総合美術コースの1年生のみなさんには、3年生に続いて(2年生が、「山形の風景」の表紙を担当していますので)、「山形法人会」さんの月報に掲載されるイラストマップを、2・3人組で作成しましょう。
大学は、自宅通い・一人暮らし問わずに、社会人になろうとする前の、さまざまな面で「社会・外界・自分」を探究する時期です。専門の勉強のみならず、本を読んで、アルバイトをして… その中で、まちを歩きまわって、人間が生きている社会と人間の生活をあらためて、のんびり、見聞することも、とても重要な勉強です。
「歩く・見る・人に聞く・描く」を、存分に行ってください。
観光地でなくても、普通の道、特に、古い店などがある、昔からあるような道(幹線道路でなくなってしまった)には、道に歴史がたくさんあり、店のおばあちゃんなどに聞くと、「昔は、この道で、子どもたちがたくさん遊んでいたんだけどねえ」などと、語ってくれます。
そのような過去の話を聞いた場合は、想像してその風景を、ことばといっしょに、どこかに描いてもいいでしょう。
のんびりする観光地も、紹介します。
バスかJRで、上山温泉もいいですね。
鶴が休んでいたという由来がある温泉地です。公衆浴場や足湯もあります。
なつかしい並びの商店の通りもあります。「パナマ通り」という不思議な名前がつかっている路地もあります。
そこに、武家屋敷も立ち並んで整備されています。
土・日・祝日は、休憩所があり、地元の女性部の方々がお茶出しをしてくださっているそうです。
お茶をいただくと、何とも野生の味ある葉っぱもいただきました。
「どろぼう」と、子どもの頃呼ばれた草なのだそうです。
なぜ、「どろぼう?」ズボンに実がくっつく草です。山人参なのだそうですが、それをゆでて、すぐ食べると腹に当たる場合があり、それをしばらく冷やしたりしてから、食べるのだそうです。何とも、昔からの先人の知恵で、教えてくださったのは、郷土料理研究されている方でした。その場に居合わせた、上山市の観光課長さんも、「知らなかったなあ」とのこと。
いろいろ、土地の人に出会って話を聞くと、たくさんの人間の知恵を学ぶことができるものですね。
近くに、食育・野菜ソムリエ・武家料理を研究している粟野静枝さんが開いている店「折鶴」があります。
特に、若い人、若い女性には、粟野さんの「食のウンチク話」もぜひ、聞いてもらいたいものです。
いろんなことを教えてくれますよ。
上は、昼の膳は、毎日違って、こちらは、武家料理だそうです。
これは、地元の焼き窯でつくられたという家家で、家族連れが来ると、子どもたちが、これでいろいろ配置を変えて、いつも違った「町」ができるのだそうです。
帰りに、和菓子の楊枝にするクロモジの枝をいただきました。切った先が香りよく、江戸時代は、これで歯を磨いたのだそうです。
そこらへんの山のどこにもある、というのですが、…。気付かないだけと言われてしまいました。
「まち・むら・地域」は、生きた学びの宝庫です。
こんな風に、まち歩きすれば、偶然に発見することはたくさんあります。
どんな何気ない道にも、人間の歴史がありますから、「まち歩き」して、たくさんの発見してください。
ちなみに、粟野さんは、龍馬会の会員です。坂本龍馬ファンは、ぜひ、どうぞ。
粟野さん、石井観光課長さん、5月10日午後7時〜9時、芸工大学食で、異業種交流と学生とのコラボの集い「仕事の遊び場」を開きます。ご関心・お時間あれば、自己PRご持参のうえ、ご参加ください。学食の食事は7時まで営業です。
桜から、どれくらい考えを広げることができるか? を、生涯学習概論で提案しましたので、私もつれづれなるままに、考えたことを書きます。
連休の中日、キャンパスの桜が満開で、桜の木の下で、こども芸術大学の幼児が先生とお弁当開きをしていました。
私たちは、日頃、外側から、対象物として全体をとらえますが、ずーっと、近づいて、桜の木の下にもぐっていったら、そこに、幼児が近づいてきて、
木のつけねから枝がでて一輪の花が咲いている目の前の桜をゆびさして、
「ここにとび出してる」と、教えてくれました。
その子にとっての桜の対象物は、それだったのでしょう。
美術史・文化財保存修復学科の学生が多いので、いろいろな歴史的知識も豊富な学生が受講しているので、授業メモの中に、桜は、散りぎわのいさぎよさが、武士の心にマッチしたとありました。
武士が好んだのは、よくわかる感じがします。
でも、一方で、のどかな山ぎわの農村風景の中にも、桜がたくさん点在しています。これは?
特に、雪国の農業は、桜が咲き終わると、草木の若葉がしげる本格的な農作業の季節です。雪国の農家にとっては、雪にとざされた季節から生命の季節への祝祭の花として、植えてめでられていたのではないでしょうか?
それは、武士や農家の立場を体験しないと、本当のところは、わかりませんが。
みなさんは、花よりだんご派?
それとも、だんごより花派?
どちらも、という人のためには?
来年に向けて、ある産物づくりも働きかけています。
関心ある人は、声かけてください。