7月20日に行われた勉強会、今回のお題は「お金のいらない国」。
長嶋龍人氏による短編小説です。
本文の内容はタイトルの通り、「もしも世界に『お金』という概念が無かったら?」というもの。
前回開催された「モモ会」の流れを受け継いで企画された今回の勉強会は、各々の「お金」に対する価値観へ一石を投じるような構成でした。
「主人公が『お金』という概念のない世界に飛ばされる」という作品の冒頭部分を皆で読み合い、意見を交換します。
「お金」という概念が無くても問題なく社会が回り、人々が幸せそうに暮らしている穏やかな世界。
まさに理想郷(ユートピア)のように描かれている「お金のいらない国」を目の当たりにし、主人公は自身の「お金」に対する価値観を揺さぶられます。
「お金がいらない世界では”ぜいたく”という概念が存在していない」
「人の何を信用するのか?お金が信用の証になっている?」
「私たちはお金をものさしにして物事を考えているのでは?」
「私たちが畑でやっていることに報酬は発生していない」
「仕事は何のためにするのか?」
「もし今の私たちの世界から『お金』が無くなった時、人々は本当にやっていける?」
「ここで描写されている『お金のいらない国』は、実は管理されているのかもしれない」
自身が培ってきた価値観を元に意見を述べる人、今までの自分の考えを改める人、本文の内容を深読みして考察する人……。
「お金」という身近なテーマが主題なだけあって、それぞれ感じることがあったようです。
また、今回の勉強会ではYBCラジオの高梨さんがいらっしゃり、放課後農芸の活動を取材してくださいました!
取材当日、勉強会が終わった後には先生や学生達との交流もあり、活発な意見交換が行われていた様子。
果たしてどうなるのか……楽しみです。
夏休みも目前に迫り、畑の野菜達も収穫の最盛期を迎えます。
「お化け野菜を放置しているのは恥ずかしいこと」。生み出した以上は最後まで責任を持って世話をしたいものです。
総合美術コース2年 佐藤美月