スイカで知られる尾花沢の有名な銀山温泉への一本道沿いに、不思議な看板とドームが。
一昨年、本コースでペイントしたスイカドームは、当主の、りりしいのり蔵さんとともに、元気です。今は、金〜月の週末開店です。
店内は、喫茶店風になっています。のり蔵さんいわく、どんどん、ユニークな商品展示が欲しいそうです。ここに自分が作ったものを置いてみたい人はいませんか? 富士紙器さんのねこ椅子とテーブルは、さっそく「あったらいいね!」と連絡しました。夏は、スイカで大入り大繁盛店になります。
本当に、蔵王連峰のみはらしがきれいな、みはらしの丘での、市民実行委員スタイルによるイベント、みはらしクラフトミュージアムに、チュートリアルで見学に行ってきました。
ゼロからこのような場づくりをすることは、大変エネルギーがいることですが、それを実行した市民の有志のみなさんの尽力の賜物です。これが、根付くためには、これからですし、実行委員スタッフのみなさんの負担とやりがい・メリットの見えないバランスをどう自分たちで生み出すことができるかです。はるばる自転車でサイクリングがてら見学に来た総合美術生もいてくれました。このような地域のイベント・場づくりに関心ある人は、フェイスブックの実行委員会に参加してみてください。
帰りに、みはらした蔵王のふもとの山川牧場さんにアイスを食べに行きました。そこで、山川喜市さんから、「いのちの教育」ミニ講座を聞きました。どんな話だったかは、学生ブログに投稿した記事を読んでください。しっかりと宿題まで出されましたね。偶然に、社会のあちこちで生きている人から学ぶことこそ、フィールドワークの学びです。
牛の気持ちよさそうに。
今年度の総合美術の授業は、先週・今週と1〜3年混合の10グループによる、「総美・春のキャラ祭り」で始まりました。連休中日の木曜日に、その発表会が開かれました。
芸工大循環の各バス亭エリアを自分たちで歩いてフィールドワークし、そこで見聞して感じたその地域の特徴を、ローカルな地元キャラクターにして表現するという課題学習です。フィールドワークのパネル、キャラクターのパネル、キャラクターの立体模型が、提出課題です。
どのグループも、それぞれチームワークを発揮して、ユニークなキャラクターを産み出してくれました。
雰囲気や環境や性格や特色など、あらゆる森羅万象を、自分たちの人格化するキャラクターの起源は、どこまでさかのぼることができるでしょうか? 縄文時代の、個性的な土偶などもそうかもしれません。当時は、現在のような世界的な情報や交流がなかったので、外国には知られなかったのでしょうが、今、インターネットや貿易など、世界のモノや文化が流通する時代に、日本のマンガやアニメなどのキャラクターが、クール・ジャパンとして世界から人気を得ているのは、単なる子ども・若者のサブカルということ以上に、そもそも本流のカルチャーなのかもしれませんね。
総合美術コースのみなさんからも、新たなカルチャーを産み出してくれることを楽しみにしています。
全国各地には、すばらしいものづくりの現場があります。しかし、残念ながら、後継者がいないために途絶えてしまう仕事もたくさんあります。
中山町にある、大きなカーペットづくりをしている工場に、連休明けから、ゼミ生が働きにいくことになりました。経営者の高橋さんいわく、「お金のためだけに働くならこの仕事は向いていたいけれども、ものづくりに喜びを持てる人なら合うと思うなあ」。
イギリス製のスピーカーでジャズを聴きながら、自分の感性も活かして、依頼されたカーペットをつくっている姿には、「幸福満足度」を感じました。これからの社会を担う若者が、どんな幸福満足度を自分でつくり出していくのか、大いに期待していますよ!ササキさん。
ちょうど、1年前。山形市内は、30年ぶりという豪雪でした。道路脇に白い山脈のように雪が積み上がった中、山形市の真ん中、八日町になる歴史ある酒蔵の門をそろりとくぐりました。江戸時代の寛政の改革が行われた時期に創業したという羽陽男山酒造です。
この通りを歩いていくと、古くからの店があり、特に、酒、しょうゆ、そば、麩など食品関係の工場や店などが多いことに気づきます。それは、蔵王山系の伏流水が流れているところだとのことです。
日本酒は、米を主食にする稲作文化と麹菌による発酵食文化(東アジア圏)が生み出したものです。米×麹×酵母×水×温度から、酒造りの職人の手と道具によって生み出されます。日本酒を飲む人なら、どこの酒蔵の何の酒がどうのこうのと、ほんのわずかな違いを味わい比べて談義します。そのような感性はまさに人間らしい行為であり、私たち日本人は、それをご飯と日本酒を代表にして磨いてきたのでしょう。
では、その微細な味の違いとしての男山酒造さんの特徴は?見学してわかったことは、山形の契約農家がつくる米、地下100mからこんこんと汲み出る蔵王山系の硬水、そして素材をブレンドしてつくり出す職人(杜氏)さんチームの世代伝承しながら創意工夫する技のようです。
日本酒を飲まれる日本人の方で、まだ、酒蔵を見学したことがない? それは、毎日米を食べている人が田植えや稲の育ちや稲刈りの風景を見たことがないのと同じですよお。
人生、なんとももったいない社会勉強です。これからの時代の豊かな暮らしとは、たくさんの物を持っているかではなく、自分が消費するものをできるだけ自分の足と目で見聞してモノの先に人の営みや背景をも共感することではないでしょうか。男山酒造さんには、アットホームで誠実さを感じました。
こそっと酒蔵見学の妙味を。物体としての米がふつふつと微生物的作用によってまさにアルコールに変化している変わり目をちょっといただくことができるんです!
