2012-08-19

3年生 近自然工法 2009年

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課題概要

「千歳山公園」は千歳山の麓の、秋庭山、雷神山に挟まれた傾斜地に位置し、周囲には数々の自社が建ち、加えて、後背の平清水は古来窯場の集まる陶里として知られ、千歳山と合わせて都市計画法による風致地区に定められており、緑濃い屋敷町の趣を残し、自然と親交の一大拠点と目せる場所生を有したところです。しかし他方では、地区を貫く恥川のコンクリート護岸築造など、当の場所性の遺失が建年される面もあり、こうした場所性を理解し、その本質的継承・進展に寄与するデザイン解を導くことを目標としています。

 

最優秀賞

意識の昇る公園を目指して
野呂光平、工藤裕太

対象地一帯は、縄文時代より「端山信仰」の舞台となった。死者の霊が公園の背後に控える千歳山へと昇り、子孫を見守るというもの。それ故、千歳山は人々にとって特別な意味を持ってきた。ところが現在はそのような場所性が、宅地化や国道開発によって薄れつつある。そこで、人々に千歳山への意識を想起させる公園を、大地を構成する流紋岩の「みち」によって構想した。染井吉野の下を潜るみち。平清水焼の窯に使われていた赤レンガによる切り通しのみち。千歳山の植生を構成する赤松の下を潜るみち。それ故、千歳山は人々にとって特別な意味を持ってきた。ところが現在はそのような場所性が、宅地化や国道開発によって薄れつつある。そこで、人々に千歳山への意識を想起させる公園を、大地を構成する流紋岩の「みち」によって構想した。

 

[講評]
日常的な生活空間の一部となった当地に地区本来の精神性を回復しようと構想し、材料・工法・構造・造形について緻密に検討をしつつ、創造性と具体性を兼ね備えた質の高い提案を作成した。自身の志向に適う表現手段を開発できたことも評価する。(廣瀬俊介)

 

優秀賞

人と公園を結ぶ建築、人と場所を結ぶ公園
上原由吏江

[講評]
地形、潜在的植生についてよく調べ、地区の人々の生活についてよく考えながら、土地の可能性を総合的に引き出して周辺の暮らし手の日常を豊かにし得る提案を作成した。確かにこの場に合うと同意できる感性的着想と、これを具体化する方法を明確に提案した。自身の志向に適う表現手段を開発できたことも評価する。(廣瀬俊介)

 

人と公園を結ぶ建築、人と場所を結ぶ公園

菅野彩菜

[講評]
確かにこの場に合うと同意できる感性的着想と、これを具体化する方法を明確に提案した。自身の志向に適う表現手段を開発できたことも評価する。(廣瀬俊介)