松田道雄研究室

駄菓子屋楽校 ~愉快で,楽しく,どこからでも創造する生き方と社会づくりの活動記録~
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2011-06-20

円をつなげよう

先日、今年度の、杉並区のすぎなみ大人塾と、栃木県下野市のしもつけ大人塾が開校しました。
大人の学びの場です。
どちらも、机を囲んでみなで自己紹介をしました。これから、世田谷区でも市民講座が始まります。全国で、このような講座はたくさんあることでしょう。そして、講座内では、丸くなって自己紹介をして、受講生どうしの親睦とコミュニティづくりがはかられていきます。
しかし、それぞれの円だけでは、自分たちだけの世界です。それらの円をつないでいくと、…。
何と豊かな世界が出現するのではないでしょうか?
これからの社会は、かつての村社会のように自分たちだけのサークル(円)内で閉じた社会でも、自分一人がだれかとつながろうと試みる不特定に開いた世界だけでもなく、それらを融合した、半分閉じているけれども、半分開いている、無数の円のつながり社会像が、基本イメージになるのではないでしょうか?
今年の大人の学習の挑戦の一つはこれです。みなさんも、どこかの円に入られて、いっしょにつながっていきませんか?

円でつながろう!ニッポン

2011-06-19

セレンディップと3人の美大生


今日、自転車で山形ツーリングに希望する学生と午前中、散策をしました。福島出身のシオリさん、マリさん、秋田出身のアヤさんです。
旅のおもしろさと創造性は、偶然に発見すること。セレンディピティという英語の語源は、スリランカのセレンディップの3人の王子の旅の物語から来ています。
さて、今日は、どんな偶然の発見があったかと言うと。
その一部をちょっと紹介します。
まずは、集合場所のてっぽう町青空市場で、農園さんが提供してくださっていたきゅうりの料理がおいしく、いただきながら、作り方を聞くことができました。女子大生は、きっと自宅で料理をすることでしょう…

最上義光の墓がある光禅寺を見たところで、工事をするらしき石垣に番号が貼られていました。おや? 「数字の六と九だけ、どうして漢字なの?」という素朴な疑問から…
いろいろ観察しています。

ラクダ、サイ、ゾウに乗って。そう言えば、公園には、いろいろなカラフルな動物がいるんでしたね。

そう言えば。と、その公園の隣のお宅をちょっと声かけたら、工作おじさんの木村さんがいらっしゃいました。拙著『駄菓子屋楽校』の表紙の模型を作ってくださったおじさんです。何と、玄関で、つまようじでつくった工作の数々を見せてくださり、みなに一つずついただきました。
50年後の、工作おばさん! 受け継いでください。

さらに、フィールドワークの野外手帳をつくってもらった竹谷製本所さんにも通りがかりにあいさつしました。
帰りぎわに、上を見上げているのは、植えてから80年というクルミの木。緑の美がなっていました。クルミの木は、西洋ではバイオリンの材料に使われているとか。一体、この木で、バイオリンがいくつできるかなども世間話しました。
このクルミの木が植えられた当時は、この辺には家は一軒もなかったそうです。このクルミの木は、この辺の変貌の生き証人です。現在のまちの中にも、歴史は共生しています。

あこや姫の伝説を教えるために、千歳山のふもとを通っていると、不思議なのれんを見かけました。一体、何屋さんなのでしょうか?
世の中みんな、のんびり屋になったら、心豊かな世界になりそうです。

旅のつどつどで、スケッチやメモをして。のちに、歩いて描くアートマップ第2弾(1作目は、2人組による西の富神山周辺散策マップ)ができるのが楽しみです。
どんな技法と表現による感性豊かな地図ができるか、待っていますよ。

2011-06-18

緑を植える男


山辺町で緑を植えて東京の太田市場に卸している寺嶋タカシ君の畑を見てきました。
彼は、中学校での教え子でした。『木を植えた男』(ジャン・ジオノ)に導かれて、農大に入り、この仕事をしているのだそうです。
総合美術コースに持ってきてくれた、「子羊の耳」ラムズイヤーの花が咲いていました。

これは、彼の青空デスク。瞑想する時の机だそうです。
ちょうど、キジが鳴いて出迎えてくれました。

これは、ひょうたんのアーチ。福祉施設の人たちといっしょに、ひょうたん加工づくりのプロジェクトも行なうそうです。

畑に手伝いに来ていた近藤さん。ラムズイヤーの畑が広がっています。

この植物は、まさに、触って感じる触覚の植物。かすかにハーブの匂いもします。これをどう生かすか?
単に、花屋にそのものを出荷するだけでなく、加工して、生活者にさまざまに利用してもらいたくなるようなものづくりと販売。まさに、農商工連携に芸術を入れて、農相工芸連携。1+2+3、1×2×3=6次産業なら、+アートを加えて、6+a次産業づくり。
いろいろ空想が膨らみました。

何と、それだけかと思ったら、また、歩いて、別の土地も借りているとのこと。そこは、一面のワラビ畑。

まるで、秘密の野生の基地のような空間。
このワラビをも、6+aで、活用したい人いますか?
彼のHPと会社名は、「ブフィヒエ」。
もし、彼と、植物とアートとコミュニティづくりのような活動に参加したい人は、『木を植えた男』に共感し、かつ、かれのHPにある理想に共感する人です。
さっそく、地球環境を救う、とある植物の名札デザインを相談されました。したい人いますか?