「米が発泡している!」口の中でそんな感覚がわきあがります。まさに、発酵の現場の醍醐味!!
醸造部長さんいわく「酒蔵見学には車でこないでください」と。泊まり込みで米を酒に変化させる冬の仕事もまもなく終わるそうです。
さて、あれから1年。この男山酒造さんの純米大吟醸酒(山形県で開発した酒米を用いた)に、本学日本画コース学生のラベル絵が5種類貼られた酒が出来上がりました!
平成版鳥獣戯画のようなユニークなラベルです。しかも、これには、酒びんに貼られているラベルと別のラベルがおまけについています!(このアイデアは専務さんの発案です)
松見町ヤマザワなどでも販売しているとのことですが、つくっている現場を体験して購入したいという方は、男山酒造さんのHPからメールか電話をして酒蔵見学されてみては、いかがでしょうか?
ちなみに、この写真のラベル画をかいた高田さんも見学したいということに、今度、フィールドワークとして連れていく予定です。
ぜひ、山形の4年間の学生生活で、日本文化としての日本酒づくり見学も「日本の教養学習」だと思いますよ。くれぐれも、試飲する方は、近くまでバスで行って、歩いて酒蔵にどうぞ。
先日、今年のさくらんぼ祭りの中で開催される第1回、さくらんぼグッズコンテストの説明会が開かれました。運営は、総合美術コース3年生3人と県の担当者が長いやりとりの中でスタートし、説明会には、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、映像、洋画、日本画など、学部・学科を超えて、参加希望者が集まりました。
さて、これから、最終の商品開発のゴールまで、どのような道のりになるのでしょうか?
分野を超えた参加者の意欲は、大いに創造的な社会づくりの一旦を感じます。
別件で、お菓子の詰め合わせギフト用の箱に絵を描きたい人、世界初の素材の糸のラベル画を描きたい人は、連絡ください。
松田道雄 dagashiyamatsuda@gmail.com
世の中を愉快に、地域を生き生きと、人生を楽しくする芸術の密かなたくらみが、また一つ、マツダナルド研究室で…
ネコも杓子も、かぼちゃとオレンジのハロウイン仮装の翌日、11月1日
山形県がラ・フランスの解禁日
おいしいラ・フランス収穫感謝祭に、愉快な社会をつくる志士たちが、ラ・フランスをどこかにとりこんだ仮装で、出席します。
初音ミク、魔女のキキ、女子高生、スーパーマリオ…
数年後には、山形から、ハロウインを超える祭りが世界に広がるようにと、
アニマドール(「アニマ:生き生き、わくわく」人々を生き生き・わくわくさせてくれる人材)たちが、まじめに考え、取り組んでいます。
当日、会場で、まじめなネクタイとスーツの皆様には、驚かれると思いますが、こちらも、上記のことにまじめに向かっていますので、山形県新農業推進課の皆様、よろしくお願いいたします。
アニマドールのみなさんは、ラ・フランスを味わいながら、打倒ハロウインのさらなるアイデアを、まじめな大人の方々にまじめに提案してきてください。
ところで、コウリキ君は、何を見ているのかな?
東京の丸ノ内線東高円寺駅から、JR中野駅に通じる途中にある、東高円寺商店会、通称ニコニコロードに、たくさんの立て看板が立てられていました!
