卒業おめでとう!
美術史・文化財保存修復学科4年生、
大学院 保存修復領域2年生が卒業を迎えました。
修士修了生を代表し、
芸術学専攻 保存修復領域 大和あすかさん(美術史・文化財保存修復学科 保存科学卒業)が
修了の辞を読み上げました。
ご紹介いたします。
修了の辞
本日は、根岸学長及び白杉大学院長、教職員の皆様をはじめ、多数の皆様のご臨席の下、このように盛大な卒業・修了式を催していただき、修了生一同、心より厚く御礼申し上げます。
さて、私たちが本学大学院へ入学して以来の2年間を振り返りますと、そのほとんどの時間を創作活動や調査・研究に費やして来ました。学部以上に自身の研究に没頭できる大学院の授業は、基礎的な知識を身につけるだけではなく、自身の研究をより多角的に捉え、より深め、大学院という研究機関だけに留めるのではなく、社会への還元性の高い研究へと昇華させることを強く意識しなければならないことを学ぶ機会となりました。
そもそも私は、大学院の中でも保存修復領域という文化財保存を目的とする領域に在籍し、保存科学を専攻してきました。科学と芸術が好きという単純な理由で進学を決めたのは、6年前の大学受験の頃です。科学と芸術は、現代では分離したものと考えられ、同時に学べる大学を見つけることにも、当時、苦労した覚えがあります。しかしながら、私の中で、科学と芸術に対する根本的な関心や歓喜する気持ちというものは全く違いのないもので、どこに共通性を感じているのか、私自身、長い間考え続けてきました。その一つの答えとして、宇宙飛行士であり医者であり舞踏家でもあるメイ・ジェミソンがこのようなことを言っています。「科学と芸術は、人類の創造性の権化である。科学とは、個人に依らない普遍的な経験や理解を他者に働きかけようとする試みであり、芸術は、私達の願いや思いを個人特有の経験を通して他者に働きかける試みである」。
つまり、科学と芸術の根源には、人間の創造性が共通して存在し、最終的な表現方法が異なるだけの同一の産物であるということです。わたしが、この事に気づくことができたのは、科学と芸術を同時に学ぶことができた、この大学で過ごした日々に他なりません。
また、大学院での日々は、出会いの時でもあったように思います。
私は、この2年間で多くの素晴らしい方々に出会い、この大学で行った研究によって新たな出会いを与えられ、研究を深める道しるべとなる言葉を与えられてきました。そして、お世話になる方々、気に留めてくださる方々が増える度、感謝と共に、自身の行動を振り返り、身の引き締まる思いがしました。
私たちは、本日を持ちまして本大学院修士課程を修了し、それぞれの道へと進んで行きます。修了生一同、この大学院で学び努力した日々とお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れず、更なる目標に向かい前進できるよう精進して行きたいと思います。
最後に、これまでご指導下さいました諸先生方、職員の皆様、そして、いつも私たちを温かく見守って下さったご家族の皆様に、重ねて御礼申し上げますと共に、皆様のご健康と東北芸術工科大学の更なるご発展を祈念し、修了の辞とさせていただきます。
2014年3月21日
芸術工学研究科芸術文化専攻保存修復領域
大和あすか
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