2009-03-19
なぜ木造建築なのか。
オーストリアに行って、すっかり林業への理解を深めてきました。オーストリアはすごいなあと思っていたら、国土にしめる森林の割合はあまり変わらないんです。むしろ、日本が多いくらい。そういうときの言い訳に、日本の山は急峻だからむずかしいんだといわれたちもしますが、今回行ってきたオーストリアもアルプスがあるくらいですから、それもあまり変わりません。日本は、輸入木材が安く手に入るので、日本の林業が衰えてしまったという指摘がありますが、それはそうでしょう。
これからの環境を考えるのに、二酸化炭素の排出量を減らす必要がありますが、木材に関しては二酸化炭素は増えないのです。たまたま、そこにある二酸化炭素を固定化しているのは木なので、いくら木を使ってもカーボンニュートラルといえるのです。
さて、昨年、一度ガソリンがものすごく値上がって、社会のいろいろな場面で支障を来したのをみなさんは憶えているでしょうか。OPECが価格を操作しただとか、投機筋の資金が流れたとか(言ってる本人がどういうことなのかよくわかりませんが、)言われていますが、確実にいえるのは、石油の値段は日本人が決められないということです。
森林はいま、手入れが必要です。間伐をしないと大きな木が育ちませんし、山も荒れてしまいます。
昨日の新聞でも、森林組合の赤字の問題が出ていましたが、そこはなんとかする必要があります。県や町が直接関わるようなことがあってもよいのではないでしょうか。いま、都道府県がこれを積極的に進めると、日本の森林の多い地方は、確実にエネルギーの自立に近づきます。これこそ、グリーンニューディールと言えるでしょう。
さて、林業全体の話しはいいとして、ファアールベルグ地方には、モダンな木造建築がいっぱいありました。どれもかっこいいんです。伝統的な物も多くあります。でも、そうではないモダンなものも多くあって、うまく風景に溶け込んでいました。こういう建築いいですねえ。