拝啓、ご家族様。文芸学科2年、菊次郎です。
今年も芋煮会の季節がやって参りました。
放課後農芸も例に漏れず、部員が集まって卓を囲みます。
当日は天気も良く風もあり、絶好の日和でございました。
左側のかまどは何と手作り。レンガと金網を組み合わせて作られてるんです。
こじんまりとしてかわいらしいですね。
今回の芋煮は、山形内陸風を目指して、牛肉、マイタケ、こんにゃく、しょうゆをメインに作りました。
芋煮会の醍醐味は、やはりみんなで作るところ! さんさんと照り付ける陽をテントで避けつつ、食材を切っていきます。
食材の下ごしらえが済めば、後は煮て食べるだけ! やったー!!
……と思いきや、実は参加者の10割が県外出身。味付けの程度が分かる人間がいなかったのです!
そこで助けてくださったのが、外部より招いた斎藤さん。的確な指示で、おいしい芋煮に仕上げてくださいました。
放課後農芸手作り味噌を使った、味噌味の芋煮も作りました。
さてお待ちかねの実食です。立作業の疲れから、座った瞬間ホゥ…とした空気が流れます。
「いただきます」の合掌を箸に持ち替え、芋をほぐして口の中へ…
「熱い!!」
芋煮を食べながら、一人ずつ夏の思い出を語っていきます。
大学生の夏は長いようで短い。いや、短いという事は全くないが、その期間をどう過ごすのかは、大学生にとっての重要な課題です。
無為に過ぎていく日々を思い返し、来年こそは思いっきり楽しんでやろうと心に誓いながら、思い出話に花を咲かせるのでした。
さて、芋煮会の締めといえば、カレー! そしてうどん!
味の変化に満腹中枢刺激され、ちゅうちゅう啜るはカレーうどんでご馳走様ときたもんだ!
ある程度とろみがつくので、タッパーで持ち帰るのも便利というのは内緒。
後片付けまでが芋煮会。鍋の煤までそぎ落とします。
今年の芋煮会も無事終わりました。
初めて参加した人たちが、楽しかったと思ってくれているといいなと思いつつ、締させて頂きます。
それでは!
文芸学科2年 鈴木颯人
3月16日に餅つきを開催しました。新入生を餅つきで歓迎しよう!
ということでその練習も兼ねています。
餅つきに使用する杵は重たく、最初のうちはしっかりと餅を搗くことができませんでしたが、
最後のほうはみんな上達していい音が出ていました。
できあがった餅は、あんこ、きなこの定番から、キムチやコーンポタージュといった変わり種など多くの味付けでいただきました!
つきたての餅はとってもよくのびて、柔らかくおいしかったです。
本番では今回の餅つきを参考に、美味しいお餅を振舞えればいいなと思っています。
美術史・文化財保存修復学科 棚橋唯
野良仕事の合間のおやつ。ふもち。
岩手、宮城では“がんづき”と呼ばれるこの蒸しパンのようなおやつ。
山形では“ふもち”と呼びます。
いつも畑でお世話になっているお母さんから秘伝のレシピを教わりました!
そのお母さんは、お隣の吉野さんという方から教わったそうです。
オーブンが無くてもできる。嬉しいおやつ。
農民としてこれはマスターしておきたい。
春、夏に比べて冬の活動は地味です。
米や豆の脱穀、籾殻の籾摺り作業は本当に地味です。(機械を使っていないのでさらに…)
でも時間が沢山あるから、手間をかけることが出来る季節です。
家に籠ることを強いてくる雪は、時に疎ましく感じますが、ありがたいものでもあります。
かつて、家の中で一番奥の暗い蔵に種を保存したと聞きました。
それは、籠ることによって種の生命が殖ゆると信じられていたからだそうです。
人の手でなんでもコントロール出来るとつい思ってしまうほど便利で安全な暮らしをおくっていても、
雪がふれば、横断歩道も、白線も見えない。
走れば転ぶし、何をするにもいつもより時間が余計にかかる。
なんで雪が降る土地に住んじゃったんだろう、と時々思うけれど、
雪は土地の暮らしを守ってくれる。教えてくれる。
本当は春だって、夏だって、秋だって教えてくれているけれど、
東北の冬は、やっぱり雪の声が大きい。
(いや、春も負けてない)
そんなこの冬の放課後農芸メンバーの私生活はというと、
しっかり籠って、麺と出汁から作るラーメン、白菜から作ったキムチ、カカオを割ることろからチョコづくり、右手で食べてみようインドカレー、
などに挑戦しているようです。
今後はきなこ、ピーナッツバター、も作る予定。
生命力、殖ゆってます。
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記:農芸ファシリテーター 飯塚咲季
8月・9月の毎週火曜は東北芸術工科大学で放課後農芸「昼ごはんカフェ」
今回は特別ゲストに 群馬のイタリアンレストラン「CENTO(チェント)」の梅山シェフ、
山形の農業生産法人アグリパークZAOの赤松シェフをお招きしての開催です!
畑を一回りして、収穫したばかりの野菜を使って下ごしらえスタート。
いつもと同じ場所、同じ機材?と思わず疑う調理風景。
フライパンのなかの食材の様子は(やっぱり)自分たちで作る時と大違い。
まずはサラダから!
赤松シェフが育てた「プンタレッラ」というタンポポの葉のような野菜に、
柳川先生が前日に釣り上げたキスや、雪の結晶型のパスタ(aGarey)が乗せられています。
そしてパスタが2種類。
夏野菜のトマトペンネ 枝豆のペペロンチーノ
頂きながら作り方、素材の味の引き出し方、最近のイタリアンの潮流など、聞いたことがなかった話がぞくぞく。
自分たちが育てた野菜の、自分たちの手で引き出せなかった別次元の味を知ってしまいました。
レストランの客席では完成された形だけにしか出会えません。
いつも畑で見て触って食べている食材が、シェフの手にかかると・・・
「野菜って、ここまで美味しさが引き立つんだ!」と新たな発見と、プロの腕前に圧倒されます。
シェフのお2人の姿をみていて、ふと「プロの仕事」について考えてみました。
・限られた環境で最大限の成果をだす方法を瞬時に判断する
・素材をよく観察し、五感、科学的知識、経験から味を引き出す
・専門的知識をもたない人にもわかりやすく伝える
この3つのことが印象に強く、アートやデザインにも通じる大切なことだと思いました。
食の奥深さ、プロの技にわくわくした昼ご飯カフェでした。
梅山シェフ、赤松シェフ、素敵な体験をありがとうございました。
群馬県前橋市下小出町2-54-6
http://www.eurobrezza.co.jp/cento/
山形県上山市高野字家老山3-37
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記 ファシリテーター 阪野 正義