松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
*
2012-01-12

協力するヒト・コラボレーション


年末に人類進化のテレビ番組がありました。
人類の進化の第一歩は、アフリカ大陸で、森から草原に出たことだと言われています。それによって生まれたヒトらしさの第一は、弱いヒトが猛獣から身を守って生き延びるために、「助け合う」こととその心だそうです。
森に生きる生き物は、基本的に助け合う必要はないそうな。
それから、アフリカ大陸を出て「グレートジャーニー」の旅に出たヒトは、現在のヨーロッパに行き、そこで、壁画や装飾品など高度な芸術活動が生まれます。その原因は、人口密集によって相手に表現したい気持ちがおこったことによるそうです。

助け合いと芸術。この最も人間らしい行いを、今日、総合美術コースの1・2年生の合同展(悠創館)の展示準備の光景で見かけました。
自分の作品でない仲間の作品を2人で協力して展示していました。
当たり前かもしれない、何気ない瞬間でしたが、私にとっては、今日一日、人間らしい世界の中にいる幸せをふと感じました。
公評会、お疲れ様でした。
その後、夜遅くまでのウインドウディスプレイ制作のみなさん、明日、仙台駅前エスパルでの折鶴ワークショップのみなさん、人間らしさを存分にまきちらしてください。

2012-01-10

ソーシャル・コネクション(社会との接続)


私の大学での専門と役割は、あらゆる分野・切り口からの「社会との接続」による社会プロジェクトを誘発・生み出すことと、普遍化するための理論づくりです。
そして、その接続の相手としての私が所属するコースは、あらゆる素材・分野を問わずに創造活動を行う総合美術コースです。
そのための主な視点は、
視点1 フィールドワークによって、あらゆる素材・技術による創造活動の手がかりを探る。
視点2 いろいろな素材や道具を集めて、活用を探る。
視点3 いろいろな社会人と出会い、触発されたり、具体的につながったりすることができる機会を探る。
視点4 古今東西の人類の英知から現在の身近な情報まで、あらゆることがらから、創造する発想の手がかりを探る。

まず、私自身が上記の引き出しをできるだけ多くしておき、アトリエが主たる学業の場である学生に、いつでもこれらの視点を提供できるように心がけています。

今日は、
視点1 今日も雪だるまをみかけました。この雪だるまは、小さな子どもさんと親がいっしょにつくったことがありあり思い浮かぶ雪だるまですね。
各地で目撃した雪だるまを集めた、雪だるま図鑑もネットにあると、雪国の風物詩になりますね。

視点2 富士紙器さんからもらってきていたダンボールくずを出して、整理して、研究室からもらっていった学生さんがいました。どんな創造物をつくったのか、のちほど見せてくださいね。楽しみにしています。

視点3 本日のCC喫茶店の来客は、NPOアミルの山口達也君です。世界中で最もアイデアが出る部屋づくりの談義をしました。ハルナさんともつながってよかったです。

視点4 今日、図書館から借りてきたのは、モース『日本一日一日』など、平凡社東洋文庫の、外国人から見た日本人像です。今から読んで、何か、これからの時代の日本の若者がヒントになることがあるか探してみます。

2012-01-09

富士山を探せ!


本当に見つけたいもの(真実、目標、幸せ、宝…)は、だれもがわかるように目の前にどんとあるものではないのでしょう。
私たち普通の人にとっては見つけることのできない原始の人たちが使っていた石器も、旧石器時代の考古学者にとっては、見つけることができます。
同じ土を見ているはずなのに…。

富士山を見るところに住んでいない日本人にとっては、富士山というと、あの山の形の風景が心に刻まれています。

でも、実際の富士山(あなたが見つけたいもの、めざしたいもの、夢、目標)は、場所、置かれている状況、見るところによって、みな異なります。

みなさんも、自分の「富士山」を見つけてください。ほかの人は見つけたいとは思わないかもしれない、あなただけの「富士山」を。

今年初めの、「あなたの富士山」探しの練習に、この写真のどこに富士山があるか探してみてください。
じっと、目を凝らして。
見つけた人は、今年、「あなたの富士山」も見つかるかもね。
12月に、山梨市での「自分史学習講座」にうかがった時に見た風景です。ここに住む人たちにとっての富士山は、この風景なのだそうです。

