2009-05-26

合意形成

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いやー、ずいぶん書いていないことに気がつきました。
いそがしかったのもあるのですが、それ以上に何を書いたらよいか、考えていた部分もあります。(いい訳ですけど。)

ただ、ここ何日かの間で、卒業生から「読んでいるよ。」といわれ、ちょっと嬉しいです。意外なところにも読者はいるのですね。

さて、いろいろな考えが、ある程度まとまったので、少しずつ書いていきたいと思います。
まずは、マエキタさんの授業から。

5月7日と14日に2回授業が行われました。環境に対して、さまざまな活動をされていますが、そのきっかけは意外と小さく、でも、動き出すと大きな流れになるということ。だから、だれもが参加できるし、参加できる方法を探そう。といったことだっと思います。その具体的な方法は、ダイアログカフェという、カフェの延長戦上にあるのだとも。

むずかしいですね。

すこし、マエキタさんの活動の説明をしましょう。

彼女はもともとは大手広告代理店でコピーライターをしていたのですが、夏至の夜に、電気のことを考えるイベント。電気を消して、ろうそくで過ごそうという「100万人のキャンドルナイト」などのキャンペーンなどで、身近な環境に対する問題が大きな流れになることを知ったり、ホワイトバンドという腕に白いバンドを巻く。(流行ったから、知っている人も多いかも。)という運動で、世界の貧困に対する大きな意識を気づかせて、多重債務の国の債務の帳消し(借金の棒引きですね。)を実現化させたそうです。こう書くとすごく偉い感じの人のような印象を受けますが、そんなことはなく、人に威圧感を与えたりはなく、やわらかい印象の人です。あと、もう一つは、めちゃくちゃ、ポジティブなこと。つい、環境や平和のような、概念の大きいことに関しては、ネガティブに、「やっぱり、今の世の中がこうなのだから、あまり、かえることはできない。」と思いがちですが、「あるとき、みんながこうってきめたら、案外簡単なのよ。」と涼しい様子。いろいろな動きを創ってきたからこその発言は重みと同時に、なかなか現状でうまく行かないと思っている人たちに希望を与えてくれます。

そんな彼女が紹介してくれたのは「ダイアログカフェ」という手法。一方的な講演会ではなくて、みんなが10人単位ぐらいのグループをつくり、話し合い共通の意見をまとめます。そこで、まとまったことを発表し、その発表を経て、そこに集まっている人の意見をまとめていくというやり方です。お互いに話すことで、意見の対立もあまり、大きな違いがない。あるいは、それぞれの立場の違いが意見の違いになっているということを気がつかされるとのこと。日本では一般的ではないので、すこし、このこと自体、練習しなくては行けないとも言われました。

なるほど。私も建築の事務所を共同でやっているので、いろいろみんなで議論して、一つのことを決めていきますが、そのときの合意形成のことを考えると意外と近いのかもしれないと思います。もちろん、趣味も意見もちがうので、意見が分かれることがあるのですが、意見の違いではなく、どうしてそれがちがうかというバックボーンを考え、そこをすりあわせてくると意外と新しい結論が導かれたりします。それは、お互いの主張していたこととはちがうのですけれど、ちゃんと議論していれば、ちがっても意外と気にならないのです。それよりも、議論をして決めたことが大事になる。

さて、マエキタさんの話しによると、日本もその部分が変わっていくといいのではという話しでした。

秋に、ダイアログカフェをするのでみなさん、ご参加ください。

2009-05-17

だいぶ間があいてしましました。

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いや、すみません。ほんと、いろいろ忙しくて。(言い訳です。)

芸工大以外のしごとは、守秘義務とかいろいろあってかけないことが多いんです。と、気がつくと、5月も3週間過ぎていて。

まずはお知らせ。ラジオモンスター、毎週金曜日夜19:30からやっている建築・環境デザイン学科の「わたしたちの未来」ですが、今週から、志村先生が登場します。しむけんブログならぬ、しむけんラジオ、ぜひお楽しみに。

