自然堆肥を作りたい。
大学の授業なんだから化学肥料を買ってきて使うのでは勉強にならない。
ここにある素材、例えば学食の生ごみなどで堆肥を作って畑と大学で循環を作りたい。
授業農芸でこう言った子がいました。
しかしながら、4月に入学した1年生が4月から始まる授業で使う堆肥を作るには間に合いません。
現在授業では完熟たい肥を元肥に、部分的に化成肥料を、さらに追肥でまた化成肥料使用しているのが現状です。
収量が確実に確保できて、すくすく順調に育つ化成肥料。収穫の喜びは野菜がたくさん実った方が皆で分け合えるし良いかもしれません。
でも…授業農芸の理念にはこう書いてあります。(冒頭一部抜粋)
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なぜいま東北芸術工科大学は「土を耕す」のか。
自然との対話を通して、自然の摂理を知り、
人間中心主義の驕りから覚醒するためである。
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私個人の考えとしては化成肥料の存在は人間中心主義の驕りの塊ではないかと…思っているのです。
慣行農法がいいのか、有機農業がいいのか、という議論自体は重要ではありません。
「自然との対話を通して、自然の摂理を知ること」「これまでの”当たり前”に疑問を持ち、それを問いかけにすること。」
が大切なんじゃないかなぁと思っています。
クリエイティブな大学にいる私たちは、ここで得た技術で人々を戦争に駆り立てるCMだって作れる、人の欲望を駆り立ててどんどん新しい製品を大量生産する。でも、その裏側で人が死んでいく。いらなくなった先では土に還れないモノばかり。
疑問をもたなければ、私たちはこのシステムに組み込まれていくだけです。
アートやデザイン自体には善も悪、希望も絶望もない。どう使うかは私たちの心に掛かっています。
おもいっきり話がそれましたが、
それならばと、授業外の放課後農芸で堆肥を作ろう!となったのです。
堆肥、生ごみコンポスト、緑肥、いろいろ勉強していきたいと思います。
たくましいメンバー達!!10名程で楽しく勉強していきます。
今は”常識”に対して疑問を持ち、実行している段階です。
もう一歩先、”疑問”を”問いかけ”にしていけたらと思います。
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記:農芸ファシリテーター 飯塚 咲季