2007-12-27

場所の記憶

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時の流れの中で,街は少しずつリニューアルされていく。古い建物が壊され、新しい建物に生まれ変わっていくのは世の常である。しかし、すでに役割を終えた古い建物も,住む人にとっては慣れ親しんだ風景である。その一部でも残すことができれば,市民の心の中で時間は途切れることなく、「場所の記憶」も途絶えることがない。
この写真を良く見てほしい。道に沿って、手前側には鋼材を使ったフレーム状のオブジェが造られている。そして向こう側には、かつてここにあった古い建物のレンガの壁だけが残されている。ここを通りかかったとき,鋼材のオブジェを造った意図が分からなかった。しかし、歩いていくうちに、レンガの壁に気づき、その意図が私にもはっきりと分かった。「場所の記憶」を伝えるための方法は実に多様である。古いものをそっくりそのまま残すだけではないのだ。しばし感慨にひたった旅の一コマである。(米国オレゴン州)