2007-12-27

森をつくる

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密生したスギ人工林の間引きを行う間伐作業

 

写真は大学の裏山です。山形盆地(村山盆地)の東部に位置し、火口湖「お釜」、温泉、スキー場で有名な蔵王の裾野でもあります。山形市のまちは、盆地の底に程よくまとまっており、周辺には豊かな農地や自然が広がっています。この斜面もそんな農地や自然の一部で、言わば屏風のように、山形の風景の背景を成しています。しかし、近くに寄ってみると荒廃している場所も多く見られます。自然と人間の関わり方が変化してきた結果です。
ここで私たちは森づくりを行っています。身近な環境を守り育てる活動から環境の意味や豊かさ、自然との付き合い方を知り、体を使いながら未来の環境について考えています。

2007-12-27

場所の記憶

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時の流れの中で,街は少しずつリニューアルされていく。古い建物が壊され、新しい建物に生まれ変わっていくのは世の常である。しかし、すでに役割を終えた古い建物も,住む人にとっては慣れ親しんだ風景である。その一部でも残すことができれば,市民の心の中で時間は途切れることなく、「場所の記憶」も途絶えることがない。
この写真を良く見てほしい。道に沿って、手前側には鋼材を使ったフレーム状のオブジェが造られている。そして向こう側には、かつてここにあった古い建物のレンガの壁だけが残されている。ここを通りかかったとき,鋼材のオブジェを造った意図が分からなかった。しかし、歩いていくうちに、レンガの壁に気づき、その意図が私にもはっきりと分かった。「場所の記憶」を伝えるための方法は実に多様である。古いものをそっくりそのまま残すだけではないのだ。しばし感慨にひたった旅の一コマである。(米国オレゴン州)

2007-12-27

要塞住宅カスバ

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見渡す限りの砂丘の真ん中にポツンと立つ一本の椰子の木と泉。オアシスというと、そんなイメージが子どもの頃から頭にありました。
地中海からハイ・アトラス山脈を越えると、そこはサハラ沙漠の入口。この辺りには、カスバと呼ばれる土でできた要塞住宅が点在しています。しばらく街道をゆくと、荒涼とした大地に突如として広大な緑のジャングルが目に飛び込んできます。これがオアシスです。想像をはるかに上回る圧倒的な迫力。周りは生命が存在しないかのような土だけの世界。しかし、ここだけは違います。人間も水が無くては生きてゆけません。カスバはひっそりと佇んでいます。(ティネリール、モロッコ)

2007-12-04

ぼくが建築家になった理由

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愛・地球博 トヨタグループ館/設計 みかんぐみ

それは高校時代のあるできごとがきっかけである。行事がやたら多い学校で体育祭とかがとても盛り上がっていた。なかでも3学年とおしたクラス対抗のパフォーマンスは、時間にすればたった10分だけのことなのだけれど、夏休み前から何ヶ月もとおして準備をするようなものだった。衣装や大道具はもちろんのこと、振り付けや音楽まで決め、なにかテーマを表現するイベントだった。45人×3学年=135人もいるから、意見もまとまらず、途中は大変なのだが、みんなで力を合わせてつくるという今まで味わったことのない何かがあった。
実際の社会でも同じことをやりたいと思って、巡り会ったのがこのしごと。たいへんだけど、それよりも楽しい。

2007-12-04

歴史を活かす環境デザイン

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山のように見えるものは何でしょう?
実は、これ、住宅です。住宅とは言っても縄文時代の竪穴住居。浅川滋男先生(鳥取環境大学教授)の研究成果に基づき土葺き屋根になりました。すると屋根に草が生え山のように。縄文人たちは自然と一体化して暮らしていたようですね。こうして歴史の風景を現代によみがえらせたり、歴史遺産を現代に活かすのも環境デザインの仕事です。撮影者(小林)も計画メンバーに加わりましたが、考古学、歴史学、建築、環境デザインそして地元の知恵、多くの知恵を集めてできた御所野縄文公園(岩手県一戸町)の風景です。

2007-07-31

アマゾンに浮かぶ家

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アマゾンは,河というよりも巨大な湖です。雨季には広大な熱帯雨林が水没してしまいます。雨季と乾季の水位差は10メートルもあるので、水辺の家々は水没してしまいます。うっかり水位の低い乾季に家を建てると、半年後にはピラニアの舞う竜宮城になってしまうかもしれません。ですから、水上で生活する方がずっと便利なのです。イカダの上に建てられた家は、アマゾン河とともに上下し、水位を気にせずにボートも係留できて、快適そのもの。自家発電でテレビだって見られます。子どもたちは家から河に飛び込んで遊んでいます。水が怖くてはアマゾンで生きてはいけません。(ブラジル、マナウス近郊)

2007-07-31

キャンパスサイドに山形1000年の歴史…

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山形は実に歴史豊かな土地です。大学から西へなだらかな坂を下ると、鳥居ヶ丘という地名があります。住宅街の一角に、その名の通り「元木の鳥居」が立っています。鳥居といっても凝灰岩の太い棒を縦横に組んだだけのような、無骨な形が実に印象的な姿です。実は、これが造られたのはなんと平安時代!千年以上も風雨にさらされ続けてきた日本最古の石鳥居なのです。鳥居の背後ははるかに蔵王、瀧山の山並みです。かつてこの地で稲作を営む人々が、豊作を願い、恵みの雨を与えてくれる山々を神と崇めた遺跡でもあります。素朴な造りは、延々と続いてきた地元の生業(なりわい)や信仰の姿を伝える形でもあるのです。しかし、東京や鎌倉でも現存最古の建築は室町時代までしか遡れないというのに、平安期の国宝級のお宝が、現代住宅のすぐ横に何気なく立ち、しかもこの手で触れることさえできるとは…。う~む、山形の歴史建築おそるべし!