この通りには(にも)、なかなか、よく通りを見ながら歩いてみると、味のある店と、図画工作的造形マインドが表現されています。
その一部を紹介しますと…
商店街の中に陶芸教室があると思ったら、立て看板!
こんなレトロなポスターもあったりして、
駅もモチーフになっていて
隣は、パンドラの箱? どんな店なのでしょう?
と、思ったら、ここにも
そして、ここにも
こちらは、商店会長さんの八百屋さんの向いにある、「こちかめ」が、シュール!と呼びそうな、チラシ案内版。
近くの女子美大生が描いたとの、広島お好み焼きのシャッター絵画。でも、肝心のお好み焼きの店は移転したという貼り紙があります。
なんか、シュール!な商店街です。
ここにも
また、ここにも
またまた
決して、長くない商店街に、あきれるほどの立て看板。
一体、だれが立てたの?
知りたい方は、看板に書いてある日時にここに来てみて、これをしているらしき人たちに尋ねてみてください。
ちなみに、この商店街には、店の名前も出ていない駄菓子屋があります。店の名が出ていないということは、もとからこの店を知っている近所の人のために開いている店ということを物語っています。
何とまあお歳のわりに若々しい店のおばあさんは、店にくる「子どもたちのおかげ」と語ってくれました。店に椅子があるのは、近所のおばあちゃんたちとお話相手になる場だから。
店をして60年になり、今は店をしているのを、人様のふれあいができるので感謝しているそうです。
「助けられて生きています」ということばが、余韻に残っています。
まさに、『駄菓子屋楽校』に聞き取りして著した話を、この店でもうかがうことができました。
さらに、中野駅まで歩いていく途中、この道は、個人が私財をとうじてつくった道だったことが、書かれていました。
ハロウインのかぼちゃもさりげなくあり
あれ? みかんの木と思ったら、かぼちゃの木?
造形センスのある店の表札も
街の楽しさは、このような個々人の美術的な創意工夫が大きく寄与しているとあらためて感じます。
がき大将制作所って、何なのかなあ?
手づくりでつくったものや表示にあふれた道が、人間らしく歩いて楽しい道だと、あらためて、思い返すことができました。
いっそのこと、みんな、それぞれが住んでいる道や街を、もっと、人間らしく手づくり感にあふれたものにできたら、どうでしょう?
美大生のみなさんは、すること、できることが山ほどありそうですね。
それとも、すべて、マクドナルドや吉野家風の街にしますか?
今年度のすぎなみ大人塾だがしや楽校を開こう!のみなさん、ニコニコロードでの1回目、だがしや楽校まことにお疲れさまでした。
明日の講座のふりかえりを充実させて、2回目のニコニコだがしや楽校をさらによりよいものにしていきましょう。
私からは、ふるかえる視点を、ここにメモしたいと思います。
その前に。
JR中野駅から東高円寺商店会まで歩く途中に、ガラスごしに、粋なディスプレイを見つけました。シャンパンのコルクとふたで作った、ミニテーブルと椅子です。
商店会の会長さんが、おもしろいことを話してくれました。「商店会のりっぱな掲示版を助成金でつくってもらったのだけれども、お客さんは、それを見ないで、この立て看板を立ち止まって見ていくんだよね」と。
ちゃんとした掲示版より、この手軽でチープな板の張り紙のほうが役に立っていることは、私たちが手づくりで社会に参画する余地があることを示してくれているようにも思いました。
この大人の学習講座の核心部分は、自分のためのことと、他者や地域のためのことを一体的に学ぶことです。
健康講座やカルチャー講座など、自分のためだけの講座は、山ほどたくさんありますが、それは、個々人の関心に応じてあればよいことであり、また、地域活動を行う講座もまた、それぞれの関心に応じて参加すればいいことです。
これに対して、
自分のためにしていたつもりが、いつの間にか他者や地域のためにもなり、他者のためにしていたことが自分のためにもなっていると気づくような、メビウスの輪のような、自他一致を学ぶことは、人間集団生活の最も哲学的なことです。
自分の関心に応じた自分みせを介して、その感覚を学んでいこうとする社会体験のふりかえりは、ここを根源にすえていくと、自分の考えの根が深くはるように思います。
だがしや楽校は、駄菓子屋+学校 という、相異なる2つの様相を組み合わせる、という意味合いもあります。
それは、
自由と規律
個人と組織
即興とマニュアル
自営とサラリー
遊びと仕事・まじめ
…
いろいろな様相があります。
人間は、そのような異なるものを内包しながら、矛盾・葛藤・調整などを常に行いつつ生きています。
今回のふりかえりの視点として、
この2つのバランスも考えてみて、いかがでしょうか?
