グーグルで、山形 鍬 製造 と打って出てきたのが、山形市船町にある鈴木鍬製作所でした。日曜日でしたが、飛び込み探訪をしてきました。
三代目というご主人がいらっしゃり、工房の中を見せていただきました。山形県の内陸では、鍬をつくるのはこちら1軒だけだそうです。その前は、馬の蹄鉄屋さんだったとのこと。
内陸の山形市になぜ船町という地名があるかというと、
須川のほとりのここが、船着場になっていて、汽車が開通する前は、ここが、今で言えば山形駅前のような存在だったのだそうです。今は、普通の通りですが。当時は、この通りの家はすべて店をしていて、どの家も屋号があるのだそうです。
鍬の形状は、地方によって実にさまざまなのだそうです。奥が山形の内陸地方のもの。真ん中は、庄内。手前は、鹿児島。福島のは、山形よりも幅広い鍬でした。それぞれの土地柄と土質なども関係あるのでしょうが、それぞれの利用者(農民)から、こんな鍬をつくってほしいと依頼されて型をとってつくるので、各地のさまざまな鍬の形状はそのまま多様になっているのです。鍬を生産しているところが、このような鍬を使えと、消費者に押し付けるような近代の大量生産システムとは異なる前近代のものづくりの様相を垣間見ることができます。
何かかにか、芸術も含めて個人のものづくりに携わっている方は、職人のものづくりの現場訪問は、大切な生きた勉強になります。鈴木さんの代で、鍬づくりは終わるということですが、なんとも残念ですね。
全国、大地と鍬の展覧会もあれば、日本の農業の多様性と豊かさを再発見する場になりそうです。
ところで、どうして、鍬づくりを捜したの? は、次に。