2014-01-09

環境的未来型 「樹木の形の不思議」

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みなさん、こんにちは。

山形にはしんしんと雪が降っております。

週末に向けて積もるようですね。(身震い)

 

さて、昨日の環境的未来型特別講座ですが、樹木のスペシャリスト堀大才先生をお招きし、

「樹木の形の不思議」をテーマにお話しをいただきました。

ジェスチャーを使って樹木の枝の付き方について説明をされている堀先生

 

実際に樹木の写真や木片を使って、様々な角度から見ると

いつも何気なく見ていた樹木にも新しい発見があります。

 

様々な性格を持った木片たち

 

とげがあったり、樹皮のつるつる、ざらざら、樹皮の薄さの違い等

同じ樹木でも、それぞれ違う性格があって奥が深く、とても面白いです。

 

身近にある街路樹でも、

枝の付き方(荷重バランス)や、幹の腐食からの空洞化、植え替えの際についた根の傷からの腐食など

外見からすると安全に見えていても、危険な樹木もあるそうです。

 

しかし、樹木は自力で、空洞化した幹を強くする能力も持っています。

 

空洞化して三日月型の断面になった幹について説明されている様子

 

人間の目には見えないところで、樹木は強く生きているのだと感じました。

 

 

当日は一般参加含め約100名の方々が先生のお話を聞きいっておりました。

学生のみなさんも、たくさん得られたものがあったと思います。

 

皆さん、真剣な眼差しです。

 

毎日見ていると思っていた樹木が、実はいろんなものと戦っていたり、共生していたり…。

本当に様々な発見があった環境的未来型でした。

 

渡部先生がおっしゃられていたように、山に行って樹木を観察したくなりました。

…雪が積もらないうちに!

 

 

最後に、当日ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

 

 

2014-01-09

早戸温泉石積み実習 第4回の報告 (廣瀬俊介)

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福島県大沼郡三島町早戸区 (五十嵐和吉区長) の只見川左岸にて、9月16日 (月) より20日 (金) まで、早戸温泉石積み実習を行いました。2010年に始めた施工実習の第4回に当たります。東日本大震災が起きた2011年の7月、当地が「平成23年新潟・福島豪雨災害」に伴う洪水に遭ってからは、被災地支援活動として続けています。

 

なお、当地の空中放射線量は0.07μSv/h前後で、この値を地区の方々と確認の上で学生たちと訪ねています。

 

また、引率と指導は大学院教員の廣瀬、大学教員の田賀、渡部によります。今回はそれを、煉瓦職人の高山登志彦氏 (高山組) と卒業生でランドスケイプデザイナーの渋谷隆太氏 (田賀意匠事務所) に補助いただきました。

 

参加院生、学生は26名 (女性14名、男性12名)で、代表の依田聡太と副代表の笠原胡桃が、主に宿泊 (「早戸温泉つるの湯」が湯治場他の施設を提供) や作業用具 (本学備品の不足分を同区の佐久間建設工業株式会社より借用) に関した調整等を担当しています。

食事を準備する当番の学生たち。地場木材によるモデル住宅「つるのIORI」にて

 

作業の基本は、地区住民が通した遊歩道へ、周囲から得られる石 (デイサイト質溶結凝灰岩「早戸石」) や木 (主に杉材) を用いて土留め工や排水工を「近自然工法として」ほどこすことです。

 

そのことで道を壊れにくく、また歩きよくしながら、道の先や川やその対岸への視線誘導を工夫するなどしつつ「只見川左岸のこの地らしい野趣を醸し、かつ温泉施設の傍らから伸びるこの道に人の手でととのえられた跡が見当たることから、安心感を持ってその野趣が楽しめる」風景の体験が成るように、毎夏の作業に臨んでいます。

 

私たちは、このようなことの全体をランドスケイプデザインと考えています。

 

山側から川側 (画面左手) へ水を導く設えが風景の「地ごしらえ」に

 

今回の作業は、山側の広い範囲から水が集まって河岸を掘り進めている箇所の保護を第一の目的としました。遊歩道の山側に延長約30m、幅1m、深さ50cmの排水溝をもうけ、そこから掘りとった土は川側に盛って、河岸の掘り進められた箇所へ水が行かないように図りました。

 

遊歩道の山側に延長約30mの排水溝を掘る。写真は溝の勾配を確認している様子

 

排水溝の縁を空石積みで押さえる

 

排水溝に集めた水は、2012年に私たちが整備した河岸の斜路 (2011年の洪水に洗掘された箇所の補強を兼ねて、2段の石垣と共に設えた) から流し下ろすことにして、路面を掘り、砕石を込めて水が染み勢いを弱めながら川へ進むようにしています。