2012-01-08

こつこつコラボ、人物画家募集


2年前から細々と取り組んでいることの一つに、人物伝があります。現在、昭和29年の文献を読んでいますが、これが読めない漢字が多く、漢和辞典を引きながらなので、まったく進みません。牛歩どころか、かたつむりよりも遅いペースです。
これを、被災地で親をなくした子どもさんたちへの支援活動にしたいとも思っているのですが、…。
何とか、実現に向けて、時間をとって、こつこつ、漢字調べをしていくのみです。
ところで、人物画を描いてみたい方も、募集しています。
出版社の社長さんからは、「せっかく美大にいるんだから、人物の絵を描きたい学生いるんじゃないの?」と言われました。
美術の制作も、こつこつ、ひたすら、こつこつ、時間との勝負でしょう。昨日も、1年生が徹夜してと眠そうな顔で、がんばっていました。
こつこつ、こつこつ、自然に、こつこつコラボが、生まれればそれもよし。生まれなければそれはそれ。
こつこつ、ひたすら、やるしかありません。

2012-01-07

自分みせ通信


長野県社会福祉協議会の小林博明さんから、ユニークな通信が届きました。
県内の地域福祉コーディネーターをつなぐ通信として、勝手につくられたので「お節介通信」という名前なのだそうです。
その特別付録がこれです。これは、昨年10月に行われた長野県内市町村の地域福祉コーディネーターのみなさんが集まった1日講座「地域の関係づくり」の時に、最後に、各自みなさんがつくった自分みせカードを、長野市社会福祉協議会
の戸田千登美さんが、全員の写真をとってくださっていたものでした。

この時の写真は、二重のしかけになっていて、その時各人がつくったカードには、その日の講座のたくさんの写真をその場で印刷してもらって、それらから好きな写真をも貼っています。つまり、その時の講座のことも写真としてカードにあるものです。それらのカードを持った各人を撮った写真をさらに、コラージュしてまとめて編集しているので、これは、三重の写真になっています。
中を開くと、
10月25日の「地域の関係づくり」の講座で、「自分みせ」をやりました。一人一人の自己紹介カードとお気に入り写真をもとにメッセージカードを作りました。記念撮影したものをお届けします。本物はカラーです。欲しい方は連絡ください。
と、親切なコメントがあります。
コーディネーターの真髄を垣間見る感じです。

ちなみに、小林さんの手紙文に、
「だがし屋で さりげなく 夢づくり」 と短句がありました。
このブログ見てくださりましたか? ありがとうございます。
これからも短句会も、遊びましょう。
短句は、自分の思いを自己完結で表現できる文字数より少ないので、相手に新たな想像を投げかけて、読み手はそれをもとに、独自の想像世界をつくり出していい、コラボレーションの文字遊びになると思いますが…

2012-01-07

市民手芸ハブ


大学に箱が届いていました。
上にのせてダメの表示
開けてみると…
くるまれた包みをそっと開いてみると…

何と、カンナくずでつくられた花の飾りと、トウモロコシの葉でつくったお人形さん。
送ってくださったのは、昨年、西川町の「いきいき食堂」で交流なされた福島県会津坂下町の公民館の村岡久美子さん。
あの時の、談義の中で出たクラフトを、このお正月につくってくださったのだそうです。
実に見事です。

いろいろな木の香りがほのかに、においます。
山形市元木公民館の「おしゃべり手芸の会」のみなさん、杉並区の「創りcom」のみなさん、世田谷区の「人間とデザイン」のみなさん、見てくださっているでしょうか?
さまざまな素材と技をお互いに見せ合い、教え合い、工夫し合い、これからますます増える元気な高齢者を中心に、個人のものづくりによるつながりは、ますます増えることでしょう。
手を動かしながら、おしゃべりもできて人づき合いもする。おしゃべりしながら、生産的に何か手を動かしている。
企業による大量生産のものをただ買うだけ(そのような企業でマニュアル通りの仕事をするだけ)の暮らしとともに、個人がそれぞれに何かを創造し、それによってつながっていく、もう一つの生産コミュニティ(カンパニー生産と異なる)が、ネット時代に出現することでしょう。
だれか、そのハブになる窓口をネット上につくる人はいませんかね。
現時点では、これら、いろいろなものづくりをなされるみなさんは、デジタルに親しんでいらっしゃる方が少ないので、ネットをまだ利用されていない方々が、気軽に利用できるような窓口ができればと思います。
当面、それまでは、私のところに何か、実物や写真や情報などお知らせいただいたものは、このブログで紹介したり、いろいろな人とお会いした際に紹介したりする、私が「ハブ人間」になります。

2012-01-06

インターンシップ対話


本日のCC喫茶のお客さん、NPOハーバランスの舟田さんと、学生のインターンシップのビジネスモデルづくり談義をして、2時間。
対話のやりとりを通して、当初考えがなかった具体的な事業案が焦点化されてきました。
インターンシップ、ふるさと、成人式、6次産業、新産業創出、親の願い…
これらのキーワードによるプラン。
さっそく、その場で、ある町にメールで提案したところ、具体案を教えて欲しいと返信いただきました。

