木の葉も色づき始め、ひと雨くるごとに涼しくなる今日この頃。
金木犀やカツラの葉の甘い香りがすると「秋だなあ」と感じます。
私はこうして嗅覚から季節のスイッチが切り替わるのですが、皆さんはいかがでしょうか。
さて、放課後畑にも実りの秋が到来しました。
この日の作業のメインは、なんといっても里芋を掘ること。
すっかり大きくなった里芋の葉に期待がふくらみます。
里芋は他の多くの野菜たちと違い、水気を好む植物。
そのため、畑の中でも特に水はけの悪い場所を選んで植えつけました。
前日の雨をたっぷり吸った土はドロドロの底なし沼状態…
長靴ごとずっぽり泥に嵌まってしまい、四苦八苦する私たち。
しかし大切な里芋を傷つけずに掘り出さなくてはなりません。
足を取られながらも頑張ります。
どうにかこうにか、みんなの力で立派な里芋が発掘されました!
ずっしりした重みをかみしめて、喜びの記念撮影。葉っぱが大きくて小人のよう。
青々したネギに授業の皆さんが育てたさつまいも、立派なごぼうも掘り起こされました。
私はごぼうを初めて掘ったのですが、筒状の囲いを外した後に
固まった外側の土を崩し、ごぼうを取り出すのが発掘のようでワクワクしました。
普段何気なく食べているごぼうですが、こんな育ち方をするのですね。
身近な食べ物でも、知らないことの多さに気づきます。
里芋は土をていねいに落として、親芋、子芋、孫芋たちを外しました。
泥の下から現れる、きめ細かで真っ白な里芋の肌に感激!
明日のお昼は、今日の収穫をぜいたくに使った芋煮です。
手間ひまが掛かった分、美味しさも格別に違いありません。
おまけに、畑で出会った秋の仲間たち。
ごぼうの囲いを剥がしたら、断面にすっぽり収まった幼虫くん。
気持ち良さそうに寝ていたのに、びっくりしたでしょう…。失礼しました。
こちらは迷子のサワガニさん。
畑のそばを流れる小川から上がってきたとみえます。
のんびり甲羅干ししていました。いい天気です。
最後に栗の実。
畑に生えた栗の木は、今年もつやつやの栗をたくさん落としてくれています。
里芋の葉っぱが受け皿になって受け止めてくれているのでした。
なんだかかわいらしい。栗も持ち帰って甘く煮る予定です。
豊かな実りに感謝して、明日は楽しい芋煮会。
たくさんの人が集まることでしょう。
芋煮ができるまでにあったこの半年間の畑の出来事を、
しみじみ思い返しながら味わいたいと思います。
グラフィックデザイン学科3年
星 美沙子