2011-06-17

巨大スイカの切り絵


スイカドーム・プロジェクトは、総合美術コースの3つの各ゼミの希望者による共同プロジェクトとして行なっています。
本コースのゼミは、各ゼミごとに縦割りにしばられることなく、このように大きなテーマについては、横断的にモジュール(束)をつくって行なうことも変幻自在にできるのが特徴のようです。

ひたすら投影した巨大な輪郭を切り抜く作業が続いています。

一方、社会をブンブンとみつばちのように飛びまわってアートの受粉をしかけていく私のゼミ(通称:ぶんぶんゼミ)のメンバーは、半数以上がスイカ・プロジェクトでない別の活動を行なうことを希望して、そちらもチームと活動づくりの相談が始まりました。

来週かからは、メンバーのみつばち全員の動きが活発になっていくことでしょう。

スイカチームのほうは、当日の天気も願い、てるてるスイカもつくらねば、と話していました。




夕暮れ時に、外に出てみると、久しぶりにテントウムシに出会いました。

2011-06-16

大地に生きる


来週の尾花沢市のスイカドーム公開制作に向かって、先発隊として、地元を依頼主の藤井さんとまわって、昨夜、学生が制作したポスターを渡しながら、あいさつと告知をしてきました。
その一連の現地めぐりの中で、あらためて感じたことは、土地に生きる喜びです。
最も印象深いシーンを2つ紹介すると、
スイカドームを下塗りしてもらっていた、おしどり若夫婦のペンキ屋さん、西塚さん。4歳のお子さんがいるそうです。
作業を見ていると、息がぴったりです。当日も、夫婦でついてくださります。


スイカ畑を見にいったら、そこに偶然に居合わせたスイカ農家に情熱を傾けている2人のおじさんと意気投合。
「おれたちは、あの二つ森山を眺めながら、スイカをつくっている。」
ふるさとの山ふもとで、3人の男が生きています。
宙を漂うような感じで、東京から山形に戻り2か月以上が過ぎ、何か、大地に生きる感覚を取り戻しつつあります。
山に囲まれた小盆地宇宙の中で。

なぜ、自分のところだけ、雑草が多いのか? とよく聞かれるけど、これは微生物の力によって、…。だから、味がうまいんだ。おじさんの明るく力強い薀蓄がこだまする感じでした。

2011-06-15

スイカタイム、午後8時45分


スイカ・プロジェクトのナウ進行状況を報告します。
刻一刻と、作業が進んでいます。
型紙を切るチーム、明日私が現地に持参するポスターを制作するチーム、全体のデザインを修正する人、それぞれの分業が、一つの白い空間で行なわれています。






今回の図案のイメージは、どこか、力強く、でも軽やかで、踊りたくなるようなダンサブルなスイカかもしれません。
そうそう、あの勇壮な尾花沢の花笠踊りを思いおこさせるような。
何やら、カーニバル的な祝祭の場が生まれそうな予感です。

2011-06-15

今年の夏は、スイカドーム!


昨日、来週ペイント予定の尾花沢市のドーム型スイカ物産店のペイントデザインのコース内プレゼンが行なわれました。
依頼者の株式会社大達の藤井さん(依頼現場は藤井さんの敷地の、未知の駅「のり蔵」)と当日前後にペンキ職人として補助していただく西塚さんに見てもらいました。

デザイン出展者は、3年生7名。
大変レベルが高い作品ぞろいで、コース長の岡田先生も驚いていました。
目標は、地方の生活の下請けだけからの脱却。主体的な思考・デザイン・制作製造による主体的な生き方と、地方からの発信ができる人材育成と地域づくりです。

さて、どの作品が図案に選ばれたかは、当日のお楽しみ!(または、総合美術の3年生に聞いてください)

今日は、中山町の商工会さんが見えられて、このスイカプレゼンボードを学生の話を聞きながら参観。
スイカ・プロジェクトの次は、東北一の生産の中山町で、スモモ・プロジェクトが生まれる気配になってきました。こちらは、何をするかは、これまた、お楽しみに!

そして、今は、花澤先生が、ご自身がかつて宝塚市で行なった壁画制作の記録を見せながら、プロジェクター投影を使った実物大の型抜きを教えています。

プロジェクトルームでは、岡田先生のアドバイスを受けながら、明日、私が持参して、現地の尾花沢市をまわって配布するチラシ・ポスターを作成しています。
これは、第1次案。明日は、さらに改良されたものが、尾花沢市のどこかかにかに置かれます。
チームとしてのプロジェクトが進行しています。
私の明日の役割は、このスイカペイントを、それだけでなく、どれくらい広がる展開になっていくかを種まき、仕掛けることです。
当日は、千客万来。もし、よろしかったら、来てみませんか? いっしょにペイントしてみますか?

