学校・大学で学んでいる基礎(ステップ1)は、素材や対象を自在に変えることによって(ステップ2)、社会に生かされ、役立つ活動になっていきます。
なぜなら、この世に、モノ(素材)は無限にあり、人間が行なっている仕事や営みも無限にあるからです。
一つの事例が試み始められました。
ステップ1
総合美術コースの1年生の基礎演習の最初の課題が、岡田先生から提示されました。
通常、白い紙に黒い鉛筆で描くことは、影を描くことなのだそうです(なるほど)。そこで、光があたっているところを描くために、黒い紙に白いペンで描いてみようと。課題「光のことば」。
その課題説明で、花澤先生が、レオナルドなどは茶色い紙に描いて、影も光も描いていたと、補足しました。
光と影、黒と白、紙とペン。自在に、光と影を描くことができるようになれば、画材を店から買わずに、画材を用いることができる経済活動現場を探せば、そこと組んで活動(社会活動の実績と仕事化をめざした)を生み出すことができます。
ステップ2
私がぱっと浮かんだのは、コーヒー豆のかす。世界中でコーヒーは飲まれています。ひいたコーヒー豆は、一度お湯を通されれば、捨てられてしまいます。毎日、世界中でどれほどのコーヒー豆がらがゴミに捨てられていることでしょうか?
それを、画材として、セカンドユーズできたら、どうでしょうか?
水墨画ならぬ、コーヒー画。コーヒーで描く。コーヒー染めの紙に描く。
先の課題をこなした総合美術生なら、自在に表現することができることが期待されます。
そして、単に自分が描くだけでなく、だれもが描くことができる画材づくりをすることこそが、最も有望なビジネス化(仕事づくり)のチャンスです。
始めは、お粗末な実験かもしれませんが、試行錯誤を繰り返してものめりこむ人が出てくれば、いつか商品になるものができることを期待します。
さっそく、本日、埼玉・群馬のカフェレストランチェーン「珈琲哲学」様から、豆がらを提供送付したというメールをもらいました。
第一次公開は、5月29日のオープンキャンパスの総合美術コースのブースでお披露目します。ご関心ある方は、どなたでもどうぞ。
そのような発想をすれば、三陸のかきの貝殻を砕いて白墨をつくって… とか、いろいろな画材づくりが考えられます。
あとは、試行錯誤の実験あるのみ! ですね。
いつの世も、あらゆるものごとは、このような手を動かした試行実験から生み出されてきましたよね。
松田道雄 東北芸術工科大学総合美術コース教授
dagashiyamatsuda@gmail.com
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