わたしは、また、夏過ぎに登場します。それまで、パーソナリティーは渡部先生が担当します。

いよいよ、課題も佳境をむかえ、3年生は大変そうです。
がんばってください。

2009-05-03

気がつけば

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気がつけば、ゴールデンウィークがもう後半である。土曜日は事務所でうちあわせ、今日は子供の勉強をみたり、買い物に行ったり。結構、ゆっくり過ごしている。豚インフルエンザの話しとかで世間は盛り上がっているが、中国でSARSの騒ぎを経験してから、あまり怖くない。ちょうど SARSのころ、仕事で中国に通っていて、騒ぎが治まった頃、風邪を引いてかえってきた。でも、その風邪は相当強力で、「実はこれはSARSかもしれない。」と思ったほどだ。実際、40度以上の熱が3日間ぐらい続いた。そのあとは、家族が順番に、その風邪を引いていった。ちょっと、ひどかったのを思い出した。それから比べるとまだ、今回は身近ではない。でも、GWで海外に出かけた人が、持ってくるかもしれない。

さて、こういったニュースのなかで、忌野清志郎がなくなったというニュースを聞く。「雨上がりの夜空に」とか「トランジスタラジオ」とか、ちょうど高校生のころによく聞いていた。とても、そのころの大学受験前の鬱積した感じを吹き飛ばすのにいい感じの歌だったのだ。
あろうことか、昔はやせていたので、よく顔が似ていると言われていた。(いま、いうとみんな笑うけど。)モノマネをしてまねをしたかったが、そのころは、カラオケもまだ、そんなになくて、RCサクセションの歌は結構むずかしかった。享年58才はさすがに若い。もし、よければ聞いてみてください。

2009-04-28

横浜開港150周年記念博覧会

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これは巨大蜘蛛のパフォーマンス。信号もよけながら、公道を走っています。大きさだけでもすごい迫力。じつは、この蜘蛛の後ろから、チェロやバイオリンなどの生演奏のバンドもやってきて、すごく雰囲気がいいです。


横浜開港150周年の記念イベントが今日から始まりました。
海の広場の会場をみかんぐみが担当。直線で曲面をつくる、一葉双曲面というかごのような形をつかって、会場を構成しています。この会場のなかには、フランスのパフォーマンス集団ラ・マシンの巨大蜘蛛がいて、ときどきパフォーマンスをします。横浜にお越しの際はぜひ、お立ち寄りください。

2009-04-27

三沢旅館潜入!

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さて、学生たちが改造した三沢旅館がどうなっているのか。
のぞいてきました。

部屋がおしゃれなのか、おしゃれの人が住んでいるのか。
まったく、普通のアパートとはちがいます。

どこにあるかと言えば、ヨーロッパとかの学生の部屋みたいな感じ。
カスタマイズした空間が楽しそうです。

この部屋の奥の部分はDJブース。家具もすべて手作り。

2009-04-24

新しい郊外の家

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「新しい郊外の家」馬場先生の本です。一時期、仲間内で馬場さんが房総で暴走してる。という噂が流れていた、馬場先生の家をつくるプロセスが語られている本です。
環境デザイン学科の準備室ですごく安く(自信がないけど、多分1000円)売ってますが、その本の紹介を今日、19:30からのラジオモンスター「私たちの未来」で、私が馬場さんにいろいろ聞いています。
ぜひ、聞いてみてください。

2009-04-21

サスティナブルタウンのための10の提言

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なんと、サスティナブルタウン10の提言の改訂版がでます。
昨年刷った1000部があっという間に亡くなってしまいました。

一部は学生以外の一般の人にも見ていただき、ロハス大賞なるものにノミネートされたりもしました。パチパチ。

改訂版では一部、変更となります。「02資源」という項目が「02エネルギー」と変更になります。これは筑波大学の名誉教授 熊崎実先生からの指摘です。
これから、わたしたちの生活のなかで、カーボンフリーという概念が非常に大事になってきます。そのときに、どういう生活をするかは、資源という広い概念ではなく、やはり問題なのはいろいろな資源ではなく、もっと的確にいうとエネルギーだろうと。化石エネルギー、いわゆる石油を使うとCO2が増えます。そうなると、温暖化がとまらない。だから、化石エネルギーをできるだけ使わないようにしないといけない。そのためには、CO2のでない再生可能エネルギーを使うべきと。たとえば、それは太陽電池だったり、太陽熱だったり。また、薪を代表としたバイオマスエネルギーもよいのです。
薪をもやした時にでるCO2は、太陽エネルギーが光合成を通して、固定化したCO2であるので、いくら燃やしても、地球上のCO2は増えないのです。
(これはむずかしい概念です。わからなければ、メールください。丁寧に教えます。)
そういう点で、木材などのバイオマスエネルギーというのは非常によい訳です。なので、項目の名前を変えます。実は、内容はほとんど変える必要がないので、変えませんでした。

