2006-12-19

マコガレイの干物から

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve

コガレイの干物を炭火であぶると皮が香ばしく、お酒も進みます。ここは、いわきの四倉漁港。「四倉ふれあい市民会議」の皆さんと町歩きをしたのち、美味しい魚をご馳走になりました。いわきには四倉のほかいくつもの港があり、水揚げされる魚が少しずつ異なります。海底地形の違いから行える漁の形式はかわり、棲む魚も変化します。こうした話を聞くほどに、私は大地の生いたちや風土の成りたちが知りたくなります。四倉ならではの広場や公園を設計するとしたら参考となるでしょうし、魚の美味しさの理由をはじめとして地域の特徴が丁寧に説き明かされた冊子があれば、人びとは四倉での時間をより味わい深く過ごせるようになるとも想像できます。私はこんなことの一つひとつが環境デザインだと考えています。

2006-12-04

松本研究室の冬のワークショップ(雪と氷の街づくり)

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve


雪と氷の街づくり2006より

建築の構造は、新しい材料の登場によってその可能性を広げてきた。近代建築の開放的で軽快な構造は、鉄とコンクリートとガラスという新しい材料によって可能になったといっても過言ではない。今日、新材料が頭打ちになった感があるが、我々の周りを見渡せば、まだまだ使われていない優れた材料がたくさんあるのではないだろうか?雪や氷は北国ではやっかいものであるが、それを使って建物を造ることに挑戦してみた。冬になると自然が山の上まで運んできてくれ、春になると融けてなくなり、裾野を潤す「雪」という材料は、究極のエコマテリアルである。月山の志津温泉は6mを超える積雪に悩まされてきたが、その多量の雪を利用して60里街道の街づくりワークショップを3月末に開催する。皆さんの積極的参加を期待する。

2006-12-04

薪ストーブのある暮らし

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve

寒さから身を守ることは建築をつくる目的の一つでもあります。そして、冬になると日本中ほとんどどこでも暖房が必要になります。寒くなったらストーブのスイッチを入れて暖房。みなさんのストーブは電気か、灯油、ガス、どれでしょうか。でも、これらはそのうちなくなるものです。写真はオーストリアの住宅に置かれた薪ですが、日本でも少し前まではよく見られた風景です。欧米で薪ストーブは今でも人気物。炎は見ているだけでも心温まるし、薪は森がある限り永久に使える環境にもよいエネルギーだからです。快適なすまいをどんなエネルギーでつくっていくのか、考えなければならない時代になってきました。

2006-12-04

滝のある広場

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve

高層ビル街を歩いていると、ときおり「ザワザワ」と心地よい水の音が聞こえてくる。その方向を目指し、並木道に導かれるまま歩いて行くとこの広場がある。
ここは北米オレゴン州ポートランド市の中心部である。アメリカの都市と言えば自動車社会の典型であり、この都市も例外ではない。広い道路が造られ、自動車が人々の足となっている。しかし、そのポートランドの中心部には広場や緑地が数多く点在し、人々のオアシスとなっている。
この「滝のある広場」(フォアコート・プラザ)もその一つである。およそ40年前にローレンス・ハルプリンというアメリカ人のランドスケープ・デザイナーによって設計された。自然の滝を模したダイナミックな水の流れは、周囲の騒音を圧倒し、人々の心を和ましてくれる。この場所を訪れたのは今年の4月、まだ肌寒い日であった。それでも、日光浴を楽しむ若者や、水に戯れる子供たちの姿を見ることができた。
40年の時を経て、人々を魅了して止まない自然の存在感、そして改めて水が醸し出す生命の躍動感に感動した。

2006-12-04

客家の土楼

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve

ここは、中国福建省の山の中にある客家(はっか)と呼ばれる人々が暮らす村です。
彼らは漢民族ですが、その昔移民族である蒙古が中原(ちゅうげん:黄河中流域)を支配にした時、融和を嫌って南下してこの地にやってきました。「客」と呼ばれるのは、彼らもこの地では、招かれざる客だったからです。したがって「守りのカタチ」がこのような中庭を囲んで一族が暮らす大住居を作り上げました。200人が暮らすこの家には、入口はひとつしかありません。夜、軍事衛星が撮影した中庭に漏れる明かりを、米軍がミサイルのサイロと間違えたという逸話の真偽は、定かではありません。(中国福建省田螺坑村)

2006-12-04

茅葺きの村で

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve

十年来、空家となった茅葺きの民家を使わせてもらっている。学生達はここで寝泊まりしたり自炊したりする。その間やってきたことをちょっと披露しよう。まず、農村の、それもかつての伝統的な暮し体験。雪下ろし、草刈り、茅刈り、差茅、炭焼き、そばの栽培とそば打ち。そして夏には街灯がないから天の川や流れ星がはっきり見えて、夜明け前にはヒグラシの大合唱が聞かれる。村づくりの手伝いとしては、峠越えの道しるべ制作や、村の人達といっしょに汗を流した石積みの水路づくり。もちろん研究もやっていて、村の風景、民家や、茅葺きに関する研究、そして村の将来計画策定。でも最も貴重なのは、村の人との交流だろう。参加希望、歓迎です。

2006-12-04

景観シミュレーション

  • home
  • tuad
  • facebook
  • twitter
  • Instagram
  • YouTuve

山形の中心、七日町通りの突き当たりに旧県庁が保存修復されてしばらくして、高層マンションの計画が伝えられました。どうも旧県庁の上に聳えて見えるらしいのです。ある場所(視点場)からどっちが高く見えるかは計算でわかります。でもどんなふうに見えるのか正確な景観を再現すれば、どうしたら良いかも話し易くなります。マンションが実際に建つ前に、仮想現実を作って皆で検討する方法は、まちつくりや町並形成にとって有力な方法です。学生の協力で作成された上のようなイメージが多くの関係者の前でプレゼンテーションされた結果、マンションは階数を低くして旧県庁の上に見えないように建設されました。