2009-07-10
風景を読む
目の前の風景はなぜそう見えるのか? このことに、私はいつも並々ならぬ興味を抱いてしまいます。山のかたち、雨や雪の降り方、草木の種類、村や町の位置、建物のかたちや庭のつくり、人びとの暮らしぶり……どれにも当たり前では済まされない理由があると思うのです。
私は「風景の観察」を行うようになりました。風景をスケッチしながら、です。目に見えるもののそれぞれについて細かく把握ができていなければ、風景は描けません。自然、そこにあるものごとを注視する必要が生じます。知らないこと、分からないことに気づきやすくもなります。それらについては絵を描き上げてから調べ、分かったことは絵のかたわらに順に書き添えます。
そのように、場所をかたちづくる様々なものごとや、それぞれのものごとの間にある関係を、私は読み進めます。「風景を読む」ことから、私のデザインは始まります。