 

2012年施工の斜路伝いに、山が受けた雨水が川へ下ろす

 

水の勢いを弱めつつ砕石を押さえるために杉丸太を斜めに渡す

 

また、稲荷神の祠が置かれた小高い場所へ上がる小道が参道として見えるように、フジなどのつる植物を刈り払い、杉丸太を立てて道の存在を際立たせました。

 

祠の参道を整備する。杉丸太の段はここでも水の減勢のため斜めに設置

 

施工最終日。砕石や小枝を拾い、土を均す

 

作業報告会。地区の方々へ参加学生が一人ずつ作業の意図と実際について説明

 

報告会を終えて、学生は写真やスケッチにより作業成果を記録に残す

 

このように土地から資材を得て水理と生態に則して行う技術は土地に合い、私たちが復旧復興の支援に通う津波被災地の環境形成にも (たとえば三陸国立復興公園、三陸ジオパークの部分としてふさわしくするために) 有効と考えています。

 

早戸地区の方々のご協力を得て、近自然工法の応用の上に地域の自然、歴史の解釈と人々の思いを汲むことを志向したランドスケイプデザインが実現できています。そのことに、今年も厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。来夏、またお目にかかります。

 

早戸温泉石積み実習参加者

■企画/設計/施工

廣瀬俊介 (東北芸術工科大学大学院環境デザイン研究領域 准教授)

■設計監修/施工監理

田賀陽介 (東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 准教授)

■運営/設計/施工

渡部 桂 (東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 講師)

■施工監理指導

高山登志彦 (高山組)

■施工指導

渋谷隆太 (田賀意匠事務所)

■施工(ただし各部の構造・意匠を設計者監修のもとに決定)

依田聡太 (東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科3年) *学生代表

笠原胡桃 ( 〃 2年) *学生副代表

菅原かずさ( 〃 3年) *炊事統括

坂本香織 ( 〃 2年) * 〃

庄司はるか ( 〃 3年) *広報

栗田知騎 ( 〃 2年) * 〃

笠原隼也 ( 〃 3年) *資材

山口稜平 ( 〃 2年) * 〃

菅 拓哉 (東北芸術工科大学大学院 環境デザイン領域2年)

遠藤直人(東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科4年)

小澤絵莉奈 ( 〃 4年)

熊谷悠子 ( 〃 4年)

島貫梓真( 〃 4年)

鈴木富水佳( 〃 3年)

佐藤 享( 〃 2年)

高梨光剛 ( 〃 2年)

武山加奈( 〃 2年)

齋藤綾子( 〃  美術科洋画コース2年)

青木陽太郎( 〃 建築・環境デザイン学科1年)

佐藤ゆり( 〃 1年)

佐藤亨樹 ( 〃 1年)

田村奈緒美 ( 〃 1年)

中塚日菜 ( 〃 1年)

原田章江 ( 〃 1年)

松本晴夏 ( 〃 1年)

佐藤駿平 ( 〃 2年) *前半のみ参加

 

以上

 

追記

これまでの実習報告が、東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科ウェブサイトにてお読みいただけます。

 

第1回報告:

http://gs.tuad.ac.jp/a+e/index.php?ID=183

第1回続報

http://blog.tuad.ac.jp/ae/archives/194

第2回報告:

http://gs.tuad.ac.jp/a+e/index.php?ID=236

第3回報告:

http://gs.tuad.ac.jp/a+e/index.php?ID=254

 

2014-01-06

新年のごあいさつ

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皆様、あけましておめでとうございます。

昨年は様々なイベント・プロジェクト等を行うにあたって、

たくさんの方々にご協力いただきましたことを心より感謝しております。

本年も、どうぞ宜しくお願い致します。

 

準備室も、本日から通常運転です!

長かった正月休みで十分な休息を取ったとはいえ、小寒を迎えた山形はものすごく寒い!!!

 

 

この写真で寒さが伝わりますでしょうか。

この時期はどうしても、布団から出るのが億劫になりますよね。

 

ところで、お正月に見た初夢はどうでしたか?

 

初夢で見ると縁起のよいものを上から順に
「一富士、二鷹、三茄子」といわれるのはご存知でしょう。
実はこれには続きがあって、
「四扇(しおうぎ)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)」と
続けることもあるそうです。扇は末広がりで「子孫繁栄」や
「商売繁盛」の意味、煙草は煙が上昇することから
「運気上昇、座頭は毛がないことから「怪我なし」や「家内安全」の意味があるんだとか。

 

どんな夢でも、皆様にとって良い年になりますように!