松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
*
2012-03-11

未来社会をつくるために


上野公園で一番早く咲く広小路からの入り口交番となりの桜は、先日まだ咲いていませんでした。東京も、今年は開花が遅いのでしょうか。

1年前の今日の午後、地震時は、下高井戸で、世田谷区の講座の打ち合わせをしていました。うちあわせを中座して、ひたすら歩きました。新宿のオペラシティ近くに来たところでは、歩道に人がごったがえしていました。

午後3時から歩いて、新宿→四ツ谷→東京駅を通過して、この桜の木の下にたどり着いたのは、午後10時くらいでした。
桜が咲いていました。この桜を見ることができなかった方々に贈ります。

この大震災とその復興、次に来るさらなる大震災とその復興。縄文時代以前から、季節の豊かな地震列島に密集し、破壊と再生、季節感の繊細さと豊かな素材の活用、人間集団の助け合う共同性。これら「和の文化」は、世界の中でも日本独自の国民性を育んできたのでしょう。

だれもが自分は何ができるだろうか、と考えたことと思います。
私も1年間、熟考して考えたことは、
200年間に形成された西洋近代文明に対して、日本から新たな次の社会をつくるモデルをつくるための一助になることです。(それは学生時代からの淡い目標でしたが)。
なぜなら、現存の社会モデルで、人々がみな幸せではないゆえに、新たな社会づくりが必要だからです。
私の提案は。
ひとまず、現在の社会モデルと共存するしくみをつくって、両方を行き来しながら共生・混生する、両生的生き方ができるハイブリッド社会モデルです。
そのために、現存社会モデルと両輪をなすための社会モデルとは?
大企業 に対して、個人の創意工夫ある自営のネットワーク
上下の組織関係に対して、駄菓子屋のおばあさんと子どもにも表れるような、たくさんの、お互い様の共関係づくり
大量生産のものづくりと受動的的消費 に対して、創造的な生産参加型消費
文字・ことば・お金中心に対して、手・モノ・食を中心にした人間集団生活
成人男性中心の思考に対して、おばあちゃん中心の思考

(これらはすべて、旧版『駄菓子屋楽校』に構想示唆しています)

もし、首都直下地震がおこれば、現在、言論と文字だけに依存している人は、どう生存していくのでしょうか?

東日本の被災地の人々やボランティアの人々が、手と足を動かしてリアルな再生と復興の働きをしているときに、偶然に、西洋文明の起源になったギリシャの国家破たんは、象徴的な対比の年にも映りました。
かつて、古代ギリシャ文明でおこったマネーと民主主義と学問(広場での哲学談義)は、奴隷生産の土台によって成り立っていましたが、その生産者自体がいなければ、民主主義や学問を語ることばも文字も、抽象的なマネーも空虚なものになります。
それに対して、次なる社会モデルは、まさに、日本が世界に提起する価値があります。
しかも、高齢化する日本での、おばあちゃんの活動する姿が、世界に示す中心と象徴になることでしょう。

それを、今年は見える形で各地で具現化していきたいと思います。
この論にまだピンと来ない方への補足です。

もし、現在の社会のしくみのままだったら、
若者で仕事に満足しない人も多く、
地方の人口減少は続き、
個人の創造性(芸術文化、科学などさまざまな探究)が十分に生かすことができる機会が少なく、
人生の満足度も十分でない人も多く、
すべての価値観がお金や数字などでの共通化の中で一元化され、

といった状況が進むだけになるのではないでしょうか?

2012年3月
« 2月   4月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

最近の投稿

最近のコメント

アーカイブ

カテゴリー

関連リンク

メタ情報

東北芸術工科大学
TUADBLOG