルとネットの、人の対面とモノの体験のつながりになるのではないかと思いますが…
いかがでしょうか?

このHPの制作運営管理人の小林さんが、HPを一新しました!
各地で、だがしや楽校や、それに通じる、自分をお互いに生かし合うコミュニティづくりをなされていらっしゃる方、まったく個人で何か持ち味を披露したいみなさん、こちらのブログに、「自分みせ」の投稿、レポートを、寄り合いましょう。
最終目標は、「70億人の自分みせ」ですかね。小林さん。

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