さて、改訂版がでるので、オリジナル版を持っている人は、そのうち価値が出てくるかもしれないです。そっちも大事にしてください。ではでは。

2009-04-18

失敗

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昨日、一時限目だと思って、教室に行ったら、3年生が。1年生の授業なのにおかしいいなあと思って、「これ、1年生の授業じゃないの??」って聞いたら、ほぼ全員が「じゃあちがう」って感じで、みんな席を立つ。と、いうところで、間違っているのは私ということに気がつきました。焦らせたみなさん、すみません。

えーと、昨日でラジオの3回目の放送が終わりました。昨日の話しは「三沢旅館」のリノベーションの話し。卒業製作で取り組んでいた黒田さん、鈴木さんに馬場先生がいろいろインタビューしてくれました。

その収録が行われているとき、私は山形市立第4小学校にいました。
3年生の課題は、第4小学校の建て替え計画なのです。身近なビルディングタイプである小学校ですが、いろいろと変革の時期にあり、さまざまな試みがなされています。ぜひ、3年生にもはりきって、新しいタイプの学校を試してもらいたいものです。

2009-04-16

いよいよ課題がはじまります。

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演習がはじまります。
3年生、最初の建築の課題は小学校。だれでもなつかしいビルディングタイプです。課題の想定場所は、市内の第4小学校。ここ何年か同じ課題をやっていますが、毎年、すこしずつ傾向が違います。今年は、教員の人数が少なく、2人で担当します。履修者も多いです。
さて、昨日の平行定規につづいて、第2弾。
そのとき私はどんな課題をやっていたか。

第1課題 ホテル    谷口義生
第2課題 街角の郵便局 坂本一成
第3課題 小学校    山下和正
第4課題 ホールをもつスタジオ 槙 文彦
第5課題 商業施設   倉俣史朗
第6課題 建築美術館  坂本一成

でした。前半の課題に関してはあまりいい記憶がありません。最初の課題はむずかしかった。三井倶楽部の庭園のなかに、ホテルを建てるという課題。わけもわからずに大きいものを建ててしまい、失敗しました。多分、小さなヴォリームをちりばめるのがよかったと後で知らされましたが、後の祭り。郵便局は、巨大なポストをつくって、ヴェンチューリのアグリーダックと言われ、(わからない人は、ヴェンチューリのラスベガス 読んでね。)小学校もよくわからず終わってしまった。あまり、楽しいことを考えなかったんですね。 自分が、たのしいことを考えないと案も楽しくなくなります。
これは不思議だけど、本当。だから、課題は、たいへんでも楽しくやらなくてはいけない。厳しい人の空間は、ホントに厳しいんですから。

夏休みは悶々と過ごし。そのあとの2つの課題は楽しくて、しょうがなかった。いろいろ考えたことが、受け入れられて、さらにヒントをもらうわけです。ヴォリームを模型でつくって、できた形はそれなりの説得力があって、おもしろかった。ただ、未消化のところがあって、ちょっと残念な結果となりました。

商業建築は願ったり、叶ったりの課題です。もともと、商業には興味があったんです。そうはいっても、建築の世界では、比較的邪道。(知らなかったです?)コマーシャリズムは否定されやすいのです。でも、そのころの倉俣さんはもっともとんがったインテリアデザイナーだったから、彼のつくる空間は全く違った。ある意味、とても建築っぽいのですが、もっと、一つ一つの部分にこだわりがある。そのとんがり方がかっこいいとあこがれて、案も洗練されていきました。そうなるとホントに楽しい。寝るのも忘れるほどでした。

前期だけだったら正直、わたしは建築家になっていませんでした。やはり、後期の課題でぐーっとのめり込めたからこそ、楽しさがわかってしまった。
そうなると、ちょっとやそっとで辞められません。のめり込まないとダメなんです。単純にやりたいことを、ぐーーと押し出す感じです。あれも、これもといったら失敗する。課題ってそういうもんです。