2007-07-31

キャンドルスケープ in 山形

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地球温暖化は最近大きな話題となっていますが、来年2008年から京都議定書という対策に向けた約束が始まります。
大きな問題ですが、対策は身近なところにあります。6月16日、東北芸術工 科大学の学生環境サークル「チームECO」は七日町商店街、山形市、山形県と連携し、『キャンドルスケープin山形』を実施いたしました。旧県庁(文翔館)を中 心に約千個のロウソクでまちを灯し、電気に頼らない、ゆるやかな時間と空間 の心地よさを感じてもらうことで、私たちのライフスタイルについて考え、省 エネに取り組む機会を作ろうというものです。使用するロウソクの容器は地元 の小学校から協力を得て給食の牛乳パックを使用しており、子ども達とともに ロウソクの配置や着火を行いました。
キャンドルスケープ in 山形は、様々な人々と手を結ぶことでロウソクの風景を つくり、環境を守ろうとする、環境のまちづくりです。

2006-12-19

マコガレイの干物から

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コガレイの干物を炭火であぶると皮が香ばしく、お酒も進みます。ここは、いわきの四倉漁港。「四倉ふれあい市民会議」の皆さんと町歩きをしたのち、美味しい魚をご馳走になりました。いわきには四倉のほかいくつもの港があり、水揚げされる魚が少しずつ異なります。海底地形の違いから行える漁の形式はかわり、棲む魚も変化します。こうした話を聞くほどに、私は大地の生いたちや風土の成りたちが知りたくなります。四倉ならではの広場や公園を設計するとしたら参考となるでしょうし、魚の美味しさの理由をはじめとして地域の特徴が丁寧に説き明かされた冊子があれば、人びとは四倉での時間をより味わい深く過ごせるようになるとも想像できます。私はこんなことの一つひとつが環境デザインだと考えています。

2006-12-04

松本研究室の冬のワークショップ(雪と氷の街づくり)

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雪と氷の街づくり2006より

建築の構造は、新しい材料の登場によってその可能性を広げてきた。近代建築の開放的で軽快な構造は、鉄とコンクリートとガラスという新しい材料によって可能になったといっても過言ではない。今日、新材料が頭打ちになった感があるが、我々の周りを見渡せば、まだまだ使われていない優れた材料がたくさんあるのではないだろうか?雪や氷は北国ではやっかいものであるが、それを使って建物を造ることに挑戦してみた。冬になると自然が山の上まで運んできてくれ、春になると融けてなくなり、裾野を潤す「雪」という材料は、究極のエコマテリアルである。月山の志津温泉は6mを超える積雪に悩まされてきたが、その多量の雪を利用して60里街道の街づくりワークショップを3月末に開催する。皆さんの積極的参加を期待する。

2006-12-04

薪ストーブのある暮らし

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寒さから身を守ることは建築をつくる目的の一つでもあります。そして、冬になると日本中ほとんどどこでも暖房が必要になります。寒くなったらストーブのスイッチを入れて暖房。みなさんのストーブは電気か、灯油、ガス、どれでしょうか。でも、これらはそのうちなくなるものです。写真はオーストリアの住宅に置かれた薪ですが、日本でも少し前まではよく見られた風景です。欧米で薪ストーブは今でも人気物。炎は見ているだけでも心温まるし、薪は森がある限り永久に使える環境にもよいエネルギーだからです。快適なすまいをどんなエネルギーでつくっていくのか、考えなければならない時代になってきました。

2006-12-04

滝のある広場

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高層ビル街を歩いていると、ときおり「ザワザワ」と心地よい水の音が聞こえてくる。その方向を目指し、並木道に導かれるまま歩いて行くとこの広場がある。
ここは北米オレゴン州ポートランド市の中心部である。アメリカの都市と言えば自動車社会の典型であり、この都市も例外ではない。広い道路が造られ、自動車が人々の足となっている。しかし、そのポートランドの中心部には広場や緑地が数多く点在し、人々のオアシスとなっている。
この「滝のある広場」(フォアコート・プラザ)もその一つである。およそ40年前にローレンス・ハルプリンというアメリカ人のランドスケープ・デザイナーによって設計された。自然の滝を模したダイナミックな水の流れは、周囲の騒音を圧倒し、人々の心を和ましてくれる。この場所を訪れたのは今年の4月、まだ肌寒い日であった。それでも、日光浴を楽しむ若者や、水に戯れる子供たちの姿を見ることができた。
40年の時を経て、人々を魅了して止まない自然の存在感、そして改めて水が醸し出す生命の躍動感に感動した。