山形市にある麩をつくっている会社のHPに、麩アート という作品が紹介されていたので、興味がわいて、工場見学の訪問してきました。
明治創業の鈴木製麩所さんです。JRの踏切を渡って、丸十醤油、男山酒造、出羽桜酒造 と、このあたりには、日本伝統の食の会社がありますが、うかがうと、こちらの鈴木製麩さんも、蔵王から流れる地下130mの水流を使っているそうです。
むかしは、近くにどっこん水も出ていたそうです。
十日町から八日町、鉄砲町周辺には、豆腐屋さんも、何店かありますが、それも、かつての水の立地によるものだったのでしょうか。
麩アートは、もともと、活け花の先生が用いたのだそうです。現在、作品はありませんでしたが、いろいろな活用のアイデアはありそうです。
麩は、小麦粉からとったタンパク質で栄養価の高いグルテンを主としてつくられています。ヘルシー食品です。
全国各地に、いろいろな形状の麩があるそうですが、山形内陸は、中が空洞になっている車麩が特徴だそうです。
グルテンは、手にべたつかず、まるで、スライムのような感じで、のびます。
車麩のつくり方は? 長い棒に、最初は小麦粉を巻きつけて焼き、次に、その上に、グルテン:小麦粉=10:6の生地をまきつけて、再度焼きます。
すると、グルテンが熱でふくらんで、車麩ができます。
なんと長い。表面は、まるで、フランスパンのようです。
焼きたて、アツアツのをいただきましたが、実にこおばしく、さらっと口からのどに入りました。パンのように、いろいろ入っていないので、淡白な味です。
普通は、煮物などに入れる食材ですが、フランスパンのように、焼いてバターをつけてもおいしいと常務さんが話されたので、さっそく試してみました。
これは、「太らないパン」! という感じです。
車麩って、こんな風にしてつくられるのを知っていましたか?
私たちは、スーパーなどで買うものが、どのようにしてつくられているのか、ほとんど知らずに、ただ買っています。
しかし、特に、食、その中でも、日本の伝統の食くらいは、製造過程も知りたいものですね。
車麩が作られる光景。写真と文よりも、手描きの絵と文のほうが、親しみと描き手の思いが込められますね。
だれか、車麩ができる様子をスケッチしてみたい人はいませんか?
美術が社会に役立つことは、いろいろありそうですね。