夜は、銀山温泉に宿泊して、温泉活性化談義などもしたいと思います。

2011-06-15

人もだれでもが地球上の花になる


ふと身のまわりを見渡してみると、何とたくさんの花があるのだろうか?
今日、自分が歩いたところに咲いていた花を数えてみると、いくつの花に出会ったのだろうか?
一体、この地球上には、いくつの花があるのだろうか?
どうして、こんなに、さまざまな花があるのだろうか?
なぜ、花を咲かせるのだろうか? 
一体、だれのために見せているのだろうか?

踏みつけてしまいそうな足元に咲いている花

コンクリートのスキマに生きて咲いている花

枯れそうになっていたのを、光を当ててもらい水やりをしてもらい目をかけてもらって咲いた花

大切に育てられて値段をつけられた有用植物の花

背は低くても太陽に向かってさんさんと開いた花

家族といっしょに住む庭に植えられている花

実はだれもが知っているけれども、その前の姿はそれを育てている人しか知らないかもしれない花
花の咲く時期はさまざま。
人も同じように、だれもがこの地球上の花になる。

(ぼくの花がさくのは、まだまだ先かなあ。)

2011-06-12

トマトの積み木


先日、天童市のとあるランチが、ひさびさにとてもおいしく実に満足だったと妻が語りました(自分だけいいなあ、と聞きながら)。その満足感は、単に味のうまさだけではないようでした。
前菜から感動したとのこと。話だけ聞いていてもわからないというそぶりをしたら、実演見せてくれました。
トマトとタマネギとドレッシングだけのものだったそうですが。
通常は、トマトを皿にはこんな風に横に並べますよね。

ところが、その店で最初に出た皿には、何と!トマトの積み木(トマドの石垣)のように積まれていたというのです。
タマネギをかけると、雪だるまのよう。
一体、どのようなトリックで、こうなるのか?
みなさんも、台所で実験してみてください。

このランチの満足感は、この店のシェフの感性と技によるもののようです。
ふと、研究室の丸テーブルには、先週、ここで学生が打ち合わせをしていた時に、一人の学生がつくっていった、ネフ社のセラの積み木の造形が、そのままになっていました。
この形は、セラのいくつかのパタンを紹介したポスターにはありません。その学生の独自の感性による造形です。
造形のセンスは、私たちの身の回りや生活や仕事やビジネスの、もっと思わぬいろいろなところに生かすことができそうです。
みなさんも、思わぬ生かし方をされた方は、紹介ください。

 松田道雄 dagashiyamatsuda@gmail.com

2011-06-11

歩いて描く・描いてあげる


先日、門伝地区のフィールドワークをした翌日、さっそくミホさんが持ってきたスケッチがこれです。

これに、実際の地図と、メンバー各人のコメントなどを盛り込んでできた、フィールドガールズの勝手にマップ第1号が、できました! パチパチパチ!
ちゃんと、グループ名もできました。
これを新清堂さんの店などに置けば、社会的な反応が生まれてきます。1号がでれば、2号は生まれやすくなります。一番大変なのは、何もないところから、まず、生み出してみるということです。
2号以降は、いかに改善変容発展させていくか?が醍醐味になります。

今日は、午前中、2回目のおしゃべり手芸の会を元木公民館で行なってきました。何と、地区内にまわった公民館だよりに案内されたことで、参加者が一気に殖えました。
人生を豊かにするコミュニティづくりとは?
最も手軽に無理なく自分たちで楽しくできることは、
手を動かしながら、語り合うこと。
手で生み出した余剰物(技)をおすそ分けすること。

芸工大生代表のような感じで一人参加したシオリさんは、小さなスケッチにさっと同席のおばさんを描いてプレゼントしました。

シオリさんの本業のスケッチブックを見に、みなが集まってきました。こんな風にして、自分の持ち味を見せて、信頼関係ができてくれば、スケッチを学びたい人は、この場から派生して、シオリさんのスケッチ教室もできてもいいことになります。
世の中の人間関係は、一方的な贈与はあまりないでしょう。次回以降、きっと、シオリさんも、いろいろなおばさんから、いろいろなおすそ分けをいただくかもしれません。
自然にお互い様の関係性が出来るまでには、時間がかかるのかもしれませんが、それこそが、コミュニティづくりの営みではないかと思います。
毎月第1土曜日、10〜12時、元木公民館で、おしゃべり手芸の会が、定着していくことになりそうです。
次回は、7月2日ですね。
みなさんのところでもいかがですか?


先日、ミホさんがスケッチを見せに研究室に来たとき、県庁の子育て支援課の高橋さんが来室されました。その時も、同席していたミホさんは、自分の余芸で、さっと高橋さんの似顔絵を描いてプレゼントしました。
県庁の高橋さんのデスクに、今、飾られていますでしょうか?
他者に自分のちょっとの技芸でおすそ分けする。これは、種から育てた苗をおすそ分けする農村共同体の原理を応用したものです。
自分の技芸を生かしてコミュニティをつくっていく。
アーツ&コミュニティのプロセスが、いよいよ見せる化されてきました。

 よろず問い合わせ 松田道雄: dagashiyamatsuda@gmail.com

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