皆さんもがんばってください。

2009-04-14

平行定規

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山畑先生から相談された。2年生が、インクペンと平行定規(1万5千円)の両方を買うことができないので、インクペンとT型定規(4千円ぐらい)のセットでなんとかならないと聞いているという。なるほど。
そういうこともあるかもしれない。なぜなら、建築・環境デザイン学科は、全員が建築士になることを前提にしていないので、建築の仕事に就かないのであれば、なにもそんな高い買い物をする必要なんてないはずなのである。それは、それで、納得。いずれ、CADに移行するのだ。と思っていられるかもしれぬ。
ちなみに私は大学に入ったときに、あまりに嬉しくて、親にこれがなければ、建築家(士)になれぬとだだをこねて、20万くらいの6畳の部屋を占領するような代物(A1の平行定規でした。)をほしいと、親の細いすねをかじったのであった。あとから考えると、かたちからはいることが多い。でもね、かたちからはいって、その気になるのも必要なのだよ。もちろん、そのころはコンピュータなどという、すぐに古くなってしまう物もなかったから、それだけでよかった。そしてそれを買ったことで、自分の未来が開けたような気すらしたのである。もちろん、それを買ったからといってそんなことはなく、課題の締め切りに追われるつらい日々が待っていたのである。でも、そういう気分を味わうのはたいへん良いことだとも思う。
さて、では、建築家にとって平行定規とはどういうものか。それは簡単。それは料理人にとっての包丁。美容師にとってのはさみ。(プロユースは10万円もするはさみがあるらしい。)カメラマンにとってのカメラに等しい。よく切れる包丁をつかわない料理人の料理はまずい。きれないはさみでは、うまくカットはできない。借りたカメラをもっているカメラマンはどこにもいない。
いずれコンピュータを使うからといって、平行定規を買わないのもこれまたダメである。ここにあげた職業も含め、肉体的な鍛錬が必要なのだ。自分の体にしみ込んだ感覚が必要なのである。肉体的な鍛錬がなくては、建築家という職業にはつけない。私の知っている建築家はみな、手が動く。模型や図面やパースやスケッチなど。とにかく手を使うことがうまい。全部かどうかはさておき、何かに秀でている。体に叩き込んだスケール感はだれにもまねできない物だ。
なので、もし、建築家になりたいと思っている人で、平行定規を買うことを迷っている人がいたら、ぜひ、無理をしてでも、平行定規を買ってほしい。

2009-04-11

このまえ紹介できなかった正20面体

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このまえの新入生のキャンプで紹介しそびれたプロジェクトがあるので、ここで紹介します。
実はこれは3月に赤城湖で行われた、小屋ジャンボリーでの写真なのです。
赤城湖では、氷の上から穴をあけ、わかさぎ釣りをするのです。その時、あまりに寒いので小屋をつくろうというのですが、その小屋をつくる競技なんです。
大学院の亀岡、須藤、松本チームはみごとな大きいものをつくりました。
風が強いのですが、なかでみんなで押さえるとそれはそれで楽しい。
先生はつくらなくてもいいのですが、わたしがつくったのはフラーという人が考案にしたフラードームの基本となるかたちです。こういう大きい模型もできると楽しいものです。

2009-04-10

三沢旅館=山形R不動産の第1弾

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えーと、昨年馬場さんが立ち上げた山形R不動産、まず第1弾で、三沢旅館を学生が泊まれる場所にしようというプロジェクトがスタートしました。
4年生の黒田くんと鈴木さんは卒業設計で、この旅館の使い方を提案したので、まさに学生のプロジェクトが現実のものとなったのです。これには紆余曲折がいろいろ。とにかく、しばらくお休みしていた旅館をまた、始動させるにはそれなりの設備が、、。また、他のさまざまな条件もすべてクリアしないとダメなわけです。いままで、一度も実際の仕事をやっていない学生が、動かすのは並大抵のことではない。
でも、最初にきめた中心市街地に住む。という目標のため、一同がんばりました。予算をカバーするためには、自ら手を動かすことをいとわず。壁のペンキ塗りは大変でした。ぬった皆さん、ご苦労様。
また、このプロジェクト。美術館大学構想センターの宮本さんの協力もあって、いくつかの部屋がアーティストインレジデンスに。ここを拠点に七日町でもアート活動を始めて行きます。学生は、町でのアート活動の拠点として活動します。
空間って、与えられるのではなく、手を加えていいもので、それをすれば劇的に変わっていくということが、とてもよくわかったのではないかと思います。そういう、私もペンキ塗り1日中していたことがあります。今の前の前の事務所で。とにかく、朝から晩まで塗ってました。つい、無口になっちゃうんだよね。
とにかくできた空間は、かっこよかったです。