みなさんなら、どんな事業案を考えますか?
このキーワードによる事業案に関心ある方(行政の方々など)は、写真の舟田さんにメールされてください。

まもなく、県内の市町村に提案されることでしょう。

今日のCCは、カンバセーション(会話)&コンシダレーション(熟考) そして、コンタクト(連絡)
でした。
みなさんもお気軽にどうぞ。

2012-01-05

雪国文化論

山形市内でも、今日も雪がふり、雪かきをそこいらでしています。県内でも最上や庄内地方は、もっと大変なことでしょう。
おそらく、からから晴天の、東京や太平洋側の西日本の人にとっては、想像できないことでしょう。
雪国にとっては、雪は大きなハンディになることの議論は昔からされてきました。
雪国が、雪を生かして逆転の発想で、優位に立つことはできないでしょうか?

1 雪で発電できないか? 雪がお金(経済価値)になるものにできないか?

2 どの家にも、雪の天然冷蔵庫を貸し出し設置する。

3 雪が多い時には、外に出ない。家の中でのホームワークをする。かつては、ワラ仕事の工芸づくりのように。または、藤沢周平や宮沢賢治のように小説を書いたり。
今は、ネットでどこででもできるので、雪の日は、家にこもって仕事をする。(雪国でなくても、家にこもっている人は、今はたくさんいますけど)

4 雪は天からの恩物として、雪ならではの造形を楽しみ生かす。やがて、雪解けなれば、普通のまちの暮らしをする。

特に、1・2は、理工学的な技術が求められます。3・4は、雪のふらないところと、同じ日本だからと言って、同じことをする生活スタイルではなく、雪国独自の生活スタイルを、学校・職場も認められれば、特色を出せることでしょう。

雪国に生きているみなさんは、何か独自の雪国文化論を持っていますか?

2012-01-04

CC喫茶店とは?


今年、私の研究室では、本格的に、人と人が何かを生み出す創造的な会話・話し合い(創造会議)の実践研究をしていきたいと思います。
その話し合いの基本形式は、喫茶形式で行います。ヨーロッパで中世から市民による近代社会に変革する母体(社会基盤)になった場に、ロンドンのコーヒーハウス、パリのカフェがあります。
世界中、どこでも、軽く飲み物を飲みながらの談義が、最も自然な会話の場の形式です。

CC喫茶店と名づけたCCは、みなさんなりに性格や意味をつけてください。
こちらで用意するCCは、
カンバセーション、コミュニケーション、コンピューター、コネクション、コミュニティ、コラボレーション、クリエーション…
みなさんは、どんなC&Cにしますか?
実際に、ここの場で語り合って、どんなC&Cになることでしょうか?
CC喫茶店は、そんな、創造的な語り合いの場の実験です。

写真は、年末に来室された、だがしや倶楽部の阿部さんと助手の橋本君。

6日午後1時には、NPOハーバランスの舟田さんと落語寄席を開きたいという学生さんが来室されます。ご関心ある方は、どうぞ。話し合いの成果も公開します。

2012-01-03

短句会


元旦に、秋に挿し木して根がはえてきたチェリーセージを、年末にミニ鉢植えしていたのが、赤い花を咲かせていました。

赤い花
白い街
初春や

フェイスブックに、元旦、5+5+5 の新たな文字づくりを提案したところ、いくつか応答ありました。

5+7+5 の俳句は、世界最小文学といわれています。
このまん中の7文字で、「なにがどうした」という説明的な表現を凝縮していますが、
はたして、これより短い形式はできるのでしょうか?

俳句より短い句 という意味で、短句と名づけてみましたが、もともと短句は、短歌の下の句7+7 をも呼びます。

そこで、5+5+5 か、7+7 を、短句と名づけて、世界最短の文字形式づくりの挑戦も、ネット時代にいかがでしょう?
この場合、5+5+5 (前後4または6の字足らず・字余りOK)は、説明表現ができない5だけになるので、本当に、断片的単語表現の列記だけでになります。
それゆえ、読み手が自由に解釈してストーリーをつくるコラボレーションの文学になる可能性があります。
それは、作り手だけに求められる独創性や創造性も垣根が低くなり、だれでも列記投稿できる気軽さがります。

どこでもつながる時代のスマートフォン短句で、世界に広がる長い連。いかがでしょう? 

1 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 26

2025年2月
« 3月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

最近の投稿

最近のコメント

アーカイブ

カテゴリー

関連リンク

メタ情報

東北芸術工科大学
TUADBLOG