かつて、戦後から高度経済成長をへて、約50年くらい、私たち日本人の一般的な人生の共通イメージは、高校から、できれば大学に入学して、60歳までの終身雇用の会社に就職して、結婚し、家を建て、安定した生活を過ごす。というイメージでした。
よい悪いの是非は別にして、そのイメージはほとんど影が薄くなりました。
仕事は、人生の中で複数の職業につくことが一般的になり、不安定ゆえに、つねに新たに学ぶ必要性が出てきました。
前向きによい面でとらえると、受験の15歳、18歳の時に、不十分・満足ならないで、自分の能力を発揮できなかった人は、かつての安定社会では、路線が一生決まっていましたが、今は、どこからでも、自分の能力を新たに身につけ社会に何度でもトライするチャンスがある社会になった、ととらえたほうがいいでしょう。
すべては、悲観・否定ではなく、楽観・肯定でとらえたほうが、人生の道は開けていく可能性があります。
私も、社会人で大学院に入学し、「駄菓子屋の教育的意義」の論文をベースにまとめた本『駄菓子屋楽校』が発端となって、転職をして、人生の進路が現在に至っています。もともと、大学の時に、たくさんの分野の本を読みながら、自分の人生については、一度限りの人生なので、一つだけではなく、複数の仕事をしよう(賢治やウイリアム・モリスやベンジャミン・フランクリンなどのように、と夢見つつ、なまけものなので寝てばかりいましたが)と考えていたので、自分にとっては、自然な成り行きでもあります。
50歳になって、山形の大学に戻ってきて、今度は、私が、みなさんの、人生いつでも大学で学ぶことを応援する講座を開きたいと思い、まず、今年度後期、以下の講座を本学で開設してもらうことになりました。
http://www.tuad.ac.jp/plusart/program/artcommu/index.html
036 ウオーキングをよくする人、まちづくりに関わりたい人、まち歩きが好きな人、自分で地図をつくってみたい人など…
037 自分の特技でさらに人とつながりたい人、自分の持ち味をさらによく人に紹介できるようになりたい人、コミュニケーションの原理を学びたい人、自分の趣味でコミュニティづくりをはかりたい人など…
038 農業など自分で生産物をつくっている人、それを紹介したい人、何か売りたい商品がある人、営業・セールスマンでよりよく商品を紹介できるようになりたい人、自分を語るための書くこと・話すことをあらためて学びたい人など…
このイラストマップは、私のチュートリアル生が描いたものですが、だれでも、自分なりの見方・感じ方で、自分の地域を描くこともできます。まち歩き地図づくり講座は、各人こんな地図を描くことができるようにします。
もはや、これからの社会では、ますます、だれもが一生の中で、何度でも、どこの大学の講座で学んで、それを自分の新たな仕事づくりや生活や人生に生かしていくような、平行学習社会になります。
みなさんも、新たな未知の可能性を発掘するために、活用されてみるのもいいと思います。
もし、私の講座に関心ある方は、本学生涯学習プログラムに問い合わせてください。
また、こんな講座を受けたいという希望もどうぞ。
県外の方で、夏休みや正月休みなどで、山形に来て、滞在型の集中講座を受けたい! という方は、そのような希望提案もどうぞ。
成人講座の醍醐味は、私たちが小学校から大学まで受けた教育のスタイルのイメージと全く異なる、それぞれ人生経験のある大人の学習ならではのスタイルと楽しみがあるということです。この成人教育のあり方は、今からの時代に「普通」になることですが、今はまだ発芽中のような段階のようです。その醍醐味も体験してみたい方は、どうぞ。
また、子どもの学校教育の教師になるには、きちんとした教職課程の専門制度ありますが、成人教育の専門資格制度はまだありません。
もし、みなさんの中で、そのような成人教育の技法やノウハウも経験していきたいという方も、いっしょに学び合いたいと思います。
人生は、生涯、楽しい勉強ですね。