次に、これからの講座の予定を確認すると、ニコニコロードで2回行うだがしや楽校までは、受講者みんなで行いますが、その後は、各自の関心に応じて、それぞれしていきい活動を考えて、可能であれば実行していきたいと思います。
なぜなら、講座終了した来年4月からは、みなさん各人それぞれの生活で、この講座で学んだことを活かしていただきたいからです。
いつまでも、みなでいっしょに同じことをしていては、サークル活動と同じくなってしまいます。
そう考えると、2回目に向けたふりかえりと2回目の準備は、みなさん各人がしていきたい方向を主体にしたふりかえりと準備と考えてくださると、一人一人がより自分の意識を明確に持つようになると思います。
具体的には、こんな方向と内容です。
まず、自分がしたい役割としては、
1 これからも、自分みせに磨きをかけて、地域にたくさん自分みせを出していきたい。
2 自分がみせを出すのではなく、企画やコーディネートをしていきたい。
3 自分は組織的な活動が好きなので、地域の行事やイベントなどに関わりたい。
4 とりたてて、地域で何かするのではなく、日常生活の中で無理なく活かせることをしていきたい。
5 自分のことより、地域づくりやコミュニティの有り様や社会に関心あるので、そのようなことを調べたり活動したりしたい。
例えば、4の方向を深めたい人は。
私のささいな例で、すみませんが、写真は、おとといの研究室前に置いた、「大根の葉、ご自由にお持ちください」の設置(インスタレーション)です。
他者と分かち合う感覚は、私が駄菓子屋研究であらためて感じたことです。それ以後、ささやかなことでも行動するよう心がけるようになりました。
わざわざ、だがしや楽校を開かずとも、日常生活の中にしみいるようになりました。
また、例えば、5の方向を深めたい人は、
近くの図書館で、かつての地域コミュニティの有り様を探してみて、自由研究風に、調べ、考え深めることもどうでしょうか?
写真は、山形市立図書館の郷土コーナーにあった、写真集の中にある、クルマが主役になる以前のかつての道の人間的な豊かさを写してある例です。昭和54年の写真です。
(『鈴木邦緒写真集 小姓町界隈50年史』1999)
初版『駄菓子屋楽校』にも紹介しました。
かつて、道は、人がニコニコできる場でした。今は?
社会実験的な意義としては、
今回のニコニコロードでのだがしや楽校は、
人と人が出合い、お互いにニコニコし会える道の再生実験とも言えるでしょう。
杉並の図書館にも、かつての、人がニコニコした道の風景写真はないでしょうか?
そして、1・2の方向を行いたい人は、どこでしたいかを探究することが次のステップです。
自分の近くの商店街か
公園・冒険遊び場か
老人ホームなどの福祉分野か
子どもの放課後活動にか
祭りやバザーか
外国人との国際交流の場か
…
みなさんの関心ある、いろいろな方向性で、新たな人と出会い、新たな活動をおこしてもらいたいと思います。
何はともあれ、無理なく、人生を工夫することを楽しむことが一番ではないでしょうか?
ふりかえりの会、21日のニコニコだがしや楽校2回目、楽しみにしています。
最も手軽な用具でのアイデア会議の手法を提案します。
会社や役所や学校など必ずあるA4用紙を用いた発想法です。
A4を半分にして、A5。それを半分に切って、A6。それを半分に切って。さらにそれを半分にすると、ポケットサイズ。
最少サイズを、思い浮かんだ単語を書く用紙にし、それから、アイデアがふくらむのにあわせて、描く用紙を大きな用紙に描きます。
自分一人でもできますが、みんなですると、それぞれのいろんな視点から、思わぬアイデアがでてきて、人数以上のアイデアの組み合わせ、創発性が生まれます。
今日のこの4人のアイデア会議でも、どんどんアイデアが産まれ、育ちました。
どんなアイデアが産まれ育ったかは、当事者に聞いてください。
用紙(カード)は、大切なアイデアの財産です。無限に産み出すことができます。
見えないもの(こと)を産み出すことの楽しさ。
一人ではなく、それぞれの力を出し合って、みんなで、もの(こと)を産み出すことの楽しさ。
これらを、どんどん体験・経験していきたいものです。
それが、人類が発展してきた人間社会的思考の原点であると思います。
リエさん、部屋の壁に、アイデア用紙を貼ってみましたか?
どんなものができるか、楽しみにしています!
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 3月 | ||||||
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |