3月16日。味噌づくりにとって大切な仕込みの日です。
筆者は初めての仕込み作業で緊張しっぱなしで忘れ物しました。申し訳ありませんでした……。
仕込みの場所は大学近くの滝山コミュニティセンターさんの調理室をお借りしました。
初めて来た場所でしたが、中高時代に戻ったような懐かしさを感じます。
まずは豆を柔らかくなるまで煮ます。
使用したのは芋煮用の大きな鍋!なみなみと豆と水が入り、何とか鍋二つで済みました。
時々灰汁を取り除きつつ様子を見ます。味は……豆の味です。
煮えている間にいくつか別の作業もしました。
ひとつは「豆腐作り」です。
前日準備の時に別で漬けていた豆を使用しています。
作る過程でできた湯葉を思わず……つまみ食いっていつも通り食べるのよりもちょっと美味しいです。
そしてもうひとつ。「蕎麦打ち体験」が始まります。
昨年に引き続き、味噌でお世話になっている田中さんの旦那様に教えていただきました。
打ったお蕎麦はお昼にいただきます。
ふるって、混ぜて、混ぜて、こねて……のばす!切る!
細く切るって難しい……でも、既に美味しそうです。
ふるいで落ちなかった粗い蕎麦粉は、ガレットとそばがきになりました。
昼ごはんの準備の最中、深瀬商店さんから麹を受け取った方々が戻ってきました。
届いた麹はまだ少し温かく、一粒かじるとほんのりと甘みがありました。
今年は白米を使った味噌の他、新しい試みとして玄米を使った味噌にも挑戦します。味に差が出るのか、食べ比べる時が楽しみです。
8時半から作業し続け、やっとお昼にありつけます。
お蕎麦、お豆腐、おからサラダ、ガレットなど……美味しかったです。
調理台を囲んでお腹と心を満たします。午後は力仕事が待っています。
午後は茹でた豆をつぶすところから始めます。
すり鉢を使ったり、持参した臼と杵を使ったり、とにかくつぶします。
『農芸ののぞきあな』でも農芸味噌を展示していましたが、手作業でつぶすからこそ、農芸の味噌は豆っぽさの残った味噌になると思います。そのかけらも、ぷちぷちしていて美味しいです。
つぶして、量って、豆と麹と混ぜます。
麹のパラパラした部分が残らないように、底からすくいあげるように混ぜ合わせます。
全体が混ざったら混ぜたものを別の桶へ、一掴みずつ叩きつけながら移し替え、
手でまんべんなく押さえて空気を抜きながら平らにします。
桶の内側の、味噌に近いところに塩をこすりつけ、蓋と重しをドン。
学校へ運び、封をして日陰に置いて、仕込みは終了しました。
今年は様々な方のお力添えで仕込みを終えることが出来ました。
多くの活動でお世話になり、仕込みの日が急にずれてしまったにもかかわらず、こちらの変更に合わせてくださった田中さんご夫妻。
種類の異なるお米に合わせ、それぞれ麹を作ってくださった深瀬商店さん。
収穫が少なかった中、間に合わせてくださったはしもと農園さん。
仕込みの場所や器財を貸してくださった滝山コミュニティセンターさん。
山形の湧水を提供してくださった樽石大学さん。
心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
お味噌が完成するまではまだまだ長い時間がかかります。それまでまた根気強く待ちます。
完成までしばらくお待ちください。
美術科日本画コース2年 末次佑
卒業式の準備が着々と行われている体育館の片隅で、味噌づくりの前日準備は進められていました。
今回は「水を汲んでくるチーム」と「大学で豆を洗うチーム」の2手に分かれて行います。
なお、先生は体調不良で不参加でした。体調管理の難しい季節です……。
まずは水汲みチーム。
豆洗いチームよりも早めに大学に集まり、空のポリタンクを車に積みます。
目指すは樽石大学!車は農芸OBの先輩にご協力いただきました。
一方その頃豆洗いチームは……
明子さんのご指導のもと、体育館の水道で豆を洗います。
水を入れると泡立っていく様子には興奮しましたが、昔は石鹸や洗剤のかわりに使われていたとか……大豆ってすごいなぁ。
水汲みチームが大学に戻り、洗った豆を汲んできてもらった水で一晩漬けます。
ここで前日準備は終了!
解散後は「樽石大学の湧水」と「市販のペットボトルの天然水」と「学食の水」を飲み比べしました。
もしも湧水以外の水の方が美味しいと感じるのなら湧水で作る意味はあるのか、という問いの下、皆で少しずつテイスティング……
多くの学生が美味しいと感じたのは――「樽石大学の湧水」でした。
筆者は味オンチなのでそれぞれの差は感じられず……残念。
なお、残った水は学生が美味しくいただきました。
明日はいよいよ味噌づくり。
舞台は大学から滝山コミュニティセンターに移ります。
味噌以外にもアレとかコレとか……次回へ続きます。
美術科日本画コース2年 末次佑
3月は風の冷たさの中にあたたかな日差しを感じます。
3月6日から行われていた、本チュートリアル活動報告展示『農芸ののぞきあな』は
同月の10日を以て終了いたしました。
それまでの展示とは趣向を変え、今回は、普段はあまり表に出ない活動を
来場者に伝えることを目的として企画されました。
前回は木版画でしたが、今回は切り絵で一年間の活動を伝えました。
そして新たな試みとして……活動で培った「育てる・学ぶ・糧」を文字に起こしたり、
農芸に関連したスケッチや作品の他、味噌の実物展示も行いました。
今回、春休み中で人もまばらな中、芳名帳には学生や教員のみならず、一般の方々の名前も
多く見られました。
コメントコーナーにも様々な感想が貼られていました。中には見知った方々のお言葉も……。
多くの方々にご来場いただけたこと、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
今後の放課後農芸の活動も温かく見守っていただけると幸いです。
美術科日本画コース2年 末次佑