文化財保存修復学科

立体作品修復/東洋絵画修復/西洋絵画修復/保存科学
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2010-08-09

「線装本」と「大和綴」


7月31日と8月1日のオープンキャンパス2には
暑い中 多くの方にお越しいただき有難うございました

普段はあまりお話しをすることがないような(とても若い方)と話をしますと
ふと 自分がこれまで何をしてきたのか
そして これからどうしようとしてるのか
思い直す瞬間がたびたびありました

思い立ったら すぐ 行動するのが良いと思います
気になったら いつでも どうぞ 見学にいらしてください

それから 学生さんには
今回もいろいろ沢山おねがいしました

自身の勉強で壮絶に大変な中
非常に健闘いただきました

ありがとさんでした


===

さて 先週は集中講義期間でした

4か月かけて行う 授業を わずか 4日間で行います

想像通りの 壮絶な授業です

今回は幾つかあった授業の中から ひとつ ご紹介

古文書・古典籍の知識と修復技術についてをまなぶ
「修復技術特論4」という授業です

隔年開講なので先生とは2年ぶりです
(といっても副手は はじめましてですが)

どのようなことをするのでしょうか。。。

このようなことをします

1.古文書・古典籍の現物資料についての説明

修復技術の習得前には、古文書・古典籍の装幀(そうてい)形態と料紙(りょうし)を把握することが重要であるので装幀形態と料紙を学びます

参考テキストは膨大です さらに参考の参考資料が加わります


2.古典籍の二種の製本作業

修復技術を学ぶ以前に 実際に製本作業を行うことで 装幀形態を学びます

先生は「適当だ!」と仰って ひょいひょいとみせてくださるのですが

繊細な作業のうえに 結構な力を要しますので 学生さんは 四苦八苦です 

ものさし は センチメートルではなくて 尺寸ですし (でも皆さん結構慣れています)

使う道具は 専門的なものから 調査で使う顕微鏡から
既存のものを使いやすいように工夫したものまで様々です

しかし すべてが 合理的で 無駄がなく 
また 取り扱う先生の所作は とても美しいのでした

今回の 受講者が 取り組んだ 製本
「線装本(せんそうぼん)」と「大和綴(やまととじ)」です

使うのが勿体ないくらいの 出来栄え (先生からは色々言われましたけれど) です

3.損傷史料の調査票作成・修復作業の解体から復元まで

修復作業に必要な調査票作成方法・解体

クリーニング作業後の修復作業についてを学びます

すべての作業行程は 先生の持参された 現物史料を用いています

説明を受けながら 直に史料に触れて行いますので

興味・関心は勿論のこと 

ここから技術を習得したいという気持ちが ぐっと強くなります

そして 何より ものすごく 緊張します



今回は 基本作業のごくわずかを教えていただいたのですが

先生曰く

紙の幅広さ・奥深さは 何十年携わっていても尽きないと仰います

加えて 大切なことは 

一度決めたのならば 徹底的に打ち込むこと
 
それを50年以上続けてきた先生の言葉には 凄みと重み を感じます

さて この授業を受講された学生さんは

分担して作品を任されていて

この夏季休業期間にもなお作業を進めていくそうです

また 4年生に受講者には 装幀について研究をされている方もおります

まだまだ 勉強することはたくさんあるけれど 探究心を持ってがんばりましょう〜

副手はまずは コヨリ を つくれるように頑張ります

それでは よき お盆休みを〜

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