2014-09-05

タネマキビトになる

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家庭菜園とかいうとなんだかのほほんとしていて、清々しくていいな、

なんて印象もあるかもしれない。

でも、私が受ける印象は違う。

 

種をまくというのは人工的な行いです。

しかし人工的といっても、私の都合で種をまいても発芽しません。

それぞれに発芽適温があり、芽が死んでしまう温度も決まっているし、積算温度で刈り取りの時期もわかる。

 

畑の師匠に種の蒔き時を伺う。
驚くほどに蒔き時の期間が短いことに気が付く。

雑草だって、一斉に芽を出して花をつけ実をつけ、また種を落とす。

だったら野菜だってそうか。

その時期を1つ1つ自分で発見しなければならないとすれば、

この労力は果てしない時間を要するだろう。

 

種の蒔き時も、その方法も、育て方も今私たちは簡単に教わる事ができるけれど、

それはこれまで沢山の人が自然世界の摂理を読みながら、

ながい時間をかけ、育てやすく美味しい実を実らせる種に改良し、

その蒔き時と育て方を伝えてきてくれたからです。

 

種をまくこと。

 

これは生きる知恵なんだな。

と改めて感じます。

 

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今日は6時半からラジオ体操。

体を柔らかくし、呼吸を整えてから畑を始めます。。

ちなみに、ほぼ毎日6時半から畑にきているメンバーもいるのです。

脱帽…!

 

その後、平飼い養鶏をやっている伊藤さんの鶏舎に鶏糞をもらいに行きました。

完熟している鶏糞は臭くありません。

にわとりさん、ありがとう。

 

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畑に鶏糞を持ち帰って、ひとまず種まきをする前に朝ご飯!

朝日を浴びながら、手作りのジャムやリンゴジュースにゴーヤ茶、

近所のパン屋さんからもらったパン、畑で採れた野菜入りのオムレツとチキンライス、モモとプルーン。

ごちそうさまでした。

 

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本題の種まきです。

9月2日にはカブ、のらぼう菜、春菊の種をまきました。

そして今日は大根、チンゲン菜、ほうれん草の種まき、そして苗づくりからした白菜の苗を定植をしました。

鍬で耕し畝をたてます。

今日のメンバーは1年生5人と筆者の私。全員女子。

 

「女子力と書いてジョシヂカラと読む。」

 

なんてセリフが出てくるほどけっこうハードな作業です。(男子よ…何処へ)

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大学の授業は朝9時から始ります。

小学校はもう少し早くから、

一般的な会社はだいだい9時からでしょうか?

 

ほとんどの人がその人間社会の中で生きていますが、

この世界のほとんどは人間が認識できない自然世界(自ずとそうなった世界)です。

 

例え今目の前にあっても、見えない、聞こえない、臭わない、触れられないものの方が多いのです。

私たちは何千年前の人類よりも、それを認識できる能力が劣っているのではないかと思います。

 

そんな現代の人間である私たは種をまきながら何を感じ取れるでしょうか。

少しでも自然に近づけるように、そう願って種をまきます。

 

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自然になりきれない人間が一生懸命工夫して積み重ねた知恵をもって自然と同化していく行為。

その行為の過程で”自然はヒト化”され、”ヒトは自然化”されていく。

そこで生まれたものをモノと呼び、その行為を”モノヅクリ”と呼ぶ。

 

山と共に生きている人たちがそんなことを言っていました。私なりの解釈ですが。

 

大量生産は資源の消費でしかありませんが、

ここでは本当のモノモノヅクリが出来るのではないかと思います。

私たちが通う大学は山を背負い、敷地内に川が流れ、畑もある。

 

モノヅクリとは何だろうか?

 

タネマキビトになって、畑で感じ、考え、交換し、共感していくにはとても良い環境だなと思います。

 

彼女らにとっての、大学1年目の夏が終わろうとしています。

 

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記:農芸ファシリテーター  飯塚 咲季

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